エアコンの水漏れ、使ってないのに出る水の正体|台風・強風の日も

使っていないエアコンから水漏れしている様子 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

部屋に入ったらエアコンの下が濡れていて、でもリモコンは何日も触っていない。そんなとき、まず頭に浮かぶのは「壊れたのかな」だと思います。

ただ、ここで一度立ち止まってほしいことがあります。エアコンの水漏れとして普通に語られる水は、冷房や除湿の運転中に熱交換器が冷えて空気中の水分が水滴になった結露水です。運転していないエアコンは熱交換器を冷やしていないので、結露水を新しく作りません。

つまり「使ってないのに水が出る」という状況は、ほかの水漏れとは原因の系統がそもそも違う可能性があります。エアコンが作った水ではなく、外から入ってきた水という見方です。この記事では、メーカーの据付説明書やFAQ、公的機関の資料に何が書かれているかを、風の強い日や台風の日の話も含めて整理します。

使っていないエアコンから水漏れしている様子

  • 運転していないときの水について、メーカーが実際に書いていること
  • 強風・台風のときドレンホースで起きること(入ってくるのは水ではなく空気)
  • 壁の貫通穴からの雨水の浸入について、据付説明書が求めていること
  • 浸水・冠水した室外機を、絶対にそのまま使ってはいけない理由

使ってないエアコンから出る水は、エアコンが作った水ではないかもしれません

最初にやることは、原因を当てにいくことではなく「運転していない」という前提が本当に成り立っているかを確かめることです。ここが崩れていると、あとの話がすべてずれます。

「止めているつもり」で動いていることがある

日立は「運転を止めているのに、勝手に運転してしまいます。」というよくあるご質問で、「あらかじめ以下の設定がされていると、運転停止直後や停止中にもエアコンが動作する場合があります」として、室内の温度や湿度をみはって自動で運転する機能、フィルター掃除や凍結洗浄などの機能、スマートフォンアプリでの遠隔操作を挙げ、どれが動いているかは本体のランプ表示部で確認できると案内しています(日立「運転を止めているのに、勝手に運転してしまいます。」)。

「使っていない」を疑ってみる確認項目

  • 本体のランプが点灯・点滅していないか(機種によって表示は異なります)
  • みはり・自動運転のような、勝手に運転を始める機能を設定していないか
  • 内部を乾かす運転や洗浄の機能が、停止後に動いていないか
  • 同居している家族やスマートフォンアプリから操作されていないか

停止後に動く内部クリーンや洗浄の運転は、当サイトの「エアコン 水漏れ 内部クリーン」の記事で扱っています。

止めた後も、ホースの中に水が残っていることがある

もうひとつ知っておきたいのが、運転をやめても排水経路が空っぽになるとは限らないという点です。日立はポコポコ音についての説明の中で、「エアコンを運転していないときでも、排水ホースの経路に逆勾配があり、ホース内に結露水が残っていると、音が出やすくなります」と書いています(日立「エアコンの室内機から「ポコポコ」という音が出ます。」)。日本冷凍空調工業会もシーズンオフの手入れとして「晴れた日には半日ほど送風運転をし、内部を乾燥させてください」と案内しています(日本冷凍空調工業会「シーズンオフには」)。止めた直後に少し水が出ることと、何日も使っていないのに水が出続けることは、分けて考えてください。

それでも水が出るなら、外から入る経路を見る

ランプも点いておらず、最後に運転したのが何日も前なのに水が出ている。ここまで来て初めて、外から入ってきた水という見方が出てきます。屋外とつながる経路は、大きく次の2つです。

1. 屋外に出ているドレンホースの先端(屋外の空気とつながっています)
2. 配管を通すために壁に開けた貫通穴(スリーブ)のすき間

なお、室外機の底面やドレンホースの先端から屋外に水が出ていること自体は、各社が「故障ではない」と説明している現象です。濡れているのが屋外側だけなら、当サイトの「エアコン 水漏れ 外」の記事が本体になります。

風の強い日・台風の日、ドレンホースで起きていること

「台風の翌日に水が出た」という状況は天候と結びつけたくなります。ただ、メーカーの記述を読むと、多くの人が思っている内容とは少し違います。

まず前提として、気象庁は台風を「最大風速(10分間平均)がおよそ17 m/s(34ノット、風力8)以上のもの」と定義しています(気象庁「台風とは」)。さらに風速15 m/s以上の範囲を強風域、25 m/s以上の範囲を暴風域と呼びます。大きさはこの強風域の半径で表され、500キロメートル以上が大型、800キロメートル以上が超大型です。強さは最大風速で次のように区分されています(気象庁「台風の大きさと強さ」)。

階級 最大風速
強い 33 m/s以上〜44 m/s未満
非常に強い 44 m/s以上〜54 m/s未満
猛烈な 54 m/s以上

この風がドレンホースの先端に当たったとき、メーカーは何が起きると書いているのでしょうか。

メーカーが書いているのは「空気が入ってくる」ことです

屋外に出ているエアコンのドレンホースの先端

4社の記述を並べると、書かれていることはほぼ共通しています。

メーカー 書かれている内容
日立(FAQ) 「風が強い日や台風のときなど、排水ホースから空気が入り込みやすいときにも同様の音がすることがあります」
三菱電機(FAQ) 「換気扇をご使用の際、室内機から室外へ結露水を排水するためのドレンホースから室外の空気を吸い込むことがあります」「故障ではありません」
富士通ゼネラル(据付説明書) 「高層住宅、高気密住宅などで強い風を受けたときや、換気扇(レンジフードなど)を使用したときに、空気がドレンホース内を室内側に流れ、異音(ポコポコ音など)や水漏れが発生することがあります」
シャープ(工事説明書) 「ドレンホースにトラップがあると、高気密住宅などで、強い風をうけた時や換気扇などを使用した場合、「ポコポコ」という音が出ることがあります」

出典は順に日立のFAQ三菱電機のFAQ No.723(2015年2月26日公開・2023年7月12日更新)富士通ゼネラルの据付説明書(PDF)シャープの据付工事説明書(PDF)です。

ホースを逆にたどってくるものとして書かれているのは、雨水ではなく空気でした。その空気が起こすものとしてどの社もまず挙げているのは「音」で、三菱電機に至っては「故障ではありません」と明記しています。日立と富士通ゼネラルは水漏れにも触れていますが、これは排水されるはずの結露水がスムーズに流れずにあふれるという説明で、エアコンが結露水を作っていること、つまり運転していることが前提です。音が気になる方はエアコンのポコポコ音の原因と対策を見てみてください。

「雨水が逆流する」とメーカーが書いているのは、雨といにつないだ場合です

では、雨水がドレンホースを逆流するという記述はまったくないのかというと、今回読んだ資料のなかにひとつだけありました。日立の据付説明書のドレン工事のページに、「ドレンホースは雨といにつなげない」「雨水が逆流し、水漏れの原因となることがあります」と書かれています(日立 ルームエアコン据付説明書(PDF))。

これは風ではなく、ドレンホースの先を雨といに突っ込んで施工した場合の話です。同じページには、ホースの先端が水につかっている状態も不具合の例として図示されています。つまり雨水の逆流はホースの出口をどこに置いたかで決まる、という書かれ方です。ホースの先が雨といや水たまりに入っていないかは、外から見て確認できる数少ないポイントです。構造や交換についてはエアコンのドレンホースを根元から交換は業者が安全な理由で扱っています。

メーカーが案内している対処は、この範囲まで

日立は先ほどのFAQで、対処方法として「換気扇を止める」「窓を少し開ける」「逆止弁(逆流防止弁)を取り付ける」を挙げていますが、逆止弁には「ご購入や、取り付け方法および工事については、販売店や施工業者にご相談ください」という注意書きが添えられています。三菱電機も「ドレンホースの先端を風があたらない方向へ向けてください」と書いたうえで、対策部品の取付けは「お買上げの販売店」へ相談するよう案内しています。

いずれも、利用者本人が屋外で部品を取り付ける前提にはなっていません。風が強い日や台風の最中に屋外へ出て何かをする手順も、私が確認した範囲ではどのメーカーの資料にもありませんでした。ですので、この記事でも書きません。

壁の貫通穴(スリーブ)から雨水が入る話は、据付説明書に書かれています

壁の配管穴のすき間をパテでふさいでいる様子

もうひとつの経路が、配管を通すために壁に開けた穴です。ここについては、複数社の据付説明書が「雨水」という言葉をはっきり使っています。

3社とも、雨水を理由にシールを求めています

壁の貫通穴について据付説明書に書かれていること

  • 日立: 保護パイプを壁穴に通したうえで「雨水や外気の浸入などがないよう完全にシールし、配管ブッシュ(市販品)を付けます」
  • シャープ: 「必ずパテまたはコーキング材でシールして仕上げてください。(化粧カバー仕上げの場合も必要です)」「シールが不完全な場合、雨水の浸入による壁内部の腐食や室内へのホコリの吸い込みの原因となります」
  • 富士通ゼネラル: 「外壁の配管穴と配管の隙間には、雨水が吹き込まないようシーラパテなどで完全にふさいでください」

富士通ゼネラルの据付説明書には、工事後に施工者が確認する項目として「壁穴部の隙間は完全にふさぎました」というチェック欄まであります。シャープは化粧カバーを付けた場合でもシールは省略できないと書いており、カバーがあるから雨は入らない、とはされていません。この経路は、結露とはまったく無関係に成立します。

壁の穴は、外側が下がるようにあけることになっている

穴の傾きについても記載があります。日立は「φ65mmの穴を外側に下がり気味にあけます」、シャープは「壁に配管穴を下り勾配にあける」(ドレン排水のため)と書き、壁を通す保護パイプにも室外へ5mmの下り勾配という図を添えています。穴の大きさはシャープの場合φ60mm以上、新しくあけるならφ70mm以上、中心は据付板の突起部から85mmの位置です。

ただし、これは工事をする人に向けた条件です。すでに設置された壁の穴が外に向かって下がっているかを住んでいる人が確かめる方法は書かれていませんし、私も据付や建築は専門外です。気になったら、工事をした会社や販売店に見てもらう話になります。

もうひとつ、シャープの据付工事説明書には冷媒配管の注意として「室外機が室内機より上にあるときは、室内引き込み口にトラップを設けてください。(雨水の浸入を防ぐため)」とあります。配管を伝った雨水が室内側に入る可能性があるためです。ベランダや屋根の上など、室内機より明らかに高い場所に室外機がある場合は当てはまります。

なお、パテそのものの選び方や状態の見方はエアコンのパテ隠しの方法エアコンの穴に使う粘土(パテ)の選び方、屋外側のホース先端のキャップはエアコンの防虫キャップの選び方と注意点で扱っています。

台風・大雨のあとに、絶対にやってはいけないこと

ここからは原因の話ではなく安全の話です。台風や大雨のあとに室外機が倒れていたり水に浸かっていたりした場合、対応を間違えると火災や感電につながります。メーカーと公的機関が同じことを書いているので、その表現のまま紹介します。

倒れた・落ちた室外機は、自分で起こさない

日立は「災害によって室外機が浸水/冠水してしまいました。」というよくあるご質問で、「台風や地震、大雨などで室外機が転倒や落下、冠水や浸水してしまった場合はご使用を控え」と前置きしたうえで、「室外機が転倒したときは、ご自分で起こさず設置した施工会社または修理相談窓口までご連絡ください」と書いています(日立「災害によって室外機が浸水/冠水してしまいました。」)。理由も添えられていて、室外機を起こしたときに室内機とつながるパイプに負荷がかかって亀裂や穴が開くことがあり、そこから冷媒という液体ガスが噴き出してやけどやけがのおそれがある、と説明されています。

浸水・冠水した室外機は、乾いても使わない

冠水・浸水した場合について、日立は次のように書いています。

「室外機が冠水や浸水したときは、通電による感電を避けるため、エアコン用のブレーカーを切ってから、ゴム製の手袋をして電源プラグをコンセントから抜いてください」

「一見、乾燥したように見えても、内部が乾燥していなかったり、異物の付着により漏電や発火の恐れがあります。製品が一時的に使用可能な状態であっても、絶対にそのままではご使用(通電)せず、必ず点検・修理を受けてください」

「泥や砂などの不純物が隙間に入り込んだ場合は、浸水が浅くてもモーターなど内部部品に不具合が生じる可能性があります」

同社は家電製品全般についても「災害時における家電製品のお取り扱いについて」で、「製品が冠水してしまった場合は、漏電の危険性が高いため、ご使用はお控えくださるようお願いいたします」と同じ趣旨を書いています。

公的機関も同じ立場です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、浸水した家電製品に通電して発火した事故の再現映像を公開し、解説文で「災害による、雨漏り・浸水などで、水がかかったり水に浸かったりした家電製品は、内部に水が残っていたり、泥や塩分などの異物が付着していたりすることで、火災を引き起こすことがあります」と書いています(NITE「浸水した家電製品から発火」)。映像では0分57秒の時点で発火した、と時刻まで示されています。同じページから開ける注意喚起ポスター(PDF)にも、「外観が乾いても製品内部に水が残っていたり、泥や塩分などの異物が内部に付着していたりすることで、火災を引き起こすおそれがあります」と明記されています。

浸水・冠水したときにやらないこと

  • 乾いたように見えるからといって、点検を受けずに運転する
  • 浸水が浅かったからという理由で、そのまま使う
  • 濡れた電源プラグやブレーカーを、素手で操作する
  • 倒れた室外機を自分で起こす

漏電そのものについてはエアコンの漏電で確認すべきことにまとめていますので、ブレーカーが落ちるなどの症状が出ている場合はそちらも見てみてください。

台風前の備えとして、この記事では手順を書きません

台風の前に室外機を固定する、カバーをかけるといった手順を紹介するページは多くありますが、私が確認した各社の据付説明書・FAQには利用者が自分でそれを行う手順は書かれていませんでした。書かれていないことをそれらしく書くのはやめておきます。設置に不安があるなら施工会社や販売店に見てもらうのが正しい順番です。据え置き自体はエアコン室外機のブロック設置で知っておきたいことで扱っています。

いま記録しておくことと、相談先

原因が外にある場合、自分で確定させるのは難しいです。その代わり、伝えられる材料をそろえておくと点検の話が早く進みます。

天候と水のタイミングを書き留める

・水に気づいた日と時刻、そのときの天気(雨・強風・台風の通過など)
・濡れているのは室内機の本体か、その周りの壁や天井か
・最後に運転した日と、そのときの運転モード、本体のランプの状態
・屋外のドレンホースの先端が雨といや水たまりに入っていないか
・日付が入る形で撮った写真

特に「運転していない日にも出るのか」「雨のときだけ出るのか」は、結露水か外から入った水かを分ける情報になります。判断は点検する人に任せるとして、記録だけは自分にしかできません。

シーズンの前後にできること

日本冷凍空調工業会はシーズン前のチェックとして、室外機側について「室外機のドレンホースにゴミが詰まったり、クモの巣がはっていませんか?また、亀裂、たるみ、潰れがありませんか?」と挙げ、「ゴミやクモの巣は除去してください。亀裂などがある場合は、お買い上げの販売店にご相談してください」と案内しています。エアフィルターは2週間に1回程度の掃除がすすめられています(日本冷凍空調工業会「シーズン前にエアコン点検を!」)。運転後については「室内ユニットから水が漏れる」場合は販売店へ連絡、とされており、自分で分解して直す話にはなっていません。室内機側で水が出ているときの受け方や点検依頼の線引きは、当サイトの「エアコン 水漏れ 夜だけ」「エアコン 水漏れ バケツ」の記事が本体です。

エアコンの水漏れと使ってない状態に関するよくある質問(FAQ)

Q1. コンセントを抜いているのに水が出ます。故障ですか?

A. 電源が入っていなければ、エアコンは新しく結露水を作りません。日立は運転していないときでもホース内に結露水が残ることがあると書いていますが、それは残っていた分の話です。何日も続くようなら、壁の貫通穴やドレンホースの出口といった屋外とつながる経路を疑う段階です。

Q2. 台風の強風で、雨水がドレンホースから逆流してきたのでしょうか?

A. 今回確認した4社の記述で、強風や換気扇によってホースを逆にたどってくるものとして書かれていたのは空気でした。雨水の逆流について書かれていたのは日立の据付説明書の「ドレンホースは雨といにつなげない」という項目だけで、これは風ではなくホースの出口の置き場所の話です。

Q3. 雨の日だけ濡れるなら、壁の穴が原因と考えていいですか?

A. 据付説明書は3社とも、壁穴のすき間を雨水の浸入経路として扱っています。ただ「雨の日だけ濡れる=壁穴が原因」と決めつけられるほど単純ではなく、外壁や窓まわりなどエアコン以外の原因もあり得ます。断定はせず記録として残し、点検してもらうときに伝えてください。

Q4. 台風の後、室外機が少しだけ水に浸かりました。乾かせば使えますか?

A. 使わないでください。日立は「一見、乾燥したように見えても、内部が乾燥していなかったり、異物の付着により漏電や発火の恐れがあります」とし、泥や砂が入り込んだ場合は浸水が浅くても内部部品に不具合が生じる可能性があると書いています。ブレーカーを切って電源プラグを抜き、点検を依頼してください。

Q5. 逆止弁(逆流防止弁)を自分で付けても大丈夫ですか?

A. 日立は逆止弁を対処方法として挙げていますが、「ご購入や、取り付け方法および工事については、販売店や施工業者にご相談ください」と添えています。三菱電機も対策部品の取付けは販売店へ相談するよう案内しており、どちらも利用者本人が取り付ける前提では書かれていません。

まとめ:運転していないなら、結露水ではないところから考える

使ってないエアコンから水が出ているとき、いちばん役に立つのは「エアコンが作った水ではないかもしれない」という切り替えです。まず本体のランプで本当に止まっているかを確かめ、止まっているなら、屋外とつながる2つの経路、つまりドレンホースの先端と壁の貫通穴に目を向けます。

強風や台風の日にドレンホースで起きることとしてメーカーが書いているのは、水の逆流ではなく空気の流入と、それによる音でした。一方で壁の貫通穴については、3社の据付説明書が「雨水」を名指しでシールを求めています。この違いを知っておくだけで、見るべき場所がかなり絞れます。

そして台風や大雨のあと、室外機が倒れていたり水に浸かっていたりしたときだけは、原因探しより先に安全です。乾いたように見えても使わない、浸水が浅くても使わない、自分で起こさない。メーカーもNITEもそろえて書いていることなので、そのまま守ってください。

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