こんにちは、エアコンラボのアキです。
取り付けたばかりのエアコンから水が垂れてくると、「これは保証で直るのか」「そもそも工事のミスなんじゃないか」という二つの不安が同時に押し寄せてきますよね。しかもエアコンは、買ったお店・作ったメーカー・工事をした業者と登場人物が多く、どこに電話すればいいのかが分かりにくいのが厄介なところです。
この記事は、その「どこに連絡すればいいか」だけに絞ってお話しします。先に結論を言うと、水漏れの窓口は、本体の不具合ならメーカー保証(販売店・メーカー)、据付工事の不備なら工事をした事業者と、はっきり分かれます。しかもこれは私の推測ではなく、各社の保証書に書かれている条文から読み取れることです。原典を確認しながら順番に整理していきます。
- メーカーの保証書が「工事に起因する故障」をどう扱っているか
- 主要メーカーの保証期間と、有料になると明記されている条件
- 新しいエアコンで漏れたとき、工事の側で確認できること
- 連絡しても話が進まないときの公的な相談先

水漏れの責任は「本体」と「工事」で窓口が分かれます
まず押さえたいのは、エアコンにまつわる保証は一つではない、ということです。本体を保証するメーカー保証と、取り付け工事を保証する仕組みは別のものとして動いています。この前提を知らずにメーカーへ電話すると、「工事店にご確認ください」と案内されて振り出しに戻ってしまうことがあります。
保証書に「配管工事、設置工事による故障は有料」と書かれています
ルームエアコンの保証書は、取扱説明書の巻末にそのまま印刷されていることが多いです。日立のルームエアコン(RAS-XR2226S)の取扱説明書を開くと、<無料修理規定>の第5項に「保証期間内でも次の場合には原則として有料にさせていただきます」とあり、その一つとして「(ホ)配管工事、設置工事、その他本機以外の不備による故障及び損傷。」が挙げられています(日立 ルームエアコン RAS-XR2226S 取扱説明書(PDF))。
つまり、水漏れの原因が据付工事にあるなら、それはメーカー保証で無償修理される対象ではない、と保証書自体が最初から宣言しているわけです。ここが、この記事でいちばんお伝えしたい分かれ目になります。
同じ保証書には「この保証書によって保証書を発行している者(保証責任者)、及びそれ以外の事業者に対するお客様の法律上の権利を制限するものではありません」とも書かれています。メーカー保証の対象外だからといって、どこにも相談できないという意味ではない、という点はあわせて覚えておいてください。
冷媒系統の5年保証にも「現地配管を除く」とあります

エアコンには、本体より長い5年間の保証が付く部分があります。ダイキンは家庭用ルームエアコンについて「お買い上げ日から1年間。ただし、冷媒系統部分については5年間」としたうえで、その冷媒系統部分を「現地配管を除く圧縮機、熱交換器および室内ユニット、室外ユニットの内配管の部分」と定義しています(ダイキン工業 よくあるご質問「保証について(ルームエアコン)」)。
「現地配管」とは、工事の日に現場で施工した配管のことです。長い5年保証のほうでも、現場で施工された部分はわざわざ除外されている。ここからも、メーカーが保証するのは工場から出荷された本体である、という線引きがはっきり読み取れます。
それでも最初の連絡先は「買ったお店」で構いません
とはいえ、原因を自分で断定してから電話する必要はありません。日本冷凍空調工業会は、使用を中止して販売店またはメーカーに相談すべき症状の一覧に「室内機から水漏れがする」を挙げています(日本冷凍空調工業会「安全にお使いいただくために」)。国民生活センターも、エアコンが故障したときの相談先について「購入した販売店や製造事業者に相談してください」と案内しています(国民生活センター 消費者トラブルFAQ「【修理・エアコン】故障した。どこに相談すればよいか。」)。
本体と工事をまとめて同じお店で頼んだのであれば、その販売店が両方の窓口を兼ねていることがほとんどです。迷ったら購入店、という順番で問題ありません。
メーカー保証の期間と、有料になると書かれている条件
次に、メーカー保証そのものの中身を確認します。なお、延長保証に入るべきかどうかや保証の全体像についてはエアコンの保証期間をまとめた記事で扱っていますので、ここでは水漏れの判断に必要な部分だけを取り上げます。
本体1年・冷媒系統5年でおおむねそろっています

各社が公開している内容を並べると、次のようになります。いずれも家庭用ルームエアコンについての記載です。
| メーカー | 本体 | 冷媒系統(冷媒回路) | 補修用性能部品の保有期間 |
|---|---|---|---|
| ダイキン | 1年間 | 5年間 | 製造打切り後10年 |
| 三菱電機 | 1年間 | 5年間 | 記載を確認できず |
| 日立 | 1年間 | 5年間(冷凍回路) | 製造打ち切り後10年 |
| 富士通ゼネラル | 1年間 | 5年間 | 製造打ち切り後10年間 |
三菱電機は「冷媒回路(圧縮機、冷却器、凝縮器、本体付属配管など)は、お買上げ日より5年間。上記以外は、お買上げ日より1年間」と案内しています(三菱電機 よくあるご質問「エアコンの保証について」)。富士通ゼネラルの取扱説明書にも「保証期間は、お買い上げ日から1年間です。(ただし、冷媒回路については5年間です。)」と記載があります(富士通ゼネラル AS-Z226T 取扱説明書(PDF))。
注目したいのは、5年保証が付くのは冷媒の通り道であって、結露水が流れるドレン経路ではないという点です。水漏れの多くは排水側の話なので、本体の1年という期間のほうが効いてくる場面が多くなります。
保証期間内でも有料になると明記されている条件
ダイキンは、保証期間内でも有料修理になる場合として次の内容を挙げています(ダイキン工業 よくあるご質問「メーカー保証期間について」)。
- 使用上の誤りおよび不当な修理や改造による故障および損傷
- お買い上げ後の取付場所の移動、落下などによる故障および損傷
- 火災・地震・水害・落雷・塩害・有害ガス・薬品による被害、その他の天災地変、公害や異常電圧による故障および損傷
- 車輌・船舶などに備品として搭載された場合に生ずる故障および損傷
- 保証書の提示がない場合
- 保証書にお買い上げ日・お客様名・販売店名の記入のない場合、あるいは字句を書き替えられた場合
引っ越しで移設したあとの水漏れが悩ましいのは、2番目の「お買い上げ後の取付場所の移動」に触れてくるからです。日立の無料修理規定にも同じ趣旨の項目があり、あわせて先ほどの「配管工事、設置工事」の項目が並んでいます。移設後の水漏れは、まず移設工事を担当した事業者に見てもらうところから始めるのが現実的です。
保証書が見つからないとき
保証書を紛失した場合について、ダイキンは「万一紛失された場合は、お買い上げの販売店にご相談ください」と案内しています。また、量販店などが独自に用意している延長保証はメーカー保証とは別物で、「延長保証(長期保証)をご利用の場合はお買い上げ頂いた販売店様などに直接ご相談下さい」とされています。三菱電機も、保証書に書かれた販売店に依頼できない場合はメーカーの修理窓口へ、という順序を示しています。
新しいエアコンなのに漏れる—工事の側で確認できること
設置してすぐの水漏れは、部品が寿命を迎えるには早すぎるタイミングです。ここでは「工事が仕様どおりに行われたか」を確かめる手がかりを、メーカーが工事店向けに公開している資料から拾ってみます。原因の一覧そのものは水漏れの原因と点検依頼の線引きをまとめた記事で扱っています。
据付工事説明書には、工事後に確認する項目が決められています
三菱電機の据付工事説明書(販売店・工事店さま用)には「据付時・据付工事後の確認」というチェック欄があり、工事をした人が確認すべき項目が具体的に並んでいます。水回りに関するものだけ抜き出すと次のとおりです(三菱ルームエアコン 据付工事説明書(PDF))。
- ドレンホースの接続は確実ですか?
- 水を流してドレン排水を確認しましたか?
- ドレン工事を適切に行い、異音(ポコポコ)が発生しないことを確認しましたか?
同じ説明書は「据付工事終了後、『据付時・据付工事後の確認』を必ず確認し、この据付工事説明書をお客さまにお渡しください」と工事店に指示しています。手元に据付工事説明書が残っているなら、工事のときに渡されたものです。業者に連絡するとき「据付説明書の確認項目のここが気になっている」と伝えられると、話が具体的になります。
左出し配管では部品の付け替えが指定されています
同じ説明書には、配管を室内機の左側から出す場合について「左、左後、左下配管の場合は必ずドレンホースおよびドレンキャップの付け替えを行ってください。付け忘れおよび付け替えない場合は露たれの原因になります」と明記されています。左出しで漏れているなら、この工程が抜けていないかは確認してもらう価値のあるポイントです。
また、日本冷凍空調工業会も「据付け工事は、据付説明書に従って確実に実行してください。据付けに不備があると、水漏れや感電、火災の原因になります」として、据付不備と水漏れを直接結び付けています(日本冷凍空調工業会「工事の際の安全上の注意」)。なお、ドレンホースの勾配や配管ルートそのものについては2階に設置したエアコンの水漏れの記事、壁の中を通す場合の条件は隠蔽配管の水漏れの記事で詳しく扱っています。
連絡する前にそろえておきたい情報

窓口がどこであっても、聞かれる内容はだいたい共通しています。次の情報を先にメモしておくと、電話の途中で探し回らずに済みます。
- 型番と購入日、購入した店名(保証書があればまとめて記載されています)
- 工事をした日と、工事を担当した事業者名
- 水漏れに気づいた日と、漏れているのが室内機のどのあたりか
- 漏れるタイミング(運転を始めてすぐか、雨の日か、常にか)
- 漏れている箇所を写した写真や動画
連絡がつくまでの間の応急処置については、日立が「エアコンから水が漏れている場合は、いったんご使用をお控えください。水漏れをしたまま使用を続けると、家の壁や家具などを傷めてしまう恐れがあります」と案内しています(日立 よくあるご質問「エアコン(室内機)から水が漏れています。」)。水の受け方はバケツでの受け方をまとめた記事を参考にしてみてください。自分でカバーを開けたりホースをいじったりするのは、原因の切り分けを難しくするので避けたほうが無難です。
連絡しても話が進まないときの相談先
「うちの工事に問題はない」で止まってしまう、そもそも業者と連絡が取れない。残念ながらそうしたケースもあります。一人で抱え込む必要はありません。
エアコン修理の相談は5年で2倍以上に増えています
国民生活センターは2026年6月3日、エアコン修理に関するトラブルについて注意を呼びかけました。全国の消費生活センター等に寄せられた相談件数は、2021年度から2025年度にかけて2倍以上に増えているとされています(2026年3月31日までの登録分)。公表資料には次のような相談事例が挙げられています(国民生活センター「エアコン修理のトラブルに注意!」)。
- ネットで検索した業者にエアコン修理を依頼したが直らず、購入を勧められた
- エアコン修理を依頼した業者が修理後の動作確認等をせず帰ってしまった
- エアコン修理業者と連絡が取れなくなってしまった
- エアコン修理内容の説明や見積もり額の提示がないまま作業が開始してしまった
同センターは、作業前に故障原因・修理内容・修理費用等を確認すること、業者が帰る前に直ったことを一緒に確認すること、請求額や作業内容に納得できない場合はその場で支払わず説明を求めることを勧めています。慌てて別の業者を探す前に、まず購入店や工事店に戻るという順番が結果的に安全だと言えそうです。
誰が費用を負担するかは、この記事では断定できません
ここまで見てきたのは、あくまで「メーカー保証の条文がどう書かれているか」です。実際に誰がどこまで費用を負担するかは、契約の内容・工事の経緯・経過した期間などによって変わります。この記事の内容をもって「工事店が必ず無償で直すはず」と決めつけてしまうと、話がこじれる原因にもなります。事実(いつ工事して、いつから、どこから漏れているか)を伝えることに徹するのが、結局いちばん早い道です。
公的な相談窓口は消費者ホットライン「188」です
国民生活センターは、消費者ホットライン「188(いやや!)」番を案内しています。これは最寄りの消費生活センター等につながる全国共通の3桁の電話番号です。事業者とのやり取りが行き詰まったときは、契約書類や写真を手元にそろえたうえで相談してみてください。
エアコンの水漏れと保証に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 設置してすぐの水漏れは、メーカーと工事業者のどちらに連絡すべきですか?
A. 本体と工事を同じお店で頼んだのなら、まず購入した販売店で構いません。国民生活センターも「購入した販売店や製造事業者に相談してください」と案内しています。工事だけ別の事業者に頼んだ場合は、その事業者にも並行して連絡しておくと切り分けが早くなります。
Q2. 工事が原因の水漏れでも、メーカー保証で無償修理してもらえますか?
A. 日立の無料修理規定には「配管工事、設置工事、その他本機以外の不備による故障及び損傷」は保証期間内でも原則として有料になると書かれています。工事に起因すると判断された場合、メーカー保証で無償になることは期待しにくいと考えてください。実際の判定は点検した担当者が行います。
Q3. 冷媒系統の5年保証があるのに、なぜ水漏れは対象になりにくいのですか?
A. 5年間の保証が付くのは冷媒が通る部分です。ダイキンはこれを「現地配管を除く圧縮機、熱交換器および室内ユニット、室外ユニットの内配管の部分」と定義しており、結露水が流れるドレン側は含まれていません。水漏れは本体1年間の保証で判断される場面が多くなります。
Q4. 引っ越しで移設したあとに漏れ始めました。保証はどうなりますか?
A. ダイキンは有料修理になる例として「お買い上げ後の取付場所の移動、落下などによる故障および損傷」を挙げています。まずは移設工事を担当した事業者に状況を伝え、工事内容を確認してもらうところから始めるのが順番として自然です。
Q5. 工事保証は何年くらい付いているものですか?
A. 工事に対する保証は、メーカーではなく販売店や工事店がそれぞれ独自に設定するもので、共通の期間はありません。ダイキンも延長保証について「販売店ごとの保証サービスについては、各販売店へお問い合わせください」としています。工事のときに受け取った書類や注文履歴を確認してください。
まとめ:水漏れは「本体か工事か」で連絡先が決まります
エアコンの水漏れで最初に迷うのは原因ではなく連絡先です。メーカーの保証書は「配管工事、設置工事、その他本機以外の不備」を有料と定め、5年保証の冷媒系統からも「現地配管」を除いています。本体の不具合ならメーカー保証、据付工事の不備なら工事をした事業者、という線引きは、この条文から読み取れる筋道です。
とはいえ、原因を自分で断定してから電話する必要はありません。販売店またはメーカーに相談する、というのが業界団体と国民生活センターに共通する案内です。工事日・症状・写真をそろえて事実を伝えることに徹すれば、窓口の側で切り分けが進みます。
この記事が、不安な気持ちのまま電話をかけあぐねている時間を少しでも短くできれば嬉しいです。

