エアコン室外機のブロック|据付台の耐荷重を公表値で比較

ブロックの上に置いた室外機 掃除・お手入れ・メンテナンス

こんにちは、エアコンラボのアキです。

「エアコンの室外機って、そのまま地面に置いちゃダメなの?」「ブロックを敷いてる家をよく見るけど、あれって本当に必要?」そんな疑問を持ったことはありませんか。

この記事では、室外機の下に敷くブロック(正しくは「据付台」「架台」と呼ばれる部材です)について、メーカーが公式に指示している内容と、部材メーカーが公表している寸法・耐荷重の数字だけを根拠にまとめました。「耐荷重の表示を見て選べばいい」という説明をよく見かけますが、実際に施工要領書を読むと考え方は少し違います。そこも数字で確認していきますね。

  • エアコンメーカーが室外機の設置について公式に指示していること
  • 放熱に必要なスペースの寸法(ダイキン・日立・パナソニックの公表値)
  • 樹脂製据付台・金属製架台の寸法と耐荷重(因幡電工・日晴金属の公表仕様)
  • 「耐荷重140kgf」の正しい読み方と、選定時に確認する数字

エアコンの室外機をコンクリートブロックの上に設置した様子

室外機をブロックの上に設置した例

室外機をブロックに乗せる理由をメーカーの公式指示から確認する

まずは「なぜ敷くのか」を、メーカーが実際に書いている内容から確認していきましょう。

公式に指示されているのは「水平」「重量に耐える」「通風」の3つ

パナソニックのサポートページには、室外機の設置条件として「エアコン室外機は水平に付けられ、かつ重量に十分耐えられる場所」という条件が明記されています。日立のサポートページにも「室外機の重量に十分耐える場所で、騒音や振動が増大しないところに据え付けてください」とあります。

つまり据付台の役割は、突き詰めると「水平を出すこと」と「室外機の重量を安定して受けること」です。土や砂利、凸凹したコンクリートの上に直置きすると、この2つを同時に満たすのが難しくなります。

3つ目が通風です。日立は「放熱に必要な通風路を確保するため、前・後・左・右・上・下のうち、2方向以上開放できる(障害物のない)場所に設置してください」とし、機種によっては3方向の開放が必要だと案内しています。「下」も開放方向の1つに数えられているのがポイントです。

放熱スペースの必要寸法はメーカー・機種で違う

「室外機の周りは何cm空ければいいのか」は各社が数字で公表しています。ただし共通の基準値はなく、メーカーごと・機種ごとに違います。

メーカー 公表されている寸法・条件 但し書き
ダイキン 室外機の右側は250mm以上空けることを推奨 サービス性(点検・修理のしやすさ)を考慮した推奨値
ダイキン 取り付け時には基礎(樹脂製基礎)+10cmが必要 うるさらXの設置事前チェックでの記載
日立 一部機種は前面300mm以上 RAC-WR2226S、GR2226Sなど対象機種を明示
日立 前・後・左・右・上・下のうち2方向以上開放 Xシリーズ・XKシリーズ・RKシリーズ等は3方向以上
日立 寒冷地では室外機底面から800mm以上 ドレン水の凍結による排水不良を防ぐため
パナソニック 上部は30cm以上(前・左・右が開放されている場合) 吊金具・二段置台を使用する場合は3cm以上
パナソニック 2方向しか開放できない場合、冷暖房能力および消費電力が10%程度悪化 ベランダ設置などでやむを得ない場合

注目してほしいのが、日立が寒冷地について挙げている「室外機底面から800mm以上」という数字です。積雪地でよく見かける「高置き」は感覚でやっているわけではなく、ドレン水の凍結を防ぐためにメーカーが具体的な高さを示しているんですね。ブロックを1〜2段積む程度では、この条件には全く届きません。

ここに挙げた数字は各社が公表している一般的な案内です。実際に必要な寸法は機種ごとに異なり、日立もダイキンも「詳しくは据付説明書または製品の仕様書で確認してください」と案内しています。ご自宅の機種の型番で据付説明書を確認するのが最も確実です。

コンクリートブロックの流用について公式に確認できたこと

ここは正直にお伝えします。今回、ダイキン・日立・パナソニックの公開サポートページを調べた範囲では、「建築用のコンクリートブロックを室外機の据付台に流用してよいか」について、可否を明言している記述は見当たりませんでした。各社が示しているのは「水平」「重量に十分耐える」「通風が確保できる」という条件のほうです。

一方、部材メーカー側には明確な記述があります。因幡電工はプラロックの施工要領書で「プラロックは家庭用および業務用エアコン室外機の据付台として使用します。それ以外の用途に使用しないでください」と用途を限定し、採用前に耐荷重性と耐震性を計算で確認するよう求めています。

つまり「コンクリートブロックは絶対にダメ」とメーカーが言っている事実は確認できませんでしたが、専用の据付台には寸法・許容荷重・引き抜き強度が数字で公表されていて、建築用ブロックにはそれが無いという違いは間違いなくあります。次の章で、その公表値を見ていきましょう。

据付台の製品仕様を数字で比べる

プラブロックとコンクリートブロックの見た目の違い

左が樹脂製のプラブロック、右がコンクリートブロック

樹脂製据付台(因幡電工プラロック)の公表仕様

「プラブロック」と呼ばれることが多い樹脂製の据付台ですが、代表的な製品が因幡電工のプラロック【PR】です。材質はPVC(塩化ビニル)で、注意事項として製品表面温度が-10℃〜50℃の範囲で使用することが指定されています。公表されている主な型番の仕様は次のとおりです。

型番 寸法 L×W1×W2×H(mm) 許容面荷重 N[kgf]
PR-151 360×86×80×40 1,372[140] アイボリー
PR-350N / PR-351N-I 360×100×80×95 1,372[140] ブラック / アイボリー
PR-350N-M / PR-351N-M 450×100×80×95 1,765[180] ブラック / アイボリー
PR-350N-L / PR-351N-L 1,000×100×80×95 3,922[400] ブラック / アイボリー
PR-401-S 360×150×110×120 3,531[360] アイボリー
PR-400 / PR-401-I 450×150×110×120 4,413[450] ブラック / アイボリー
PR-1800P 1,800×205×137×154 17,652[1,800] ブラック

家庭用でよく使われる350系は高さ95mm、150系の薄型は高さ40mm。「ブロックで底上げする」といっても、実際に稼げる高さはこの程度だと分かります。

同じ因幡電工には、より家庭用に振ったLC(樹脂製エアコン架台)もあります。材質はPPでリサイクル材を100%使用し、適用範囲が「家庭用ルームエアコンの室外機(質量60kg以下、ただし平地でLC-360Nを2個使用時)」と明記されています。2個で60kg以下という分かりやすい目安ですね。

また同製品の説明には「底面部に滑り止め加工を施してあり、室外機の振動による機器のズレや移動を防ぎます(ただし、極端な振動を生じる場合は防振ゴムなどで振動を防止してください)」とあります。据付台の役割はズレ防止で、振動対策は防振ゴムなど別部材で行うという整理です。「ブロックがクッションになって音が消える」という説明を見かけますが、メーカーの記述はそうなっていません。

金属製架台(日晴金属クーラーキヤッチャー)の公表仕様

地面が土だったり、もっと高さを出したかったりする場合は、金属製の架台が選択肢になります。日晴金属の「クーラーキヤッチャー」は仕様が細かく公表されています。

項目 C-NG(平地・傾斜置) C-NG5-L(平地・傾斜置)
使用荷重 80kg 80kg
固定寸法 横幅(W) 300〜700mm 400〜800mm
固定寸法 奥行(D) 160〜340mm 200〜380mm
適用勾配(直角置) 0〜32°(0〜13°) 0〜21°(0〜10°)
材質・仕上げ 高耐食鋼板・塗装 高耐食鋼板・塗装
単品重量 4.7kg 6.4kg

ここで一番大事なのが「固定寸法」です。C-NGなら横幅300〜700mm・奥行160〜340mmの室外機にしか適合しません。耐荷重より先に、自宅の室外機の脚のピッチがこの範囲に収まるかの確認が要るわけですね。日晴金属も「外形寸法上適合できない場合もあります」と注記しています。

また同社は平地置架台について「ベランダなどに据え付けする場合、人が登って柵を乗り越えできないよう柵から離して設置してください」と明記しています。高さを出すときは転落防止の観点も必要です。

「耐荷重140kgf」は、実は接触面積とセットの数字

ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。ホームセンターで「耐荷重◯kg」の表示だけを見て選ぶ、という説明をよく見かけますが、因幡電工の施工要領書を読むと選定方法はもっと具体的です。

プラロックの許容荷重は「許容面荷重」、つまり単位面積あたりの荷重として定義されています。同要領書には計算例が載っていて、PR-350N(許容面荷重140kgf、L=360mm、W2=80mm、中央の溝幅11mm)の場合、

  • 単位面積あたりの耐荷重 = 140 ÷ {(8 – 1.1) × 36} = 0.56 kgf/cm²
  • 室外機と据付台の接触面積の合計をA(cm²)として、室外機の重量(kgf) ÷ A ≦ 0.56 を満たせば使用できる

幅方向に全面接触する場合は長さあたりで計算し、PR-350Nなら3.8kgf/cm、室外機の重量 ≦ 3.8 ×(接触長さL1[cm]× 2)を満たすこと、と示されています。公表されている単位あたり許容面荷重は、150系・350系で5.488〜5.586N[0.56〜0.57kgf]/cm²、400系で9.898N[1.01kgf]/cm²です。

言い換えると、同じ「140kgf」の据付台でも、室外機の脚が細くて接触面積が小さいと、規定を満たさなくなることがあるということです。「重さが140kg未満だから大丈夫」という単純な話ではありません。実際の選定は、機種の質量と脚の形状を把握している施工業者が行う前提の数字です。

地震時の引き抜き強度も公表されている

もう一つ、プラロックの施工要領書には耐震性の検討方法も載っています。(一財)日本建築センター発行の「建築設備耐震設計・施工指針」に基づいて、地震時に室外機の据付ボルトへ働く引き抜き力を計算する式が示され、系列ごとの引き抜き強度(安全値)が公表されています。

  • 150系: 324N
  • 350系: 586N
  • 400系: 1,142N

計算では最悪条件として設計用水平震度KH = 1.0Gを採用しており、この条件で求めた引き抜き力が上記の値以下なら問題なしと判断できる、という組み立てです。室外機をボルトで据付台に固定することが前提になっている点にも注目してください。ただ台に載せているだけでは、この検討は成り立ちません。

自宅の室外機に合う据付台を選ぶ手順

ここまでの数字を踏まえて、実際に選ぶときの順番を整理します。

手順1: 室外機の質量と外形寸法を先に調べる

据付台の型番より先に、室外機側の数字が必要です。日立は「室外機の寸法は製品型式によって異なります。寸法は製品の仕様書(寸法図)で確認することができます」と案内し、ダイキンも室外機寸法はカタログ記載としています。型番は室外機の側面や前面のラベルに書かれています。

  1. 室外機のラベルで型番を確認する
  2. メーカーサイトで仕様書・寸法図をダウンロードし、質量(kg)据付脚のピッチ(mm)を控える
  3. 据付説明書で、その機種に必要な放熱スペース(mm)を確認する

手順2: 固定寸法・許容荷重の範囲に収まるか照合する

控えた数字を、据付台側の公表値と突き合わせます。チェックするのは次の項目です。

  • 固定寸法: 脚のピッチが範囲内か(例: 日晴金属C-NGは横幅300〜700mm・奥行160〜340mm)
  • 質量: 適用範囲内か(例: 因幡電工LC-360Nは2個使用で60kg以下)
  • 接触面積: 樹脂製据付台では、質量÷接触面積が許容面荷重(350系なら0.56kgf/cm²)以下か
  • 高さ: 350系なら95mm、150系なら40mm。寒冷地の800mm以上が必要なら別の架台が要る
  • 使用温度: プラロック・LCともに製品表面温度-10℃〜50℃の範囲
  • 固定方法: 室外機をボルト止めできるか(プラロックはレール溝付きで、多くの型番に高耐食防錆処理の付属ボルトあり)

手順3: 防振・排水・転落防止まで含めて決める

据付台が決まったら、周辺の条件も一緒に押さえておくと後で困りません。

  • 防振: 振動が気になる場合は防振ゴムなどを別途使う。据付台自体は振動吸収部材ではありません
  • 排水: 日立は寒冷地について「ドレン水が排水、氷結しても問題のない場所に設置してください」と案内。ベランダなら排水口をふさがない位置に
  • 通風: 前面250〜300mm、上部30cmといった寸法を、据付台を置いた後の状態で確保できるか
  • 電波障害: 日立は室外機とFケーブルをアンテナ線や電源コードから1m以上離すよう案内。パナソニックはアンテナから3m以上、テレビ受像機とアンテナケーブルから2m以上を挙げています
  • 転落防止: 日晴金属の注意書きどおり、ベランダでは柵から離して設置する

音の対策をもう少し詳しく知りたい方は、ベランダのエアコン室外機がうるさい原因と対策もあわせてどうぞ。

自分で交換していいのか、業者に頼むべきか

結論から言うと、室外機本体を持ち上げる必要がある作業は業者に依頼するのが安全です。室外機には冷媒配管と電源コードがつながっており、配管に無理な力がかかれば冷媒漏れにつながります。冷媒を扱う作業には資格も必要です。

加えて、樹脂製据付台の選定は「質量 ÷ 接触面積 ≦ 許容面荷重」という計算が前提です。因幡電工自身が「あらかじめ計算方法にて耐荷重性および耐震性について確認の上、採用してください」と求めている作業ですから、型番だけ見て置き換えるのは本来の使い方から外れます。

すでに配管がむき出しで気になっている場合は、エアコン室外機の銅管むき出しを安全に直す完全ガイドもあわせてチェックしてみてください。据付台の相談をするときに、まとめて見てもらうと効率的です。

賃貸住宅の場合の注意点

賃貸物件にお住まいの方は、室外機の周りをいじる前に管理会社や大家さんへ確認することをおすすめします。室外機は物件に備え付けの設備であることが多く、位置を動かすと退去時のトラブルにつながる可能性があるためです。明らかに傾いている、ガタついて異音がするといった状態なら、設備の不具合として管理会社へ伝えるべき内容です。

積雪地域で室外機をブロックで高く設置した高置きの例

積雪地域でブロックを積み重ねて高く設置した「高置き」の例

エアコン室外機のブロックについてのよくある質問とまとめ

よくある質問(FAQ)

Q1. ブロックを使わずに直置きしても大丈夫ですか?

A. メーカーが公式に示している条件は「水平に付けられ、かつ重量に十分耐えられる場所」(パナソニック)で、直置きそのものを禁止する記述は見当たりませんでした。ただし日立は通風路について「前・後・左・右・上・下のうち2方向以上開放」を求めており、底面を地面に密着させると開放できる方向が1つ減ります。

Q2. 樹脂製と金属製、どちらを選べばいいですか?

A. 平地で高さが不要なら樹脂製(因幡電工プラロック350系は高さ95mm)、傾斜地や高さが必要な場所なら金属製架台(日晴金属C-NGは適用勾配0〜32°、使用荷重80kg)が候補になります。ただし決め手は材質ではなく、室外機の質量と脚のピッチが各製品の公表範囲に収まるかどうかです。

Q3. ブロックは何個必要ですか?

A. 製品ごとに前提が異なります。因幡電工のLC-360Nは「平地でLC-360Nを2個使用時、質量60kg以下の室外機」という条件が公表されています。プラロックの場合は個数ではなく、室外機との接触面積の合計が許容面荷重(350系で0.56kgf/cm²)を満たすかどうかで判断する、と施工要領書に示されています。一律の正解はなく、機種と製品の組み合わせで決まります。

Q4. 雪国では何cm持ち上げればいいですか?

A. 日立は寒冷地について「ドレン水の凍結による排水不良を防ぐため、室外機底面から800mm以上のスペースを開け、排水を良くしてください」と案内しています。樹脂製据付台の高さは40〜154mm程度なので、この条件を満たすには高置き用の架台が必要になります。必要な高さは地域の積雪量にもよるため、設置業者への相談をおすすめします。

Q5. 据付台を使うと運転音は小さくなりますか?

A. 据付台そのものは防振部材ではありません。因幡電工はLCについて「底面部に滑り止め加工を施してあり、室外機の振動による機器のズレや移動を防ぎます」としたうえで、「極端な振動を生じる場合は防振ゴムなどで振動を防止してください」と案内しています。音や振動が気になる場合は、防振ゴムの併用や、そもそも水平が出ているかの確認から始めるのが順番です。

Q6. 据付台の使用温度に制限はありますか?

A. 樹脂製にはあります。因幡電工はプラロック・LCのいずれについても「製品表面温度が-10℃〜50℃の範囲で使用してください」と注意事項に明記しています。真夏の直射日光が当たるコンクリート面など、表面温度が上がりやすい場所では意識しておきたい条件です。

まとめ

エアコンの室外機をブロック(据付台)に乗せる目的は、メーカーの公式指示にさかのぼると「水平を出す」「重量を安定して受ける」「通風路を確保する」の3点に整理できます。そして専用の据付台には、寸法・許容面荷重・引き抜き強度が数字で公表されていて、選定はその数字を室外機の仕様と突き合わせて行うものだと分かりました。

  • 公式指示は「水平」「重量に耐える」「2方向以上の開放」。放熱寸法は機種ごとに据付説明書で確認する
  • 因幡電工プラロックは材質PVC、350系で高さ95mm・許容面荷重1,372N[140kgf]
  • 耐荷重は「質量 ÷ 接触面積 ≦ 0.56kgf/cm²(350系)」という面荷重で判定する
  • 日晴金属C-NGは使用荷重80kg・固定寸法W300〜700mm/D160〜340mm。まず脚のピッチが合うか確認
  • 寒冷地のドレン凍結対策は「底面から800mm以上」。ブロック数個では届かない
  • 据付台は防振部材ではない。振動対策は防振ゴムなどを別途使う

迷ったときは、無理せず業者に相談するのが一番です。エアコンラボでは、これからも身近な「困った」を確認できる数字にもとづいて解消していきますね。

参考にしたメーカー公式情報

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