エアコンのキュルキュル音がたまに鳴る理由とメーカー公式が示す点検の目安

キュルキュルエアコン 掃除・お手入れ・メンテナンス

こんにちは、エアコンラボのアキです。

エアコンから「キュルキュル」という音が聞こえてくると、それだけでも気になりますよね。しかも厄介なのは、ずっと鳴っているわけではなく、たまに鳴るという点だと思います。修理の人を呼ぼうかと思った頃には止まっていて、音を再現できないまま日が過ぎていく。そんな状態の方が多いのではないでしょうか。

この記事では、国内メーカーが自社のサポートページに実際に書いている内容だけを使って、この音を整理します。私が大事だと考えているのは、利用者が自分で確認できることと、販売店やメーカーに相談すべきことの境目です。キュルキュル音は原因によって扱いがはっきり分かれる音で、その線引きはメーカー自身が文章で公開しています。

  • メーカーが「キュルキュル」をどう説明しているか
  • なぜ常時ではなく「たまに」鳴るのか(公表されている動作周期)
  • 鳴ったときに記録しておくべきこと
  • 自分で確認できる範囲と、その順番
  • 各社が示している「点検を相談する目安」

キュルキュルエアコン

  1. エアコンの「キュルキュル」はメーカーが名前を挙げて説明している音
    1. ダイキンは「こすれるような音」として分類している
    2. 日立は「部品同士がこすれ合う音」を別枠で説明している
    3. 同じこすれ音でも、扱いが分かれる
    4. 室内機か室外機かを最初に分ける
  2. エアコンのキュルキュル音が「たまに」しか鳴らない理由
    1. 停止したあと、自動で動く掃除機能がある
    2. ファンのお掃除は、実際にブラシでこすっている
    3. 運転を始めた直後・止めた直後は部品の温度が動いている
    4. 暖房シーズンなら霜取り運転も候補になる
    5. 「たまに」を切り分けるためのメモの取り方
  3. エアコンのキュルキュル音で利用者が自分で確認できること
    1. フィルターの目詰まりと風速の設定
    2. 前面パネル・フィルター・ダストボックスの取り付けを確認する
    3. 室外機の周りを空ける
    4. 確認する順番をまとめると
  4. エアコンのキュルキュル音で販売店・メーカーに相談する目安
    1. 各社が示している判断基準
    2. 「たまに」から「常時」に変わったら、それが分かれ目
    3. 相談する前にそろえておく情報
    4. 費用の目安と、年数の考え方
  5. エアコンのキュルキュル音でやってはいけないこと
    1. ファンを自分で掃除することはできない
    2. 市販の洗浄スプレーで内部を洗わない
    3. もし自分で洗ってしまったあとに音が出たら
    4. まとめ:キュルキュル音は「鳴り方」で判断する

エアコンの「キュルキュル」はメーカーが名前を挙げて説明している音

まず押さえておきたいのは、「キュルキュル」が擬音として珍しいものではなく、メーカーのFAQにその音名のまま載っているということです。ここが出発点になります。

ダイキンは「こすれるような音」として分類している

ダイキンは室内機の音を音の種類ごとに並べ、それぞれに3つのラベルを付けて公開しています。「エアコンの動作上する音(故障ではない音)」「お手入れや使い方で改善できる音」「故障の可能性のある音」の3つです。

このうち「キュルキュル」「キーキー」は、故障の可能性のある音のグループに入っています。説明はこうです。ファンなどの動作部品がハウジングにあたるなど、こすれて音が出ている可能性があります。そして、以前よりも音が大きくなったり、ガリガリと削りあうような音が出た場合は、販売店または同社に点検を依頼するように案内されています(ダイキン「室内機から変わった音がする(ルームエアコン)」)。

ポイントは、ダイキンが断定していないところです。「こすれて音が出ている可能性」という書き方で、そのうえで音の変化を点検依頼の条件にしています。つまり、音が鳴ったこと自体より、以前と比べてどうかが判断材料だということです。

日立は「部品同士がこすれ合う音」を別枠で説明している

日立には、きしみ音だけを扱ったページがあります。エアコンは多くの部品を組み合わせて作られていて、それぞれの部品は温度変化による伸び縮みの割合が違う。だから運転開始時や停止後、部品の温度変化が大きい場合に、部品同士がこすれ合ってきしみ音として発生する場合があるという説明です。

そのうえで、日立は点検を相談する条件を3つ挙げています(日立「エアコン(室内機)から『キシキシ』というきしみ音がします。」)。

  • 音が大きくて気になる場合
  • 運転中、絶えず音がする場合
  • 公開されている動画で確認できないような音の場合

2つ目に注目してください。「絶えず音がする場合」という条件が明記されています。裏を返すと、運転開始時や停止後にだけ短く鳴るこすれ音は、日立自身が「そういうものです」と説明している範囲だということになります。この記事の主題である「たまに鳴る」に、メーカーが直接答えている数少ない記述です。

同じこすれ音でも、扱いが分かれる

ここまでで、こすれ音には2つの顔があることが分かります。整理するとこうなります。

どんな鳴り方か メーカーの説明 案内されている対応
運転開始時や停止後に短く鳴る 温度変化で部品同士がこすれ合う音(日立) そのまま使用してよい
運転中に絶えず鳴る 日立の点検相談条件に該当 販売店・修理相談窓口へ
以前より大きくなった ダイキンの点検依頼条件に該当 販売店・メーカーへ点検依頼
ガリガリと削りあう音になった ダイキンの点検依頼条件に該当 販売店・メーカーへ点検依頼

ですから「キュルキュルが鳴った=故障」でも「たまにだから大丈夫」でもありません。判断の軸は鳴り方と、以前との比較です。

室内機か室外機かを最初に分ける

もうひとつ最初にやっておきたいのが、音源が室内機側か室外機側かの切り分けです。ダイキンは室外機の音について、「ブシュー」は冷媒の流れが切り替わるとき、「ブーン」はファンが回転している音と説明しています。あわせて、室外機の周りに物が置かれているとガタガタという振動音やファンの音が反響して大きくなる原因になるとしています(ダイキン「室外機から変わった音がする(ルームエアコン)」)。

三菱電機も、気温が低い日は室温と設定温度の差が大きくなりやすく、運転にパワーが必要になって圧縮機の回転数が上昇することで動作音が大きくなることがあるが故障ではないとしています(三菱電機「室外機の音が気になる」)。室外機側の音が気になる場合は、ベランダの室外機がうるさいときの対処で設置環境の話を詳しくまとめています。

エアコンのキュルキュル音が「たまに」しか鳴らない理由

ここからが本題です。ずっと鳴るのではなく、たまに鳴る。この間欠性には、メーカーが公表している具体的な理由がいくつもあります。

停止したあと、自動で動く掃除機能がある

最近のエアコンは、運転を止めたあとに勝手に動き出します。これは故障ではなく、あらかじめそう設定されている機能です。日立は「運転停止直後や停止中にもエアコンが動作する場合があります」として、みはり機能、フィルター掃除や凍結洗浄などの清潔機能、スマホアプリの遠隔操作の3つを挙げています(日立「運転を止めているのに、勝手に運転してしまいます。」)。

問題は、これらが動く周期がバラバラだということです。日立が公表している条件を並べると、「たまに」に感じる理由がはっきりします。

自動で動く機能 動き出す条件 動作している時間
フィルター自動お掃除 約15分以上運転して停止し、前回から運転時間の合計が既定時間を超えたとき(RAS-X22Rの例で約42時間) 約8分〜16分
フィルター自動お掃除 運転していない期間が1週間以上続いたあと、15分以上運転して停止したとき 約8分〜16分
フィルター自動お掃除 冷房・暖房・除湿の連続運転中、約24時間経過するごと 約8分〜16分
室内機凍結洗浄 約10分または約30分以上運転して停止し、運転時間の合計が約42時間または84時間経過したとき 約20分〜240分
室外機凍結洗浄 設定してから約2か月経過するごと(室温・外気温が約5〜25℃のとき) 約60分
霜取り運転 暖房運転の停止後など 2分〜22分
室温ウォッチ・運転おすすめ 停止中に部屋が高温・高湿になったとき 冷房運転を約3分間
プレシーズン自動お手入れ 年に1回。途中で止めると次は約1年後

42時間ごと、24時間ごと、2か月ごと、1年に1回。周期がこれだけ違えば、使う側からは「たまに鳴る」としか感じられません(日立「『自動クリーン運転』のフィルター自動お掃除について知りたいです。」日立「『凍結洗浄』の動作条件や機能を知りたいです。」)。

ファンのお掃除は、実際にブラシでこすっている

キュルキュルという音を考えるうえで見逃せないのが、この自動掃除の中身です。日立の凍結洗浄には、その前段としてファン掃除の工程があります。説明はこうです。室内機ファンを逆回転して、ファンに付着したほこりを可動ブラシで掃除します。落としたほこりは熱交換器に付着させ、凍結洗浄で洗い流す、という流れです(日立「『自動クリーン運転』について知りたいです。」)。

ファンを逆に回して、ブラシを当てて、こする。ここで音が出るのは構造上むしろ自然です。日立は室内機の音の一覧でも、「シャー」「キーン」「ミーン」という音について室内機ファンを掃除している音だと明記しています(日立「室内機の音の原因を知りたいです。」)。

凍結洗浄そのものの動作条件も細かく決まっています。室温・室内の湿度が約10〜32℃・約30〜70%、外気温が約1〜43℃という範囲で、梅雨どきのように湿度が高い時期や、冬に外気温が氷点下を下回る場合は動作しません。だから「去年は鳴らなかったのに今年は鳴る」ということも普通に起こります。

お使いの機種にファンお掃除機能が付いているかどうかは、取扱説明書で確認できます。日立の場合、凍結洗浄はお買い上げ時に自動でおこなう設定になっていて、リモコン操作で解除もできます。

運転を始めた直後・止めた直後は部品の温度が動いている

自動掃除とは別に、もうひとつの間欠パターンがあります。前の章で触れた日立の説明、運転開始時や停止後、部品の温度変化が大きい場合に部品同士がこすれ合うというものです。

これは冷房を入れた直後や、切った直後の数十秒に限られます。ずっと鳴り続けるものではありません。ダイキンも「ピシッ」「パキ」というきしむような音について、運転開始や停止時などの温度変化で樹脂部品がわずかに伸び縮みしたときの音だと説明し、こちらは故障ではない音に分類しています。

暖房シーズンなら霜取り運転も候補になる

冬に「たまに」鳴るなら、霜取り運転のタイミングと重なっていないか見てください。日立は、暖房運転停止後に運転ランプが点滅している場合は室外機の霜とり運転をしているとし、霜の付き具合によるが2〜22分間で運転が完了すると公表しています。故障ではありません。

霜取り運転そのものの音については、エアコンのプシュー音は何の音かで詳しく扱っています。「キュルキュル」ではなく「プシュー」「シュルシュル」に近いと感じたら、そちらのほうが近道です。

「たまに」を切り分けるためのメモの取り方

間欠的な音は、鳴ったその場で調べようとすると必ず取り逃します。次の項目だけ、鳴ったときにスマホのメモに残しておいてください。あとで販売店に伝える材料にもなります。

  1. 日時(何時何分か。周期を見るために必要です)
  2. 運転していたか、止めた直後か、止めて何分後か
  3. 運転モード(冷房・暖房・除湿・送風のどれか)
  4. 本体のランプ(クリーン・洗浄・定期クリーン・みはりなどが点いていないか)
  5. 音の長さ(数秒か、数分か、止まらないか)
  6. 可能なら30秒ほどの録音

4番目のランプは特に効きます。日立の場合、クリーンや洗浄のランプが点灯していれば自動クリーン運転中で、終了すると消灯します。ランプが点いている間だけ鳴っているなら、それは自動掃除の音だと切り分けられます。逆に、ランプがどれも点いていない状態で運転中に鳴り続けるなら、点検を相談する側の話になります。

エアコンのキュルキュル音で利用者が自分で確認できること

ここからは、点検を頼む前に自分でできる範囲です。メーカーが利用者向けに案内している内容に限定します。

フィルターの目詰まりと風速の設定

三菱電機は「以前より、室内機の音が大きくなった(うるさくなった)気がします」という質問に対して、確認事項を2つだけ挙げています。フィルターがほこりで目詰まりしていないか。そして風の強さ・風速が「強」や「ロング」になっていないか、です。「ロング」に設定すると最大風量になり送風音が大きくなるため、風の強さを調節するように案内しています(三菱電機「以前より、室内機の音が大きくなった(うるさくなった)気がします」)。

フィルター掃除は音そのものより、ファンにかかる負荷を減らすという意味があります。まずここからです。

前面パネル・フィルター・ダストボックスの取り付けを確認する

こすれ音や当たる音で最も多く案内されているのが、部品の取り付け直しです。日立は、運転中に音がする場合はフロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があるとして、フロントパネルを外し、エアフィルター、ホコリキャッチャー、ダストボックスなどの内部部品を取り付け直すよう案内しています(日立「エアコン(室内機)からカタカタと音がします。」)。

三菱電機も同様に、フィルター、ダストボックス、前面パネルが正しくセットされていないと音がすることがあるとし、運転を停止して一度取り外し、正しく取り付け直すよう説明しています。あわせて、フィルター自動おそうじメカ搭載機でも、ほこりに油分や水分、タバコのヤニが含まれていると駆動部にほこりが残っていることがあるとしています。

取り外し・取り付けの手順は機種によって違います。必ずお使いの機種の取扱説明書に沿って行ってください。手順が分からないまま無理に外すと、部品を割ってしまうことがあります。

室外機の周りを空ける

室外機側の音が気になる場合は、周りに物を置いていないかを見てください。ダイキンは、室外機の周りに物が置かれていると振動音やファンの音が反響して音が大きくなる原因になるとして、周りの物を取り除くよう案内しています。

確認する順番をまとめると

ここまでを、実際に手を動かす順番に並べ替えます。

  1. 音が室内機側か室外機側かを聞き分ける
  2. 鳴ったときのランプ表示を確認する(自動掃除かどうかの判定)
  3. 鳴った日時・モード・長さをメモに残す
  4. フィルターを外して掃除する
  5. 風速設定が「強」「ロング」になっていないか見直す
  6. 前面パネル・フィルター・ダストボックスを取り付け直す
  7. 室外機の周りの物を片付ける
  8. ここまでで変わらなければ、販売店またはメーカーに相談する

8番から先は利用者の作業ではありません。その理由は次の章で説明します。

エアコンのキュルキュル音で販売店・メーカーに相談する目安

どこからが相談すべき音なのか。ここは感覚で決めなくて構いません。各社が文章で線を引いてくれています。

各社が示している判断基準

メーカー 相談する目安として書かれていること
ダイキン 以前よりも音が大きくなった/ガリガリと削りあうような音が出た/以前しなかった音が突然するようになった
日立(きしみ音) 音が大きくて気になる/運転中、絶えず音がする
日立(室内機の音一覧) 該当する音がない/音が大きくなって気になる/生活に支障が出て困っている
三菱電機 フィルターと風速を確認しても解決しない場合

共通しているのは、絶対値ではなく変化で見ていることです。何デシベルを超えたら異常、という基準はどのメーカーも出していません。市販の騒音計アプリの数値で判断しようとする解説を見かけますが、メーカーが採用していない物差しです。

「たまに」から「常時」に変わったら、それが分かれ目

この記事を読んでいる方に一番お伝えしたいのがここです。間欠だった音が、運転中ずっと鳴るようになったときが相談のタイミングです。日立が「運転中、絶えず音がする場合」を点検相談の条件として挙げているとおりです。

常時鳴っている機械音、たとえば「ブーン」「ウィーン」のような音が止まらない場合は、原因の候補も対応も変わります。そちらはエアコンのモーター音がうるさい原因と相談の目安にまとめてあるので、そちらを参照してください。

また、日立は室内機の音の一覧で「コトコト」「カサカサ」「カッカッ」「チッチッチッ」という物が当たるような音について、ファンが周辺の部品に接触していたり、内部に異物が入っていたりする可能性があるとし、販売店または修理相談窓口へ点検を相談するよう案内しています。虫や小さなごみの混入が心配なときも、内部を開けて確かめるのではなく、この案内に従ってください。

相談する前にそろえておく情報

電話やWebフォームで相談するとき、次の情報があると話が早く進みます。

  • 室内機の銘板に書かれた型番製造年(ダイキンは室内ユニットに西暦4桁で表示していると案内しています)
  • いつから鳴り始めたか
  • 鳴るタイミング(運転中/停止直後/停止して何分後か)
  • そのときのランプ表示
  • 録音した音
  • フィルター掃除やパネルの付け直しを試した結果

費用の目安と、年数の考え方

日立グローバルライフソリューションズは、室内機から異常音がする場合の修理料金の目安を公開しています。技術料・部品代・出張料の合計で、いずれも税込です。

症状 交換部品 室内機:通常設置 室内機:高所設置
室内機から「ブーン」 室内ファンモーター 41,000円〜56,000円前後 59,000円〜74,000円前後
室内機から「ブーン」 お掃除ユニット 49,000円〜64,000円前後 66,000円〜81,000円前後
室内機から「カラカラ/ガラガラ」 室内ファンモーター 41,000円〜56,000円前後 59,000円〜74,000円前後

同じページに、出張料は3,850円(税込)、修理担当者が訪問して見積りをした結果キャンセルした場合は診断料と出張料の合計5,830円(税込)を負担する、と書かれています(日立「ルームエアコン 修理料金の目安一覧」)。「とりあえず見てもらう」にも数千円はかかると考えておくと、判断がぶれません。

年数も材料になります。ダイキンはルームエアコンの設計上の標準使用期間は10年、補修用性能部品の保有期限は製造打切り後10年と公表しています。ただしこれは無償保証期間とは別で、一般的な故障を保証するものでもないと明記されています(ダイキン「製品寿命(ルームエアコン)」)。ファンまわりの交換で4万円台からという水準を踏まえると、製造から10年前後の機体では買い替えとの比較を始める段階です。

エアコンのキュルキュル音でやってはいけないこと

キュルキュル音は「こすれる音」なので、ネット上には注油や分解を勧める情報が出回りがちです。ここははっきりさせておきます。

ファンを自分で掃除することはできない

日立は、室内機のファンの汚れを取りたいという質問に対して、ファンのお手入れは分解を伴うため、お客様ご自身で掃除ができませんと回答しています。凍結洗浄を使うか、エアコンクリーニングを依頼してほしいという案内です(日立「室内機のファンの汚れを取りたいです。」)。ファンを外して洗う、軸に油を差す、といった作業はメーカーが利用者の範囲から外しています。

送風ファンの汚れが気になる場合の考え方は、エアコンの送風ファン(ローラー)掃除をどこまで自分でやるかで別途整理しています。

市販の洗浄スプレーで内部を洗わない

日本冷凍空調工業会は、エアコン内部の洗浄について「高い専門知識が必要」とし、お客様自身で実施したり、正しい洗浄剤の選定と洗浄方法で行わないと、内部部品の破損による水漏れや電気部品の故障などを引き起こすことがあると注意喚起しています。さらに、誤った洗浄剤の選定・使用方法で内部洗浄を行うと、内部に残った洗浄剤で樹脂部品の破損や電気部品の絶縁不良が発生し、最悪の場合は発煙・発火につながるおそれがあると明記しています(日本冷凍空調工業会「エアコンクリーニングのご注意」)。

この「最悪の場合」は抽象論ではありません。製品評価技術基盤機構(NITE)が、内部洗浄したエアコンから発火して火災に至った事故の再現映像を公開しています。洗浄液が内部の電気部品に付着して発火した事故で、開始34秒で電気部品からスパークし、1分18秒で出火する様子が記録されています(NITE「エアコン『4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火』」)。

もし自分で洗ってしまったあとに音が出たら

すでに市販スプレーを使ってしまい、そのあとから音が出ている場合は、対応が変わります。日立は、自分で洗浄を実施したあとに次の症状が見られる場合は直ちに使用を中止し、電源プラグを抜いた後、修理相談窓口に点検(有料)を相談するよう求めています(日立「エアコンクリーニング(内部洗浄)をしたいです。」)。

  • 焦げ臭いにおいがする
  • 設定や操作ができない
  • 異常な振動や音がする
  • 水漏れや水飛びする

「異常な振動や音がする」が入っている点に注意してください。洗浄後のキュルキュル音は、様子を見る対象ではありません。

まとめ:キュルキュル音は「鳴り方」で判断する

最後に、この記事で確認できたことを整理します。

  • ダイキンは「キュルキュル」「キーキー」を故障の可能性のある音に分類し、ファンなどの動作部品がハウジングにあたるなど、こすれて音が出ている可能性があるとしている
  • 日立は運転開始時や停止後の温度変化で部品同士がこすれ合う音があると説明しており、短く鳴るこすれ音はこの範囲に入る
  • 日立は点検を相談する条件として「運転中、絶えず音がする場合」を挙げている
  • 「たまに」の正体は、周期の違う自動機能である場合が多い(フィルター掃除は約8分〜16分、凍結洗浄は約20分〜240分、室外機凍結洗浄は約2か月ごと)
  • ファンお掃除はファンを逆回転させて可動ブラシで掃除する機能で、こすれる音が出る場面が実際にある
  • 鳴ったときは日時・モード・ランプ表示・長さを記録すると切り分けられる
  • 自分でできるのはフィルター掃除、風速設定の見直し、パネル類の取り付け直し、室外機周りの片付けまで
  • 各社の相談の目安は「以前と比べて変わったか」で共通しており、デシベルの基準は示されていない
  • 室内機ファンの掃除は分解を伴うため利用者にはできないとメーカーが明記している
  • 市販の洗浄スプレーによる内部洗浄は、発煙・発火につながるおそれがあると業界団体が注意喚起している
  • 異常音の修理は室内ファンモーター交換で41,000円〜56,000円前後、出張料は3,850円が目安
  • 設計上の標準使用期間は10年で、10年前後の機体は買い替えとの比較を始める段階

たまに鳴るキュルキュル音は、それ自体では故障とも正常とも決まりません。決め手になるのは「いつ鳴るか」と「以前と比べてどうか」です。記録を1週間分だけ取ってみてください。それが、自分で判断するための一番確かな材料になります。

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