こんにちは、エアコンラボのアキです。
エアコンをつけると「ゴー」という風の音が思ったより大きい、夜になると余計に耳につく。そんなとき、ネットで対策を調べると防振グッズや裏ワザのような情報がたくさん出てきて、どれを信じていいのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、エアコンメーカー自身が「音が大きくなる原因」「音を小さくする方法」として公式に案内していることだけを集めました。結論を先にお伝えすると、各社が案内している手段は「エアフィルターのお手入れ」と「風量・設定温度の見直し」の2種類にほぼ集約されます。それ以外の対策は、メーカーの資料には出てきません。
- ダイキン・日立・三菱電機が「音が大きくなる原因」として挙げている項目
- フィルターの目詰まりと運転音の関係、各社が示すお手入れの目安
- 掃除したあとに「カタカタ」と鳴り出したときに見直す場所
- 風速の段階と設定温度が運転音を決めているしくみ
- メーカーが「やらないでください」と書いている対策

各社が案内している「音を小さくする方法」は2種類しかない
まず、メーカーが公式に何と書いているのかを確認しておきましょう。ここを押さえておくと、この先の対処に迷わなくなります。
ダイキンは音を3種類に分けている
ダイキンのFAQ「室内機から変わった音がする(ルームエアコン)」では、室内機の音を次の3種類に分類しています。原文の表記のまま並べると、「<エアコンの動作上する音 (故障ではない音)>」「<お手入れや使い方で改善できる音>」「<故障の可能性のある音>」の3つです。
ここで大事なのは、風の音がどこに入っているかです。ダイキンは「ゴー」「ゴーゴー」「ボー」「ボーボー」という4種類の擬音と、「サー」「ザー」「バサバサ」「ヒューヒュー」という4種類の擬音を、どちらも「<お手入れや使い方で改善できる音>」に分類しています。つまり「故障ではないので我慢してください」でも「壊れています」でもなく、利用者の側で手を打てる音として扱われているということです。
そして、その原因としてダイキンが最初に挙げているのが「エアフィルターの汚れや目詰まりで風の通りが悪くなると、吹出口から出る風の音が大きくなることがあります」という一文で、対処は「フィルターのお掃除をお試しください」です。
日立と三菱電機の案内も、結論は同じ方向を向いている
他社も見ておきましょう。日立の「室内機の音の原因を知りたいです。」は、音を「エアコンが正常に運転しているときに発生する音」と「エアコンに問題が発生している可能性がある音」の2種類に分けたうえで、「(吹き出し口から聞こえる音)ピー・ピュー・ヒュー・ザー」を正常側に置いています。説明は「吹き出し口から風が出るときの音です。風速が強いと音が大きくなります。音が気になる場合は、風速を自動にすることをおすすめします」。風速の変更が、そのまま音への対処として案内されているわけです。
三菱電機のFAQ「以前より、室内機の音が大きくなった(うるさくなった)気がします」にいたっては、確認項目が2種類しか書かれていません。「①フィルターが目詰まりしていませんか?」と「②風の強さ・風速が『強』や『ロング』に設定されていませんか?」です。後者には「『ロング』に設定すると、最大風量になり、送風音が大きくなります。風の強さを調節してください」と続きます。
| メーカー | 音が大きくなる原因として挙げている項目 | 案内している対処 |
|---|---|---|
| ダイキン | エアフィルターの汚れ・目詰まり/換気機能の使用 | フィルターの掃除/換気設定の変更 |
| 日立 | 風速が強いこと | 風速を自動にする |
| 三菱電機 | フィルターの目詰まり/風速が「強」「ロング」 | フィルターのお手入れ/風の強さの調節 |
3社とも、挙げているのはフィルターと風量だけです。防振グッズや遮音材といった後付けの対策は、どのメーカーの資料にも出てきませんでした。だからこの記事も、この2つを軸に進めます。
フィルターの目詰まりと運転音、メーカーが示すお手入れの目安
まずはフィルターから見ていきます。ここは「どのくらいの頻度でやるのか」が最初の関門です。
お手入れの目安は機種のタイプで変わる
日立の「エアフィルターのお手入れ方法を知りたいです。」は、目安を機種のタイプごとに分けて書いています。「自動フィルター掃除」機能を搭載していない機種のうち、本体やリモコンにフィルターサインがある機種は「サインが表示されたときがお手入れの目安」、フィルターサインがない機種は「2週間に1回程度」。一方、「自動フィルター掃除」を搭載している機種は「汚れにくい構造ですが、数シーズン使用すると汚れが取れなくなることがあります」として、定期的に汚れ具合を確認するよう案内しています。
同じページには、目詰まりの影響についてこう書かれています。「エアフィルターが目詰まりすると冷暖房の効きが悪くなりますが、ゴミやホコリを取り除くことで約5%〜10%の省エネ効果が期待できる」。音の話ではありませんが、目詰まりが実際に運転へ影響していることを、メーカーが数字で示している数少ない記述です。
ここは正直にお伝えします
「フィルターを掃除すると運転音が何dB下がる」という数値を公表しているメーカーは、今回調べた範囲では1社もありませんでした。各社が書いているのは「音が大きくなることがある」「お手入れをお試しください」までです。掃除前後を騒音計で測ったという体裁の数字を見かけたら、その出どころを確かめてみてください。
お手入れのときにメーカーが注意している点

手順そのものは各記事で詳しく扱っていますので、ここでは日立が同じページで挙げている注意点だけをまとめます。
- 運転を停止して電源プラグを抜くかブレーカーを切る(内部でファンが高速回転しているため、電源が入ったままだとけがや故障の原因になる)
- 内部の部品でけがをするおそれがあるため、手袋を着用する
- 掃除機の吸引力が強すぎるとエアフィルターを傷めるおそれがあるため、弱めに設定する
- フィルターを取り付けたまま掃除機で吸うと内部の結露水を吸引し、掃除機の感電・ショートの原因になるため、必ず外してから掃除する
- 汚れがひどいときは中性洗剤で洗い、よくすすいでから室内で陰干しをして十分に乾かす
- 直射日光に当てると劣化して破れることがあるため、当てない
掃除のやり方そのものをもっと詳しく知りたい方はエアコンフィルター掃除の効果はどれくらいある?完全ガイドを、季節ごとの進め方は春のエアコンフィルター掃除をご覧ください。破れてしまった場合の扱いはエアコンのフィルターが破れたときの対処にまとめています。
掃除のあとに「カタカタ」と鳴り出したら、取り付けを疑う
ここが、フィルターと音の関係でいちばん見落とされやすいところだと思います。日立の「エアコン(室内機)からカタカタと音がします。」は、この音を2種類の場面に分けています。
電源を入れた直後に鳴る場合は「電磁弁が開閉する音の可能性があります」「構造上必要な音であり、故障ではありません」。これに対して、運転中に鳴る場合は「フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があります」とされ、対処は「フロントパネルを外し、エアフィルター、ホコリキャッチャ-、ダストボックスなどの内部部品を取り付け直してください」です。
つまり、掃除そのものは正しくできていても、戻し方が甘いと今度は別の音が出るということです。同じ日立のページには、上面用エアフィルターのロックが左右1箇所ずつ、前面用は3箇所あり、そのすべてをスライドさせて固定すると書かれています。エアフィルターの形は機種によって3種類(上面と前面にあるタイプ、上面のみのタイプ、上面と前面が一体のタイプ)に分かれるため、自分の機種がどれなのかを取扱説明書で確かめてから戻すのが確実です。
◆アキのワンポイントアドバイス
フィルターが浮いたまま入っていると、風の通り道が変わるだけでなく、日立が書いているとおり部品同士が当たる音の原因にもなります。同ページには「エアフィルターが正しく取り付けられていないと、フィルターが掃除できず、クリーンランプが点滅します」という記述もあります。ランプの点滅は、取り付けが甘いことを機械側が教えてくれているサインでもあるわけですね。
風速と設定温度の見直しで運転音を下げる
もうひとつの軸が風量です。実はここが、いちばん即効性のある手段です。
風速は段階で選べる。「自動」は音への対処として案内されている

日立の「風速の変更方法を知りたいです。」によると、ルームエアコンRAS-X40M2では[風速]ボタンを押すごとに、[風速自動]→[風速(しずか)]→[風速(微風)]→[風速(弱風)]→[風速(強風)]→[急速パワフル]の6段階が切り替わります。「しずか」が独立したモードではなく、風速の一段階として並んでいる点に注目してください。静かにするというのは、要するに風量を落とすことなのです。
シャープの取扱説明書(AY-J22S/25S/28S/40S)でも風量は「微」「弱」「強」「急速」の4段階で、「『急速』は、最大風量で運転するため、運転音が大きくなります」と明記されています。日立が「風速を自動にすることをおすすめします」と書いているのも、同じ理屈です。
設定温度が風速を決めている
ここは意外と知られていないのですが、風速を上げたつもりでも、実際の風量を決めているのは設定温度との差です。日立の同じページには「風速よりも設定温度が優先されるため、部屋の温度と設定温度の差が大きいときは、風速を強めた運転を行いますが、設定温度に近づくと弱まります」と書かれています。シャープの取扱説明書も「自動」について「お部屋が設定温度になるまでは強く、設定温度になると、弱くなります」と説明しています。
逆に言えば、設定温度を室温から離しすぎると、エアコンは風速を上げて追いつこうとするので音が大きくなります。室外機側も同じで、日立の「室外機の音が気になります。」には「気温が高い日や低い日は、室温と設定温度の差が大きくなりやすいため、運転にパワーが必要となり、室外機の音が大きくなることがあります」とあります。急いで冷やしたい場面を過ぎたら設定温度を戻す、というのが理にかなった使い方です。風量の自動制御についてはエアコンの自動運転とファンの動きもあわせてどうぞ。
換気機能つきの機種は、換気設定も確認する
ダイキンは前述のFAQで、風の音が大きくなるもうひとつの原因として「換気機能を使用している場合は、換気用のファンが回るため音が大きくなることがあります」を挙げ、「換気設定は『強』『自動』『切』に変更できます」と案内しています。加湿機能のある機種には換気機能が付いているとの注記もあるので、該当しそうなら取扱説明書で設定を確認してみてください。
カタログの運転音は「強風運転」で測った数値
風量と音の関係は、カタログの注記からも読み取れます。富士通ゼネラル「ノクリア」Cシリーズの仕様一覧には、運転音(音響パワーレベル)が室内機で56dBから66dBの範囲で並んでいますが、その注記にこうあります。「運転音はJIS測定条件に基づき、無響室で室内機を強風運転した場合と室外機を定格能力で運転した場合の数値です。実際に据え付けした状態で測定すると、周囲の騒音や反響等の影響をうけ、表示数値より大きくなるのが普通です」。仕様値はJIS C 9612:2013に基づいた数値であることも明記されています。
カタログの数値そのものが、いちばん風量の大きい状態で測られているわけです。裏を返せば、風速を落とせばそれより静かになる余地があるということでもあります。dBの読み方そのものについては、別記事で改めて掘り下げます。
室外機まわりと、メーカーが「やらないで」と書いている対策
ここまでが室内機の話でした。最後に室外機と、避けるべき対処を確認しておきます。
室外機は「周りの物を取り除く」だけが案内されている
ダイキンのFAQ「室外機から変わった音がする(ルームエアコン)」は、「ブーン」という音について「風を送っているファンが回転している音です」としたうえで、「室外機の周りに物が置かれていると、ガタガタという振動音やファンの音が反響して音が大きくなる原因となります」「室外機の周りにものを置かれている場合は、周りの物を取り除いてください」と案内しています。
設置環境について各社が具体的に書いていたのは、この「周りの物を取り除く」という一点だけでした。「壁から何センチ離す」といった数値や、防振ゴムの後付けを勧める記述は、今回確認した範囲のメーカー資料には見当たりません。室外機の音そのものについてはベランダのエアコン室外機がうるさい原因と対策で詳しく扱っています。
これはやらないでください
音を静かにしたい一心で、かえって故障や事故につながる方法に手を出してしまうケースがあります。メーカーと業界団体が明確に止めているものを挙げます。
- 室内機のファンを自分で洗う…日立は「室内機のファンのお手入れは分解を伴うため、お客様ご自身で掃除ができません」と書いています
- 市販の洗浄スプレーを使う…同じページに「市販の洗浄スプレーは故障の原因となるため、使用しないでください」とあります
- 内部洗浄を自分でやる…日本冷凍空調工業会は「エアコン内部の洗浄は高い専門知識が必要です。お客様自身で実施したり、正しい洗浄剤の選定と洗浄方法で行わないと、内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことがあります」とし、最悪の場合は発煙・発火につながるおそれがあると警告しています
- ルーバー(風向板)を手で動かす…シャープの取扱説明書には「上下風向を調節するときは必ずリモコンで操作してください。手で調節すると、誤動作や異音・故障の原因になります」とあります。音を消すつもりが異音の原因になっては本末転倒です
- 吹出口に指を入れる…同説明書に「奥の方まで指を入れないでください。ファンが高速で回転しているためけがの原因になります」とあります
それでも音が気になるときの、点検を相談する目安
フィルターと風量を見直しても変わらない場合はどうするか。各社が書いている線引きは、実はかなりはっきりしています。
各社が示している相談のタイミング
- ダイキン…「上記に当てはまらない場合や、対処をお試しいただいても改善しない場合」「以前よりも音が大きくなったり、以前しなかった音が突然するようになったりした場合など音が気になる場合」
- 日立(室内機)…「該当する音がない、音が大きくなって気になる、または生活に支障が出てお困りの場合」
- 日立(室外機)…「以下に該当しない異音や、運転音が急に大きくなり止まらなくなった場合」は運転を停止して相談
- 三菱電機…「上記にて解決されない場合」
共通しているのは、「この擬音語なら故障」という判定ではなく、『変化したかどうか』と『対処しても直らないかどうか』の2種類の観点で線を引いていることです。音の名前で自己診断しようとすると迷いますが、この2つなら自分で判断できます。こすれるような音が続く場合はエアコンのキュルキュル音、モーターまわりの音はエアコンのモーター音、ポコポコという音はエアコンのポコポコ音で個別に扱っています。
エアコンの運転音を静かにする方法に関するよくある質問(FAQ)
Q1. フィルターを掃除すると、運転音はどれくらい静かになりますか?
A. 「何dB下がる」という数値を公表しているメーカーは見つかりませんでした。各社が書いているのは、目詰まりで「風の通りが悪くなると吹出口から出る風の音が大きくなることがある」(ダイキン)という因果と、対処としてのフィルター掃除までです。効果を数値で保証している情報源があれば、その出どころを確認したほうがよいと思います。
Q2. フィルター掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?
A. 日立は、自動フィルター掃除を搭載しておらずフィルターサインもない機種について「2週間に1回程度」を目安としています。フィルターサインがある機種はサインが表示されたときが目安、自動フィルター掃除つきの機種は数シーズンごとに汚れ具合を確認する、という案内です。まずはご自分の機種がどのタイプかを確認してみてください。
Q3. 掃除したら、今度は「カタカタ」と鳴り出しました。壊れたのでしょうか?
A. 運転中にカタカタと鳴る場合、日立は「フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があります」として、内部部品を取り付け直すよう案内しています。掃除のあとに出た音であれば、まず戻し方を確認してみてください。前面用のフィルターロックは3箇所あり、すべてスライドさせる必要があります。大きな音がする場合や、確認しても改善しない場合は販売店や修理相談窓口へ相談を、とも書かれています。
Q4. 風量を下げると部屋が冷えにくくなりませんか?
A. 日立は「風速よりも設定温度が優先される」と説明しており、室温と設定温度の差が大きいうちは風速を強めた運転になり、設定温度に近づくと弱まるとしています。シャープも「自動」について同様の説明をしています。まず自動で室温を整え、落ち着いてから風速を下げるという順番であれば、効きと音のバランスを取りやすくなります。
Q5. 防振ゴムや遮音シートを後付けすれば静かになりますか?
A. 今回確認した各社の資料に、後付けの防振・遮音グッズを勧める記述はありませんでした。室外機まわりについてダイキンが案内しているのは「周りの物を取り除いてください」だけです。メーカーが案内していない方法は、効果も安全性も確かめられていないため、この記事では扱っていません。
まとめ:静かにする方法は、フィルターと風量に絞ってよい
エアコンの運転音を静かにする方法として、ダイキン・日立・三菱電機が実際に案内しているのは、エアフィルターのお手入れと、風速・設定温度の見直しの2種類でした。ダイキンが風の音を「<お手入れや使い方で改善できる音>」に分類しているのは、まさにこの2つで手が打てるという意味です。
順番としては、まずフィルターの汚れを確認して目安どおりにお手入れをすること。フィルターサインのない機種なら2週間に1回程度が日立の示す目安です。そのうえで、風速を「自動」やひとつ下の段階に変え、設定温度を室温から離しすぎないようにする。ここまでが、メーカーの資料に裏づけのある範囲です。
そして掃除のあとは、フロントパネルとフィルターがきちんと収まっているかを必ず確かめてください。取り付けが甘いと、今度は「カタカタ」という別の音が出ます。それでも音が変わらない、あるいは以前より明らかに大きくなった・突然しなかった音がするようになったという場合は、各社が線引きしているとおり、点検を相談する段階です。無理に内部を洗ったりルーバーを手で動かしたりせず、そこで止めるのが結局いちばん近道だと思います。
音の種類ごとの扱いを社をまたいで見比べたいときは、メーカー5社の音の一覧を並べて正常か確認した記事にまとめています。あわせてどうぞ。

