エアコンの音が気になるとき|メーカー5社の一覧で正常か確認

エアコンの音が正常か異常かを見分けるイメージ 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

エアコンから聞こえてきた音を「ジー」とか「カタカタ」とか言葉にして、検索してみたことはありませんか。私も同じことをするのですが、そのやり方には落とし穴があります。エアコンメーカーが公開している音の一覧を読み比べてみると、まったく同じ擬音語が、メーカーによって「故障ではない音」の欄と「問題が発生している可能性がある音」の欄に分かれて載っているのです。

この記事では、ダイキン・日立・三菱電機・パナソニック・シャープの5社が公表している音の一覧を、そのまま並べて比べます。よその記事によくある「この音ならこの故障」という早見表は、意図的に作っていません。メーカーの資料を突き合わせても作れないからです。その理由も含めて、メーカーの原文を引きながら説明していきます。

  • 同じ擬音語がメーカーによって別の欄に置かれている実例3つ
  • 5社の音の一覧の掲載件数と、分類の考え方の違い
  • 各社が「点検を依頼してください」と書いている条件の原文
  • 日立が公表している、音に関する修理料金の目安

エアコンの音が正常かどうかをメーカーの一覧で確認するイメージ

同じ擬音語が、メーカーによって別の欄に置かれています

まずは結論の根拠から見てください。ここで挙げる3つの例は、すべてメーカーの公式ページに書かれている内容そのままです。

「ジー」はダイキンでは故障ではない音、日立の室内機では要確認の音

ダイキンのよくあるご質問「室内機から変わった音がする(ルームエアコン)」では、「カチッ」「ジー」「ウィーン」が<エアコンの動作上する音 (故障ではない音)>に分類され、「フラップやルーバーなどエアコンの部品が動作する音です。」と説明されています。

いっぽう日立の「室内機の音の原因を知りたいです。」では、「(何かに引っかかっている音)カタカタ・ガガガ・ガタン・ジー」が「エアコンに問題が発生している可能性がある音」の側に置かれ、「フロントパネルやエアフィルターなどが正しく取り付けられていない可能性があります。」と書かれています。

さらにややこしいのは、同じ日立でも「室外機の音が気になります。」では「ジー、カンカンカン」が運転中の音として挙げられ、「電源投入時にファンが回転する音です。」と説明されている点です。同じメーカーの中ですら、室内機と室外機で「ジー」の扱いが分かれています。

「ピーピー」はダイキンが故障の可能性、日立は正常時のお知らせ音

ダイキンの一覧で「ピーピー」(警報のような音)は<故障の可能性のある音>に入っており、「ピーピーという音が鳴り続ける場合は、エラー状態です。」と書かれています。

ところが日立の一覧では、「(電子音)ピーピーピー」は「エアコンが正常に運転しているときに発生する音」の側にあります。「室温ウォッチ」または「運転おすすめ」搭載機種で、運転停止時にお部屋が高温・高湿度になったことを検知したときのお知らせ音だと説明されています。日立の一覧には「(吹き出し口から聞こえる音)ピー・ピュー・ヒュー・ザー」という項目もあり、こちらも正常側です。

「カタカタ」にいたっては、4つの欄に分かれます

いちばん散らばっているのが「カタカタ」でした。今回読んだ資料の中だけで、次の4か所に登場します。

「カタカタ」が置かれている場所(各社の原文の分類名)

  • ダイキン(室内機)…「カタカタ」「ガタガタ」「カチカチ」(物が当たっているような音)は<お手入れや使い方で改善できる音>
  • 日立(室内機)…「カタカタ・ガガガ・ガタン・ジー」は「エアコンに問題が発生している可能性がある音」
  • 日立(室外機)…「カタカタ」は運転中の音で、「電源を入れたときに、室外機の電磁弁が動作する音です。」
  • 三菱電機…「運転停止時に フィルターおそうじメカが動作し “カサカサ”、“ンー”、“カタカタ”、 “グググ”という音。」という診断項目

そして後で触れますが、日立の修理料金表には「室外機から異常音がする」の症状として「カタカタ」が載っています。つまり日立は、同じ「カタカタ」を室外機の正常な動作音としても、修理の対象となる症状としても書いているわけです。擬音語だけを手がかりに正常か異常かを決めようとすると、どの資料を先に読んだかで結論がひっくり返ります。

メーカー5社の音の一覧を、そのまま並べます

ここからは、各社がどこに何件の音を載せているかを一覧にします。優劣をつけるためではなく、「同じテーマでもこれだけ書き方が違う」ことを見てもらうための表です。

エアコン室外機のファンと配管まわり

分類の考え方は3通りに分かれていました

メーカー(掲載場所) 分類の考え方 載っている音
ダイキン(室内機のFAQ) 3区分。<エアコンの動作上する音 (故障ではない音)>/<お手入れや使い方で改善できる音>/<故障の可能性のある音> 12種類(順に6種類・4種類・2種類)
ダイキン(室外機のFAQ) 区分なし。「以下の音の場合、故障ではありません」 2種類
日立(室内機のFAQ) 2区分。「エアコンが正常に運転しているときに発生する音」/「エアコンに問題が発生している可能性がある音」 15種類(正常13種類・問題の可能性2種類)
日立(室外機のFAQ) 区分なし。「運転中の音」の一覧 6種類
三菱電機(FAQ「故障かな?診断:音関連」) 区分なし。選択して確認する診断項目 9種類
パナソニック(取扱説明書「故障かな?」の音の欄) 区分なし。1つの表に混在 10種類
シャープ(取扱説明書「音がする」の欄) 区分なし。1つの表に混在 6種類

ダイキンだけが「故障ではない/お手入れで改善できる/故障の可能性がある」の3区分を使い、日立は「正常/問題の可能性」の2区分。三菱電機の「故障かな?診断:音関連」は区分を設けず、9つの項目を選んで確認する形式です。パナソニックの取扱説明書(CS-281CX)シャープの取扱説明書(AY-J22S他)は取扱説明書の表の中に、正常な音も取り付け不良のお知らせも並べて書いています。たとえばパナソニックの表には「“バタバタ”“ガクガク”という音」がエアフィルターの取り付け確認を促す項目として、正常な音と同じ表に並んでいます。

室内機と室外機でページを分けているのはダイキンと日立

この点は読者にとって実用的な違いだと思います。ダイキンと日立は室内機用と室外機用のページを別々に用意しており、日立の「運転音・異音」カテゴリには全部で6本のページが並んでいます。三菱電機・パナソニック・シャープは、室内機の音も室外機の音も1つの表にまとめています。

つまりダイキンと日立の資料を使うなら、音が室内機と室外機のどちらから聞こえているかを先に決めないと、そもそも読むページが選べません。室外機側の音についてはベランダの室外機がうるさいときにまず確認したいことにまとめてあります。

室外機の情報量は、社によって3倍の差があります

室外機の音として挙げられている数を比べると、ダイキンの「室外機から変わった音がする(ルームエアコン)」は「ブシュー」「ブーン」の2種類だけ。対して日立は「カタカタ」「ジー、カンカンカン」「シュルシュル」「サーッ」「ボコボコ」「プシュー」の6種類で、ちょうど3倍です。

ここで気をつけたいのは、載っていない音が異常だという意味ではないということです。ダイキンの室外機ページは「以下の音の場合、故障ではありません」と書いているだけで、それ以外を故障だとは書いていません。個別の音についてはプシューという音ポコポコという音の記事もあわせてどうぞ。

「この音は故障の可能性」と書いている社はあります。ただし条件付きです

擬音語を名指しで「故障の可能性がある」と書いている社は、実際にありました。ダイキンは室内機のFAQに<故障の可能性のある音>という区分を設けて「ピーピー」(警報のような音)と「キュルキュル」「キーキー」(こすれるような音)を入れており、日立は室内機のページで「エアコンに問題が発生している可能性がある音」として「コトコト・カサカサ・カッカッ・チッチッチッ」を挙げ、「ファンが周辺の部品に接触していたり、内部に異物が入っていたりする可能性があります。お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検のご相談をしてください」と案内しています。

ただし、どちらも音の名前だけで結論を出してはいません。ダイキンの「ピーピー」は、まず電源プラグやブレーカーで本体をリセットしたうえで「再度『ピーピー』と音がする場合」に「故障の可能性があります」としています。「キュルキュル」「キーキー」も「以前よりも音が大きくなったり、ガリガリと削りあうような音が出た場合は、お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」と、変化を条件に付けています。

そしてこの2社が擬音語を名指ししているのは、いずれも室内機のページです。室外機については両社とも「故障ではない音」の一覧しか公開しておらず、点検の目安は「一覧に該当しない異音」「急に大きくなって止まらない」という書き方でした。室外機に限れば、「この音なら故障」という対応づけはどちらの社にもありません。

そのほかに各社が線を引いているのは「変化」と「対処しても直らないこと」

点検の依頼について各社が書いている条件(原文)

  • ダイキン(室内機)…「上記に当てはまらない場合や、対処をお試しいただいても改善しない場合は、不具合の可能性があります」「以前よりも音が大きくなったり、以前しなかった音が突然するようになったりした場合など音が気になる場合は、お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」
  • ダイキン(室外機)…「以前よりも音が大きくなったり、以前しなかった音が突然するようになったりするなど、音が気になる場合は、お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」
  • 日立(室内機)…「該当する音がない、音が大きくなって気になる、または生活に支障が出てお困りの場合は、お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検のご相談をしてください」
  • 日立(室外機)…「以下に該当しない異音や、運転音が急に大きくなり止まらなくなった場合は、室外機に何らかの問題が発生している可能性があります。運転を停止し、お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検のご相談をしてください」
  • ダイキン(室内機・「ピーピー」)…「再度『ピーピー』と音がする場合」「故障の可能性があります。お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」
  • ダイキン(室内機・「キュルキュル」「キーキー」)…「以前よりも音が大きくなったり、ガリガリと削りあうような音が出た場合は、お買い上げの販売店または当社に点検をご依頼ください」
  • 日立(室内機・「コトコト・カサカサ・カッカッ・チッチッチッ」)…「ファンが周辺の部品に接触していたり、内部に異物が入っていたりする可能性があります。お買い上げの販売店または修理相談窓口に点検のご相談をしてください」

前半の4つに共通しているのは「以前と比べてどうか」と「対処しても直らないか」の2点で、音の名前は出てきません。後半の3つのように音の名前が手がかりになる場面もありますが、その場合も「リセットしても再発する」「以前より大きくなった」といった条件が添えられています。なお、運転を止めるところまで書いているのは日立の室外機のページだけでした。

日立が公表している音の修理料金は、7種類の症状だけです

エアコンの点検を依頼するかどうかを判断する場面のイメージ

ひとつだけ、擬音語と結びついた具体的な数字を公表しているメーカーがありました。日立のルームエアコン修理料金の目安一覧です。「室内機から異常音がする」に4種類、「室外機から異常音がする」に3種類、あわせて7種類の症状が並んでいます。

症状(日立の表記) 交換部品名 修理料金目安・室内機は通常設置/室外機は平地置き(税込)
室内機:電子音 室内メインキバン 40,000円~45,000円前後
室内機:ポコポコ 消音弁取り付け 13,000円~14,000円前後
室内機:ブーン 室内ファンモーター 41,000円~56,000円前後
室内機:カラカラ/ガラガラ 室内ファンモーター 41,000円~56,000円前後
室外機:カタカタ 電動弁コイル 33,000円~38,000円前後
室外機:ブーン 室外ファンモーター 39,000円~54,000円前後
室外機:カラカラ/ガラガラ コンプレッサー(5年保証) 117,000円~137,000円前後

同じ症状でも複数の交換部品が並んでいるので、上の表は各症状の1例を抜き出したものです。出張料は3,850円(税込)、訪問して見積もりを出した結果キャンセルとなった場合は診断料と出張料の合計5,830円(税込)と明記されています。室内機が高所設置、室外機が天吊りなどの場合はさらに高くなり、たとえば室内ファンモーターは59,000円~74,000円前後になります。

この表の読み方の注意

  • 日立グローバルライフソリューションズに直接修理を依頼した場合の目安で、対象は家庭用です
  • 販売店に依頼した場合の料金は販売店に問い合わせる必要があると書かれています
  • 他社の料金でも、業界の相場でもありません
  • 音から原因を特定するための表ではありません。同じ「ブーン」でも室内機はお掃除ユニット(49,000円~64,000円前後)と室内ファンモーターの2つが並んでいます

そしてここが重要なのですが、この7種類に「ジー」「シュルシュル」「ピシッ」といった音は入っていません。擬音語ごとの金額を出している唯一のメーカーですら、扱っている音はごく一部だということです。ブーンという連続音についてはモーター音の記事、こすれるような音についてはキュルキュル音の記事もどうぞ。

「音が大きくなった」をどう受け止めればいいか

音の種類ではなく大きさが気になっている場合も、考え方は同じです。各社が線を引いているのは絶対的な大きさではなく、以前と比べた変化でした。

メーカー自身が「音は大きくなる」と書いている場面があります

大きくなった=異常、とは限りません。むしろ各社は、音が大きくなる正常な場面をはっきり書いています。

  • 日立(室外機)…「気温が高い日や低い日は、室温と設定温度の差が大きくなりやすいため、運転にパワーが必要となり、室外機の音が大きくなることがあります」
  • ダイキン(室外機)…「室外機は、屋外やお部屋の温度などの環境に合わせて能力を上げます。能力を上げるときに室外機ファンの回転を速くするため、音が大きくなります」
  • 日立(室内機)…吹き出し口から風が出る音について「風速が強いと音が大きくなります。音が気になる場合は、風速を自動にすることをおすすめします」
  • ダイキン(室内機)…「サー」「ザー」「バサバサ」「ヒューヒュー」について、フィルターの汚れや目詰まりで「吹出口から出る風の音が大きくなったり、波打って聞こえたりすることがあります」

真夏や真冬に音が大きく感じるのは、この1つ目・2つ目にそのまま当てはまります。風の音まわりの詳しい話はフィルター掃除の効果をまとめた記事のほうが本体です。

大きさを測るより、メーカーが聞いている項目を書き留めておく

先ほど並べた各社の原文をよく見ると、点検を受け付ける側が知りたがっている情報がそのまま書かれていることに気づきます。「以前と比べてどうか」「いつからか」「対処をしても改善しないか」「生活に支障が出ているか」、そして日立・ダイキンの資料構成から分かるとおり「室内機と室外機のどちらか」です。

この5項目をメモしておけば、そのまま相談内容になります。逆に、スマートフォンのアプリで測った数値を伝えても、各社の資料に「何デシベル以上なら点検」という基準がない以上、判断材料にはなりません。ポコポコ音のように別売部品で対応できるものもあれば、そうでないものもあります。

よくある質問とまとめ

最後に、調べている途中で私自身が疑問に思った点をQ&Aにまとめておきます。

エアコンの音が正常かどうかに関するよくある質問(FAQ)

Q1. メーカーの一覧に載っていない音がしたらどうすればいいですか?

A. 日立は「該当する音がない」場合を点検相談の条件のひとつとして明記しています。ダイキンも「上記に当てはまらない場合」を挙げています。一覧にない音を自分で原因まで推定する必要はなく、そのまま相談してよい、というのが各社の書き方です。

Q2. なぜメーカーによって同じ音の扱いが違うのですか?

A. 理由は、今回読んだどの資料にも書かれていませんでした。ここは推測を書かずに止めておきます。確実に言えるのは、機種ごとに搭載している機能が違えば鳴る音も変わるということです。たとえば日立の一覧には自動フィルター掃除やくらしカメラの動作音が、三菱電機の一覧にはフィルターおそうじメカ関連の項目が3種類含まれています。

Q3. 買ったばかりのエアコンから音がするのですが大丈夫でしょうか?

A. パナソニックの取扱説明書には「設置後、初めて運転したときは、リモコンの設定にかかわらず、上下風向ルーバーとフィルターおそうじの動作チェック(試運転)を行います」「すべての試運転は約15分間で終了し、そのまま設定された運転を継続します」と書かれています。設置直後に普段と違う動きをするのは、機種によっては仕様どおりということです。

Q4. 音がしたら運転を止めたほうがいいですか?

A. 今回読んだ範囲で「運転を停止し」と書いていたのは、日立の室外機のページだけでした。条件は「以下に該当しない異音や、運転音が急に大きくなり止まらなくなった場合」です。それ以外の各社の記載は、運転を止めることまでは求めておらず、点検の相談を案内する形になっています。

Q5. 修理費用はどのくらいかかりますか?

A. 今回調べた5社のうち、音の症状別に金額を公表していたのは日立だけでした。記事本文の表のとおりで、出張料は3,850円(税込)、キャンセル時は5,830円(税込)です。他社の金額や一般的な相場は確認できなかったので、ここでは書きません。実際の費用は保証期間や設置状況でも変わるため、必ず見積もりで確認してください。

まとめ:正常かどうかは、擬音語ではなく変化で決まります

今回5社の一覧を並べて分かったのは、次の3点です。1つ目は、同じ「ジー」「ピーピー」「カタカタ」でもメーカーによって置かれている欄が違うこと。2つ目は、分類の考え方そのものが3区分・2区分・区分なしの3通りに分かれていること。3つ目は、擬音語を名指しで「故障の可能性がある」と書いている社(ダイキンや日立)はあるものの、その場合も「リセットしても再発する」「以前より大きくなった」という条件が添えられていて、擬音語だけで修理の要否が決まる書き方をしている社は無かったことです。しかもその名指しはどちらも室内機のページで、室外機については「故障ではない音」の一覧しか公表されていません。

ですので、聞こえた音を言葉にして検索するところまではいいのですが、そこで見つけた「この音はこの故障」という一覧は、メーカーの資料とは別のものだと思っておいたほうが安全です。判断の軸にすべきなのは、以前と比べて変わったかどうか。そのうえで気になるなら、室内機と室外機のどちらから聞こえるかを添えて、購入した販売店かメーカーに相談するのが最短だと思います。あなたのエアコンの音は、以前と比べて変わっていましたか?

タイトルとURLをコピーしました