こんにちは、エアコンラボのアキです。
窓用エアコン(ウインドエアコン)を調べていると、「音がうるさいらしい」という話が必ず出てきます。ただ、その根拠になる数字がどこにあるのかは、あまり示されていません。
実際にメーカーの資料を当たってみると、窓用エアコンの運転音はきちんと公表されていました。しかも壁掛けエアコンの仕様と違って、室内側と室外側の値が並べて書かれているのが特徴です。この記事では、各社の製品ページ・据付説明書・取扱説明書に書かれている内容だけを根拠に、窓用エアコンの音を整理します。
- 各社が公表している窓用エアコンの運転音の数値と、その読み方
- 壁掛けエアコンの数値と直接は比べられない理由
- メーカーが「故障ではない」と説明している窓用特有の音
- 据え付けと音について、メーカーが指示していること
なお、記事中で型番を挙げているのは公表されている数値を示すためで、特定の機種をおすすめする意図はありません。

窓用エアコンの運転音は「室内側」と「室外側」が公表されている
まず数値です。トヨトミは窓用エアコンの製品ページの仕様欄に、運転音を音響パワーレベルと音圧レベルの両方で、さらに室内側・室外側に分けて掲載しています。
| 型式 | 音響パワーレベル 内 | 音響パワーレベル 外 | 音圧レベル 内 | 音圧レベル 外 |
|---|---|---|---|---|
| トヨトミ ACW-18R | 55/57dB | 59/62dB | 44/46dB | 48/51dB |
| トヨトミ ACW-16R | 50/52dB | 57/59dB | 39/41dB | 46/48dB |
数値はいずれも50Hz/60Hzの順で、出典はトヨトミの製品ページの製品仕様欄です。ACW-18Rの冷房能力は納入仕様書で1.6/1.8kW、質量は約23kgと公表されています。
ハイアールは窓用ルームエアコンJA-W16A(公式ページ上は生産終了品)の仕様に「運転音(dB) 内55/57・外64/64」と記載し、「運転音はJIS C 9612:2013に準拠して測定しています」と注記しています。音圧レベルなのか音響パワーレベルなのかまでは書かれていません。
コロナは冷房専用シリーズの製品ページに図を載せ、その注記として「図は音圧レベルでの比較です。1.6kWタイプ、室内側の値(50Hz時)。51dB:音響パワーレベル」と書いています。私が確認した範囲では、室外側の値は見当たりませんでした。
公表値では「大きいのは室外側」

表を見ると、どの機種も室外側のほうが大きい値です。音響パワーレベル(50Hz)で比べると、ACW-18Rは室内55dBに対し室外59dB、ACW-16Rは室内50dBに対し室外57dB。ハイアールのJA-W16Aも内55dBに対し外64dBです。
窓用エアコンは室内機と室外機が1つの筐体に収まっていますが、メーカーの公表値の上では、音の大きい側は今も室外を向いていると読めます。ただし壁掛けエアコンの室外機と違って置き場所を選べず、その音が出る先は自分の部屋の窓のすぐ外です。据付説明書で隣家への配慮が求められているのは、このためだと考えられます(後述します)。
同じ機械でも、表示のしかたで10dB以上変わる
もう1つ押さえておきたいのが、同じACW-18Rの50Hz・室内側でも、音圧レベルは44dB、音響パワーレベルは55dBと11dBの開きがあることです。カタログの運転音は2013年のJIS C 9612改正以降、音響パワーレベルでの表示に変わっています。
ややこしいのは宣伝表現のほうで、トヨトミは製品ページで「図書館のような静かさ」としたうえで「※音圧レベルでの数値です(50Hz)」と注記し、コロナの図も注記で音圧レベルでの比較だと断っています。イメージ図の数字と仕様欄の数字は別物です。この違いはエアコンの音を比較する方法、スペック表とグレードの読み方で詳しく整理しています。
壁掛けエアコンの数値と直接は比べられない
では窓用と壁掛けのdBを並べれば結論が出るかというと、そうはいきません。トヨトミは運転音の注記に「※試験室での測定値ですので、実際に据え付けた状態での運転音は周囲環境により異なります」と明記しています。据え付けた後の音は環境次第だ、というのがメーカー自身の説明です。
そもそも、窓用エアコン3社の間ですら欄がそろっていません。トヨトミは音圧・音響パワーの両方を内外別に、ハイアールは内外別だが種別の記載なし、コロナは室内側の音響パワーレベルのみ。メーカーをまたいだdBの比較で何が言えて何が言えないかは、前掲の比較記事にまとめています。窓用エアコンが省エネ関連の表示制度でも壁掛けと同じ土俵に載っていない点は、ポータブルエアコンの電気代の記事で扱っています。
メーカーが「故障ではない」と説明している音
運転していると聞こえる音のうち、窓用エアコンのメーカーが正常だと説明しているものがあります。
- 「シュー シュー」…コロナは冷房・ドライ運転の開始時や運転中の水が流れるような音を「冷媒の流れる音」と説明しています。ハイアールの取扱説明書も同じ内容です
- 「シャワ シャワ」…コロナは「内部で除湿水を自動的に処理している音」、ハイアールは「エアコン内部でドレン水を蒸発処理している音」と説明しています。排水を室内に出さないノンドレン機構を採用しているためで、窓用エアコンらしい音です
- 「ピシッ」…ハイアールは、エアコンが冷やされて収縮するために発生する音としています
- 停止時の音…トヨトミは「運転停止時の機械内部と外部の気圧の差によっておこる停止音」を低減する制御を搭載していると説明しています
いずれもメーカーが故障ではないとしている音です。エアコン全般の正常な音の一覧はエアコンの音が正常かどうかのチェックリストにまとめてあります。
据え付けと音について、メーカーが書いていること

窓用エアコンは自分で取り付ける人も多い製品ですが、据付説明書は音と据え付けの関係にはっきり触れています。
コロナの据付説明書は警告として「据え付けは、強度が十分な場所を選定し、据付説明書に従って確実におこなう」とし、その理由に「強度が不足したり据え付けが不確実な場合は、水もれ、感電、火災、エアコン落下によるけがの原因になります。また、騒音や振動が他へ伝わり増大する原因になります」と書いています。据え付け場所の条件にも「窓枠が強固で振動の伝わりにくい場所」「背面からの温風が隣家の窓に吹きつけたりせず、また騒音の伝わりにくい場所」が挙げられています。
ハイアールの取付工事説明書にも「騒音時にもご配慮を」という項目があり、次の内容が示されています。
メーカーが据え付け時に指示している音まわりの項目
- エアコンの重量に十分耐える場所で、運転音や振動が増大しないような場所を選ぶ(ハイアール・コロナ)
- 室外側吹出口からの温風や運転音が隣家の迷惑にならない場所を選ぶ(ハイアール・コロナ)
- 室外側吹出口の近くに物を置くと機能低下や騒音増大のもとになるため、障害物を置かない。取扱説明書の図では障害物との距離を1m以上としている(ハイアール)
- 据え付け後、取付枠にガタツキがないか、各部のネジが確実に締まっているかを確認する(コロナ・ハイアール)
- 運転する際は窓・網戸を必ず開ける。閉めたままだと異常や故障の原因になる(コロナ・ハイアール)
ネジの締め方も具体的で、ハイアールの工事説明書は「中央部締付けネジ⑤をガタのないよう確実に強く締めます」と指示しています。付属品リストには「パネルシール(2本) ※ジャバラパネルのガタつき防止に使用」という部材まで含まれています。市販品を買い足す前に、まず同梱部材を説明書どおりに使い切るのが先です。
◆アキのワンポイントアドバイス
据付説明書を読んでいて印象的だったのは、騒音の話が「落下・水もれ」と同じ警告欄に並んでいることでした。音が気になるとき、防音グッズより先に確認すべきなのは取付枠のガタツキとネジの締まり具合だ、とメーカー自身が言っているわけです。窓のサイズや取付枠の条件はエアコンの窓パネルの記事にまとめています。
それでも気になる音が続く場合や、明らかにいつもと違う音がする場合は、コロナ・ハイアールとも「異常音がする場合はお買い上げの販売店にご相談ください」と案内しています。自分で分解したり、説明書にない改造をしたりしないでください。
窓用エアコンの音に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 窓用エアコンの運転音は何dBですか?
A. 機種によって違います。公表値の例では、トヨトミACW-18Rが音響パワーレベルで室内55/57dB・室外59/62dB(50/60Hz)、ACW-16Rが室内50/52dB・室外57/59dB、ハイアールJA-W16Aが内55/57dB・外64/64dBです。コロナは冷房専用シリーズについて1.6kWタイプ室内側(50Hz)の音響パワーレベルを51dBと注記しています。
Q2. 壁掛けエアコンと比べて何dBうるさいのですか?
A. 公表値どうしを引き算して差を出すことはおすすめしません。トヨトミは運転音を「試験室での測定値」であり据え付けた状態では周囲環境により異なると注記していますし、窓用の3社の間でも公表している欄がそろっていないためです。
Q3. 運転中の「シャワシャワ」という音は故障ですか?
A. コロナは内部で除湿水を自動的に処理している音、ハイアールはドレン水を蒸発処理している音と説明しており、いずれも故障ではないとしています。
Q4. 取り付け方で音は変わりますか?
A. コロナは据付説明書の警告欄で、据え付けが不確実な場合に騒音や振動が他へ伝わり増大する原因になると明記しています。据え付け場所として「窓枠が強固で振動の伝わりにくい場所」も条件に挙げられています。
まとめ:窓用エアコンの音は、公表値の「内・外」から読む
窓用エアコンの運転音は、メーカーが室内側と室外側に分けて公表しています。トヨトミACW-18Rなら音響パワーレベルで室内55dB・室外59dB(50Hz)というように、数字を見れば大きいのは室外側です。窓用は室外機の置き場所を選べないぶん、その音は自室の窓のすぐ外に出ます。
そして据付説明書は、据え付けが不確実だと騒音や振動が増大すると警告しています。音が気になったら、まず取付枠のガタツキとネジの締まりを確認する。メーカーの資料から読み取れる、いちばん確実な順番はここだと思います。

