エアコンの音「ジジジ」「ジー」はメーカーで正反対|各社の一覧を原典で確認

リビングの壁に設置された家庭用エアコンの室内機 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

「エアコンからジジジ……」「ジーッという音がずっと続く」。虫の鳴き声のようにも聞こえるこの音、正体が分からないままだと落ち着かないですよね。

この記事を書くにあたって、ダイキン・日立・シャープ・パナソニック・三菱電機が公開しているFAQと取扱説明書を、合計9本読み直しました。そこで分かったのは、少し困った事実です。

「ジー」というまったく同じ表記が、メーカーによって「故障ではない音」の側と「問題が発生している可能性がある音」の側の、正反対に置かれていました。

つまり、音の表記だけで原因を言い当てようとすると、たまたま読んだ資料がどこのメーカーのものかで結論が逆になります。だからこの記事では、私が原因を推測することはしません。各社の一覧に「ジー」がどう載っているかをそのまま並べて、そのうえで各社が実際に案内している行動だけをお伝えします。

  • 各社の音の一覧で「ジー」がどちら側に置かれているか
  • 空気清浄機能の音と、それを「切」にできるメーカー
  • 室外機の「ジー」について書いているメーカー
  • 「鈴虫のような音」を挙げているメーカーはあるのか
  • 各社が公表している、点検を依頼する線引き

リビングの壁に設置された家庭用エアコンの室内機

「ジー」は各社の一覧で正反対の場所に置かれている

まず、いちばん大事なところからいきます。各社が公開している「室内機から変わった音がする」系のページを突き合わせた結果です。

ダイキンは「故障ではない音」、日立は「問題が発生している可能性がある音」

ダイキンの室内機から変わった音がする(ルームエアコン)は、室内機の音を12種類挙げて、それを3種類のグループに分けています。内訳は「エアコンの動作上する音(故障ではない音)」が6種類、「お手入れや使い方で改善できる音」が4種類、「故障の可能性のある音」が2種類です。

この中で「ジー」は、「カチッ」「ジー」「ウィーン」という組み合わせで登場します。置かれているのは「エアコンの動作上する音(故障ではない音)」のグループで、説明は「フラップやルーバーなどエアコンの部品が動作する音です」となっています。

一方、日立の室内機の音の原因を知りたいです。は、音を「エアコンが正常に運転しているときに発生する音」13種類と「エアコンに問題が発生している可能性がある音」2種類に分けています。

「ジー」が出てくるのは、後者です。「(何かに引っかかっている音)カタカタ・ガガガ・ガタン・ジー」というまとめ方で、説明は「フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があります」。日立の一覧では、「ジー」は正常音の13種類の中には入っていません。

各社の一覧を並べるとこうなる

読んだ資料を、そのまま表にしました。これは私が作った原因の判定表ではなく、各社が自分の資料で「ジ」系の音をどう書いているかの対応表です。ご自宅のエアコンのメーカーの行だけを見てください。

メーカー 「ジ」系の表記 置かれているグループ 書かれている説明
ダイキン 「カチッ」「ジー」「ウィーン」 動作上する音(故障ではない音) フラップやルーバーなどエアコンの部品が動作する音
日立(室内機) カタカタ・ガガガ・ガタン・ジー 問題が発生している可能性がある音 フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性
日立(室外機) 「ジー、カンカンカン」 運転中に発生する音 電源投入時にファンが回転する音
シャープ 「ジージージー」「チッチッチッ」 故障かな?(よくあるご質問) プラズマクラスターイオン発生時に出る音
三菱電機 “シュー”“ジリジリ” 故障かな?診断:音関連の9種類のひとつ 項目名だけ確認できた(回答本文は取得できず)
パナソニック 該当なし 取扱説明書の音の項目に「ジ」系の表記は無い

同じ「ジー」でも、ダイキンでは風向板を動かすモーターの音、日立ではパネルやフィルターがきちんとはまっていないときの音として書かれています。音を出している部品そのものが違うわけです。表記が一致しても中身が一致するとは限らない、という当たり前のことが、そのまま起きています。

日立の中でも、室内機と室外機で扱いが分かれている

おもしろいのは、日立の中でも「ジー」の扱いが分かれている点です。室内機の一覧では要点検側に置かれている「ジー」が、室外機の音が気になります。のページでは「ジー、カンカンカン」として、「電源投入時にファンが回転する音です」と説明されています。こちらは、運転中に発生する音を6種類挙げた表の中の1つです。

ですので、日立製をお使いなら「その音は室内機から聞こえるのか、室外機から聞こえるのか」で参照するページが変わります。音の表記より先に確認すべきは、どちらから聞こえているか、ということになりますね。室外機側の音全般についてはベランダの室外機がうるさいときの記事でも扱っています。

空気清浄機能の音は、社ごとに擬音語がバラバラ

「ジー」を追いかけていて、もう一つはっきりしたことがあります。各社が搭載している空気清浄まわりの機能は、動作中に音が出ることがメーカー自身の資料に書かれていて、しかもその擬音語が社ごとにまったく違います

3社が、それぞれ別の表記で書いている

メーカー 機能 書かれている音 音を止める案内
シャープ プラズマクラスター 「ジージージー」「チッチッチッ」 あり(プラズマクラスター「切」に設定)
ダイキン ストリーマ放電 「シュー」「パチッ」 記載なし(故障ではない音に分類)
パナソニック nanoe(ナノイー) “シャー” あり(「nanoe」を取り消す)

ここでの主役はシャープのルームエアコン取扱説明書です。「ジージージー」という、まさに今回のテーマそのものの表記が載っていて、「プラズマクラスターイオン発生時に出る音です」と説明されています。

さらにシャープは、音の大きさが一定でない理由まで書いています。「音は使用環境や運転内容により、大きくなったり聞こえにくくなったりします」。同じ機種でも、日によって聞こえたり聞こえなかったりするのは想定内、ということですね。

「切」にできるのは、はっきり書いているシャープとパナソニック

「この音は消せるのか」は気になるところだと思います。今回読んだ範囲で、メーカー自身が止め方を書いていたのは2社でした。

  • シャープ…「気になる場合は、プラズマクラスター『切』に設定してください」。設定変更はメニューボタンから行うと案内されています
  • パナソニック…“シャー”という音について「就寝時など音が気になるときは、『nanoe(ナノイー)』を取り消してください」と取扱説明書に明記
  • ダイキン…「シュー」「パチッ」を故障ではない音として説明していますが、切る操作の案内は見当たりませんでした
  • 三菱電機故障かな?診断:音関連に“シュー”“ジリジリ”という選択肢があることは確認できましたが、選んだ先の回答本文はページのHTMLに含まれておらず、内容を確認できませんでした。この記事では項目名があるという事実だけを書いています

なお、シャープのプラズマクラスター送風運転については、電気代の目安として「風量『自動』時:約0.5円/時間」(電気代単価27円/kWhで算出)という数字も同じ取扱説明書に載っています。「切」にするかどうかを迷ったときの材料になると思います。

パナソニックは、nanoeの発生条件として室内温度 約5℃〜約35℃(露点温度 約2℃以上)、相対湿度 約30%〜約85%という範囲を示しています。ただし、この条件と音の聞こえ方の関係までは書かれていないので、ここから先は推測になります。私からは条件の記載があった、という事実だけをお伝えしておきますね。

注意:ダイキンは「ジー」をフラップやルーバーの動作音として説明していますが、だからといって風向板を手で直すのはやめてください。シャープの取扱説明書には「上下風向を調節するときは必ずリモコンで操作してください。手で調節すると、誤動作や異音・故障の原因になります」と明記されています。音を止めようとして、別の異音を作ってしまうのがいちばんもったいないです。

「鈴虫のような音」を挙げているメーカーは無かった

ベランダに設置されたエアコンの室外機

「ジジジ」で検索される方の中には、「鈴虫が鳴いているように聞こえる」「リーンリーンと聞こえる」という表現でたどり着く方もいらっしゃいます。そこで、各社の音の一覧に虫の名前や虫の声が出てくるかも調べました。

虫の名前を出しているメーカーはゼロ。ただしシャープには関連する注意書きがある

結論から言うと、今回読んだ9本の資料の中に、「鈴虫」「虫の声」といった表現で音を説明しているメーカーは1社もありませんでした。虫の鳴き声に例えた分類は、メーカー側の用語ではないということです。

ただ、虫そのものについてはシャープが注意書きを載せています。安全上のご注意の中に「室外機の周辺に、物を置いたり、落ち葉がたまらないようにする」とあり、その理由として「虫などが侵入し、故障・発火・発煙の原因」と書かれています。

つまり、虫と室外機の関係についてメーカーが案内しているのは、音の聞き分け方ではなく、周辺環境の管理のほうです。室外機のまわりに物を置かない、落ち葉をためない。これはカバーを開けたりせずにできることなので、思い当たる方は先にここを片づけてしまうのが良さそうです。

虫の声に近い擬音語なら、日立に1つだけある

虫の名前は出てきませんが、虫の声に近い響きの擬音語なら日立の一覧に見つかりました。「シャー・キーン・ミーン」という表記で、説明は「室内機ファンを掃除している音です」。置かれているのは正常に運転しているときに発生する音の側で、13種類のうちの1つです。

「ミーン」と聞くと反射的に虫を思い浮かべますが、日立の資料上は内部のファンを掃除している最中の音として扱われています。虫の声に似ているかどうかは、原因の手がかりにはならないということですね。

点検を依頼する線引きは、どの社も「変化」で引いている

ホコリが詰まったエアコンのフィルター

では、いつ点検を頼めばいいのか。ここも各社の原文を読み比べました。

擬音語で線を引いているメーカーは無い

今回読んだ範囲では、「この音がしたら修理」という擬音語ベースの基準を出しているメーカーは1社もありませんでした。全社が、音の種類ではなく「以前と比べてどう変わったか」「対処しても直らないか」で線を引いています。

  • ダイキン…「以前よりも音が大きくなったり、以前しなかった音が突然するようになったりした場合など音が気になる場合は、お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」
  • ダイキン…「上記に当てはまらない場合や、対処をお試しいただいても改善しない場合は、不具合の可能性があります」
  • 日立(室内機)…「該当する音がない、音が大きくなって気になる、または生活に支障が出てお困りの場合は、お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検のご相談をしてください」
  • 日立(室外機)…「以下に該当しない異音や、運転音が急に大きくなり止まらなくなった場合は、室外機に何らかの問題が発生している可能性があります」

「運転中ずっと鳴っていたら異常」といった基準は、どの社の資料にもありませんでした。判断材料はあくまで、前と変わったかどうかです。

日立の「ジー」に対して案内されている操作

日立は「ジー」を含むグループについて、カタカタと音がしますという個別ページで具体的な操作を案内しています。運転中に音がする場合は「フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があります」として、フロントパネルを外し、エアフィルター、ホコリキャッチャー、ダストボックスなどの内部部品を取り付け直すよう書かれています。

ここで案内されているのは取り付け直しだけで、分解やファンの清掃は含まれていません。そして「大きな音がする場合や、以下すべてをご確認いただいても改善されない場合は、お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検をご相談ください」と続きます。フィルターの着脱そのものについてはフィルター掃除の効果を確かめた記事もあわせてどうぞ。

日立は擬音語別の修理料金を公表しているが、そこに「ジー」は無い

費用が気になる方も多いと思います。ここは相場を推測せず、公表されている数字だけをお伝えします。日立はルームエアコン 修理料金の目安一覧で、症状別・交換部品別の目安を出しています。技術料・部品代・出張料の合計、税込の金額です。

症状・部品 室内機:通常設置/室外機:平地置き 室内機:高所設置/室外機:天吊り等
室内ファンモーター 41,000円~56,000円前後 59,000円~74,000円前後
室外ファンモーター 39,000円~54,000円前後 56,000円~71,000円前後
室内メインキバン 40,000円~45,000円前後 47,000円~62,000円前後

あわせて、出張料は3,850円(税込)、訪問して見積もりした結果キャンセルになった場合は診断料と出張料の合計5,830円(税込)と案内されています。コンプレッサーには5年保証が付く旨も同じ表に書かれています。

注目してほしいのは中身よりも、この一覧に載っている音の表記です。「室内機から異常音がする」の欄に並ぶのは電子音・ポコポコ・ブーン・カラカラ/ガラガラ、「室外機から異常音がする」の欄はカタカタ・ブーン・カラカラ/ガラガラ。「ジー」も「ジジジ」も、この一覧には入っていません。擬音語別の料金表を出している日立ですら、「ジー」を特定の交換部品に結びつけてはいない、ということです。

なお、これは日立に直接修理を依頼した場合の目安であり、他メーカーや修理業者の相場ではありません。ご自宅のメーカーの窓口で確認してくださいね。

◆アキのワンポイントアドバイス

今回いちばん腑に落ちたのは、日立が音を「発生している場所」でページごと分けていたことです。同じ「ジー」でも、室内機のページと室外機のページで説明が違う。だから窓口に電話するときも、「ジーという音がします」だけでなく「室内機/室外機のどちらから」「いつから」「以前と比べてどう変わったか」をセットで伝えると話が早いです。各社が線引きに使っているのは、まさにその「変化」の情報ですから。

エアコンの「ジジジ」「ジー」音に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 結局「ジー」は正常なんですか、異常なんですか?

A. メーカーによって置かれている側が違うため、表記だけでは決まりません。ダイキンは「故障ではない音」、日立の室内機のページは「問題が発生している可能性がある音」として載せています。まずご自宅のエアコンのメーカーの資料を確認するのが確実です。そのうえで各社共通の線引きは「以前と比べて音が大きくなったか」「以前しなかった音が突然するようになったか」です。

Q2. 空気清浄の機能を「切」にすれば音は止まりますか?

A. シャープは「ジージージー」「チッチッチッ」について、気になる場合はプラズマクラスターを「切」に設定するよう案内しています。パナソニックも“シャー”という音について「nanoe(ナノイー)」を取り消すよう書いています。一方、ダイキンのストリーマ放電の「シュー」「パチッ」には切る案内が見当たりませんでした。メーカーごとに扱いが違うので、お使いの機種の取扱説明書を確認してください。

Q3. 本当に鈴虫が室外機に入っているということはありますか?

A. 「虫が入ると鈴虫のような音がする」と書いているメーカーは、今回の調査では見つかりませんでした。ただしシャープは安全上のご注意で、室外機の周辺に物を置いたり落ち葉がたまったりすると「虫などが侵入し、故障・発火・発煙の原因」になるとしています。音の判断材料にはできませんが、室外機まわりを片づけること自体はメーカーが案内している行動です。カバーを開けての確認は行わないでください。

Q4. 室外機から「ジー」と聞こえます。室内機と同じに考えていいですか?

A. 少なくとも日立は、室内機と室外機で別のページを用意していて、説明も違います。室外機側では「ジー、カンカンカン」を「電源投入時にファンが回転する音」として、運転中に発生する音6種類の1つに挙げています。ちなみにダイキンの室外機のページに載っている音は「ブシュー」「ブーン」の2種類だけで、「ジー」はありません。まずはどちらから聞こえているかを確かめてください。

Q5. 冷媒が流れる音やモーターの音と、どう区別すればいいですか?

A. 冷媒の流れる音は、各社そろって別の表記を使っています。ダイキンは「シャー」「シュルシュル」、シャープは「ジュルジュル」「シャー」、パナソニックは水の流れるような“シャー”“ボコボコ”。冷媒の切り替わる音はプシュー音の記事、モーター系の音はモーター音の記事、こすれるような音はキュルキュル音の記事で扱っています。「ポコポコ」についてはこちらの記事をどうぞ。

まとめ:「ジー」は表記より、メーカーと発生場所と変化で見る

エアコンの「ジジジ」「ジー」について、各社の資料を突き合わせて分かったことを整理します。

まず、同じ「ジー」がダイキンでは故障ではない音、日立の室内機のページでは問題が発生している可能性がある音として載っています。表記が一致しても、指している部品はフラップ・ルーバーの動作音と、パネルやフィルターの取り付け不良でまったく違いました。ネット上の「ジー音の原因はこれ」という説明が食い違うのは、そもそも原典が食い違っているからです。

次に、シャープの「ジージージー」はプラズマクラスターイオン発生時の音として説明されていて、「切」に設定できます。三菱電機の“ジリジリ”、ダイキンの「シュー」「パチッ」、パナソニックの“シャー”も、それぞれの機能の音として各社が書いています。空気清浄まわりの機能を使っているなら、ここを疑う価値はあります。

そして、今回読んだ9本の資料の中に「鈴虫のような音」を挙げているメーカーは1社もありませんでした。虫の声に似ているかどうかは、残念ながら原因の手がかりにはなりません。

頼れる基準は、結局のところ各社が共通して書いている一点です。以前より音が大きくなったか、以前しなかった音が突然するようになったか。ここに当てはまるなら、表記で悩まずお買い上げの販売店やメーカーの窓口へ相談してくださいね。

その音がメーカーの一覧でどう扱われているかは、メーカー5社の音の一覧を並べて正常か確認した記事にまとめています。あわせてどうぞ。

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