エアコンの水漏れはテープで直せる?メーカー資料を調べた結論

エアコンのドレンホースに自己融着テープを巻いて水漏れを補修している様子 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

エアコンから水が垂れてきたとき、「とりあえずテープで塞げないか」と考えるのは自然なことだと思います。ホームセンターには補修用のテープがいくらでも並んでいますし、エアコンの配管にはもともとテープが巻かれていますから、なおさらです。

ただ、この記事を書くにあたって国内メーカーの水漏れのFAQと、据付説明書3本(日立・三菱電機・シャープ)を実際に開き、「テープ」「補修」「応急」で全文検索してみました。すると、水漏れをテープで塞ぐという案内は、今回開いたどの資料にも書かれていませんでした(読んだのは日立・三菱電機・シャープの据付説明書3本と、日立・ダイキンのFAQ、日本冷凍空調工業会のページの計6本です)。代わりに見つかったのは、テープが水漏れを起こす側として書かれている記述です。

  • 水漏れに気づいたときにメーカーが案内している行動
  • 配管に巻かれているテープは何のためのものか
  • テープの巻き方が「露たれの原因になる」と書かれている箇所
  • 据付説明書でテープと水漏れが同時に出てくる、唯一の場面

エアコンのドレンホースと配管に巻かれたテープ

メーカーの水漏れの案内に、テープは出てきません

まず、水漏れそのものについて各社が何と書いているかです。日立の「エアコン(室内機)から水が漏れています。」というQ&Aには、こうあります。

「エアコンから水が漏れている場合は、いったんご使用をお控えください」「また、故障や事故を防ぐため、スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いてください」(日立 よくあるご質問「エアコン(室内機)から水が漏れています。」)

ダイキンのルームエアコンのFAQも「床や壁などの家屋や家具を傷める恐れがありますので、ご使用を控えてください」と書いています。日本冷凍空調工業会は、使用を中止して販売店またはメーカーに相談すべき症状の一覧に「室内機から水漏れがする」を挙げています。

この3本のページに「テープ」という語は1箇所も出てきません。テープでの応急処置は、そもそもメーカーが案内している方法ではないということです。

出典 水漏れに気づいたときの案内 テープの記載
日立 よくあるご質問 使用を控える。スイッチを切り、電源プラグを抜く なし
ダイキン よくあるご質問(ルームエアコン) 使用を控える。水が止まるまで被害を抑える なし
日本冷凍空調工業会 使用を中止のうえ、販売店またはメーカーに相談 なし

配管のテープは、止水材ではなく断熱材のカバーです

では、なぜエアコンの配管にはテープが巻かれているのでしょうか。日立の据付説明書(RAS-KD22Hほか)には「配管は必ず細径側・太径側ともに断熱したものを使用してください。なお表面にエアコン据付用テープを巻くことをおすすめします」とあり、その理由が「テープを巻かないと、断熱材が早く劣化してしまいます」と続きます。

順番が逆なんです。結露を防いでいるのは配管を覆う断熱材(保温材)のほうで、テープはその断熱材を守るカバーという位置づけでした。三菱電機の据付工事説明書でも、工事の際に現地で用意する部品として「断熱材」と「配管テープ」が別々に並んでおり、断熱材のほうには「耐熱発泡ポリエチレン 比重0.045以下 肉厚8mm以上(液管、ガス管用)」という規格が指定されています。テープのほうにこうした規格はありません。

ですから、屋外のテープがボロボロになって中が見えている場合、傷んでいるのはテープだけとは限りません。その下の断熱材まで劣化していれば、上からテープを巻き直しても結露は止まらない、ということになります。配管の外装をどう仕上げるかについては、化粧カバーの記事でも触れています。

配管の断熱材と、その上に巻かれたテープの位置関係のイメージ

テープの巻き方そのものが「露たれの原因」と書かれています

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。日立の据付説明書には、テープの巻き方について次の注意書きがありました。

  • 「配管の断熱材のビニールテープ巻きは締め過ぎない 断熱効果がなくなり露が付きますので、締め過ぎないように巻いてください」
  • 「保冷用断熱材を使わなかったり保冷用断熱材のビニールテープ巻きを締めすぎると…断熱効果がなくなり露が付き露たれおよび壁にシミやカビが発生します」
  • 「間隔をおいて締めすぎないように巻きます」
  • 配管の接続部について「すき間があったり締め過ぎたりすると、露たれの原因になります」

つまり「強く引っ張って、隙間なく、きつく巻く」という巻き方は、メーカーが名指しで避けるように書いているものでした。水を止めたい一心で力を入れるほど断熱材がつぶれ、断熱効果が落ちて、かえって露が付く方向に働きます。

テープが原因側として登場する、という意味がこれです。日立の据付説明書には「テープ」という語が20箇所以上、シャープと三菱電機の説明書にもそれぞれ10箇所以上出てきますが、いずれも工事の手順か、この種の注意書きでした。水漏れを止める道具としては一度も出てきません。

注意: 漏れている箇所を上から強く巻き締めるのは、据付説明書が「露たれの原因」と書いている状態を自分の手で作ることになります。この記事では巻き方の手順も、テープの商品名も紹介しません。

テープと水漏れが同時に出てくる、唯一の場面

全文検索で1箇所だけ、テープと「水が漏れない」が同じ文に出てくる記述がありました。ドレンホース(結露水を屋外に出す排水ホース)についての一文です。

日立「ドレンホースを継ぎたすときは、水が漏れないよう接続部にテープを巻いてください」。すぐ横に「内径16mm」と指定があります。三菱電機も延長用として内径16mmの延長ドレンホース、内径15mmの軟質塩ビホース、硬質塩ビ管(VP30)を挙げており、シャープの工事説明書にも「ドレンホースを延長する場合は、内径16mmのホースを使用してください」とあります。

ただしこれは、ホースを継ぎ足して据え付けるときの工事手順であって、漏れているホースを直す手順ではありません。すでに据え付けられたエアコンの接続部から水が出ているなら、それは工事をやり直す必要がある状態です。

日立は別のQ&Aで「お客様ご自身によるエアコンの据え付けや移設、取り外し、分解は行わないでください。水漏れや感電、火災の原因になる恐れがあります」と書いています(日立 設置・移設・取り外しについて)。ドレンホースそのものの構造や交換については、当サイトのドレンホース交換の記事で別に扱っています。

ドレンホースと冷媒配管がテープでまとめられている様子

テープを買いに行く前に確認できること

各社のFAQが案内している順番は、テープではなく次の6段階でした。

  1. 運転を止め、スイッチを切って電源プラグを抜く(日立)
  2. 床や壁が濡れないように被害を抑える(ダイキン)
  3. 屋外のドレンホースの先から水が出ているか見る
  4. 出ていなければ、先端が植木鉢などの障害物でふさがれていないか、折れ曲がったり持ち上がっていないか、先が水に浸かっていないかを見る(日立・ダイキン。三菱電機は地面との隙間を50mm以下にしないよう図示しています)
  5. 水は出ているのに漏れる場合は、エアフィルターの汚れを確認してお手入れする
  6. 改善しない場合、または吹き出し口以外から漏れている場合は販売店・修理窓口へ

日立は「吹き出し口以外から水が漏れている場合は、本体内部の部品や排水経路に不具合が発生している可能性があります。お客様ご自身での対処は難しいため」と書いています。テープを探している時間があるなら、この6段階を先に一周したほうが早いはずです。水の受け方そのものは、当サイトの「エアコンの水漏れをバケツで受けるとき」の記事で別に扱っています。

エアコンの水漏れとテープに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 補修テープで塞げば、ひとまず水は止まりますか?

A. 止まるかどうかを判断できる材料が、今回読んだメーカーの資料にはありませんでした。据付説明書3本(日立・三菱電機・シャープ)とFAQ2本(日立・ダイキン)、日本冷凍空調工業会のページの計6本を「テープ」「補修」「応急」で検索しましたが、水漏れをテープで塞ぐ手順は1件も出てきませんでした。この記事で製品や巻き方を紹介しないのはそのためです。

Q2. 屋外の配管のテープが劣化しています。巻き直せばいいですか?

A. テープは断熱材を守るカバーなので、外から見えるテープの状態だけでは、下の断熱材が無事かどうかは分かりません。日立は断熱材の劣化を防ぐことをテープの役割として書いており、巻き方についても「締め過ぎない」と注意しています。配管の仕上げは据付工事の範囲なので、工事をした会社や販売店に見てもらうのが確実です。

Q3. ドレンホースの接続部から漏れています。テープを巻いてもいいですか?

A. 据付説明書に出てくるのは、ホースを継ぎ足す工事のときに接続部へテープを巻くという手順で、内径16mmという指定とセットです。すでに据え付けられたエアコンで漏れているなら、その接続が不十分だったということになります。日立は利用者自身による据え付け・分解を行わないよう案内していますので、販売店か工事をした会社に相談してください。

Q4. 水漏れしたまま使い続けてはいけませんか?

A. 日立とダイキンはどちらも「ご使用を控えてください」と案内しています。日本冷凍空調工業会も、使用を中止して販売店またはメーカーに相談すべき症状の一覧に「室内機から水漏れがする」を挙げています。理由として各社が挙げているのは、家屋や家具を傷めること、故障や事故を防ぐことです。

まとめ: テープは水を止める道具として書かれていませんでした

「エアコン 水漏れ テープ」で検索したとき、頭の中には2種類の疑問が混ざっていることがあります。テープで塞げるかという話と、配管に巻いてあるテープが傷んでいるという話です。今回、日立・三菱電機・シャープの据付説明書と、日立・ダイキンのFAQ、日本冷凍空調工業会のページを実際に読んで確認できたのは、次のことでした。

  • 水漏れをテープで塞ぐ手順は、この6本のどれにも書かれていない
  • テープの役割は断熱材のカバーで、結露を防いでいるのは断熱材のほう
  • 締め過ぎたテープ巻きは、据付説明書が「露たれの原因」と書いている状態
  • テープと水漏れが同じ文に出るのは、ホースを継ぎ足す工事の場面だけ

水漏れに気づいたら、まず運転を止めて電源プラグを抜く。これが各社に共通していた最初の一手です。テープはそのあとに探すものではなく、そもそも出番のない道具でした。この記事が、余計な遠回りを避ける助けになれば嬉しいです。

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