こんにちは、エアコンラボのアキです。
ベランダに出たら室外機の下が濡れていた。ドレンホースの先から水が垂れている。この状態で「エアコン 水漏れ」と検索すると、出てくるのは室内機の水漏れの話ばかりで、しかも「放置は危険」「早めに業者へ」と書いてある。それを読んで不安になった、という状態でここにたどり着いた方が多いと思います。
先に結論をお伝えします。屋外側から水が出ることについて、エアコンメーカーは自社のサポートページで「故障ではありません」と説明しています。室内機から水が漏れているときの案内とは、扱いがはっきり分かれています。この記事では、その各社の原文を並べたうえで、屋外側で例外的に注意が書かれている場面と、ベランダの水で困ったときにメーカーが案内している正規の方法だけを扱います。

屋外側から出る水は、メーカーの分類では「故障ではありません」
まず、屋外の水が各社のサポート情報でどこに置かれているかを確認します。原因の推測よりも先に、これを知っておくと落ち着けます。
5社の原文を並べます
家庭用のルームエアコンについて、室外機から水が出ることを扱ったページを各社から引用します。表現は違いますが、結論はそろっています。
| メーカー | 原文(該当部分) |
|---|---|
| ダイキン | 「故障ではありません。室外機から水が出ることがあります。」 |
| 三菱電機 | 「故障ではありませんが、漏れてお困りの場合は、お買上げの販売店へ排水工事のご相談をお願いします。」 |
| 三菱重工サーマルシステムズ | (「室外機から水が出る(または下が濡れている)」の回答として)「故障ではありません。」 |
| 富士通ゼネラル | 「以下のような場合は故障ではありませんので修理を依頼される前にご確認ください。」 |
| 日立 | 「暖房運転を行うと室外機から水漏れしているようにみえるのは、室外機内部に付着した霜が溶けて排水されたものです。室外機の異常ではありません。」 |
出典は順に、ダイキン「室外機から水が出る(ルームエアコン)」、三菱電機「室外機から水や湯気が出る」、三菱重工サーマルシステムズ「よくあるご質問 ルームエアコン『故障かな?』」、富士通ゼネラル「室外機から水が出る・湯気が出る」、日立「暖房運転時、室外機から水が出ています。」です。いずれも家庭用ルームエアコンのページで、店舗・オフィス用や業務用のものではありません。三菱電機のページには公開日と更新日が表示されており、2015年の公開後、2019年に更新された内容だとわかります。
同じメーカーが、室内機から漏れているときは正反対のことを書いています
おもしろいのは、同じサポートサイトの中で扱いが分かれていることです。ダイキンは「室内機から水が漏れる(ルームエアコン)」では冒頭に「床や壁などの家屋や家具を傷める恐れがありますので、ご使用を控えてください」と書き、屋外側の質問では「故障ではありません」と答えています。三菱重工サーマルシステムズも同じ一覧の中で、「室内機の下面から水がたれる」には「運転を停止し、電源プラグを抜いてからお買い上げの販売店にご相談ください」、「室外機から水が出る(または下が濡れている)」には「故障ではありません」と、続けて正反対の指示を並べています。
富士通ゼネラルにいたっては、取扱説明書の「故障かな?と思ったら」の中に「◆次のような状態は、故障ではありません。」という一覧があり、その中に「室外ユニットから水が出る」が項目として入っています。故障の疑いを晴らす側のリストに載っている、ということです。
この記事は、室内機の水漏れ記事と結論が逆になります
そのため、当ブログの他の水漏れ記事とこの記事は、読者にお願いすることが逆になります。室内の壁掛け機の下が濡れているならエアコンの水漏れが夜だけ起こる理由で扱っている手順どおり、まず運転を止めてください。屋外だけが濡れているなら、この記事の内容で足ります。水を見た場所が室内か屋外かで、読むべき記事も、取るべき行動も変わります。
冷房・除湿のときに屋外側から水が出る理由
屋外の水は、運転モードによって出どころが違います。まず夏側から見ていきます。
室外機の底からにじむのは、冷えた配管やバルブについた水
ダイキンは冷房・除湿(ドライ)運転について「室外機の内部や配管の接続部が冷媒ガスで冷やされて少量の水滴が発生します」と書いています。三菱電機も「配管が冷却されるため、配管やサービスバルブに水滴がつき、この水滴が滴下するためです」と、部位まで踏み込んで説明しています。富士通ゼネラルは「冷えた配管で結露してできた水分が室外機底面から出てくる場合があります」、三菱重工サーマルシステムズは「気温や湿度により内部配管などに結露した水が出てくるもの」としています。
つまり冷房中の室外機まわりの水は、冷えた金属の表面に空気中の水分が付いたもので、コップの外側が濡れるのと同じ現象です。エアコンの内部から水がこぼれているわけではありません。
ドレンホースの先から出ている水は、部屋から出た水
屋外にはもう1本、水の出口があります。室内機から伸びているドレンホースです。三菱電機は冷房・除湿運転時について「室内機で除湿した水を室外に排出するために水が出ます。(この水はドレンホースから出ます)」と、室外機の底からの水と分けて書いています。
ここは混同しやすいところなので整理しておきます。屋外で水が出る場所は次の2種類です。
- 室外機の底面や水抜き穴…冷房時は結露水、暖房時は霜が溶けた水
- ドレンホースの先端…室内機が部屋から取り出した除湿水(冷房・除湿時)
屋外が多量に濡れているとき、ダイキンが挙げているのは2つの可能性
「少量ならわかるけれど、うちはかなり濡れている」という場合について、ダイキンは同じページで「室外機の周辺が多量の水でぬれている場合は、室内機から排出されるドレンホースからの水や、雨水の可能性があります」と説明しています。量が多いことを、いきなり故障の根拠にはしていません。まずドレンホースの水か雨水かを疑うよう促す書き方です。
暖房のときに屋外側から水と湯気が出る理由

冬に室外機の下が濡れる理由は、夏とはまったく別です。
霜取り運転で溶けた霜が、室外機の底のドレン穴から出ます
暖房中、室外機は室内機と役割が入れ替わり、外の空気から熱を集めるために冷たくなります。日立は「外気温度が低下して室外機内部にある熱交換器の温度が0℃以下になると、熱交換器に霜がつくことがあります」とし、霜が多く付くと暖房能力が落ちるため霜取り運転を行い、「霜が溶けて水や蒸気となり、溶けた水は室外機の底面にある『ドレン穴』から排水されます」と説明しています。三菱電機は霜取り運転について「約1時間に1度」実施し、このときに水が流れ出るとしています。
暖房中に定期的に室外機の下が濡れるのは、この周期があるからです。霜取り運転そのものにかかる時間や電気代はエアコンの霜取り運転と電気代でまとめているので、そちらをご覧ください。
白い煙に見えるのも、各社が「故障ではない」としています
霜取り中に湯気が上がって驚いた、という声もよく聞きます。ダイキンは「霜が溶ける時の湯気が白い煙に見えることがあります」、三菱電機は「霜が融ける時に湯気が出たり、湯気が白煙に見えたり」と書いています。富士通ゼネラルは水と湯気を1つのページにまとめ、「室外機の背面・吹出口から湯気」が出るケースを故障ではない側に分類しています。
この水は「洗浄している水」ではありません
最近は室外機の熱交換器を凍らせて洗う機能を載せた機種があるため、「暖房中に出ている水は洗浄している水では?」と考える方もいます。日立はこれを明確に否定していて、「暖房時に室外機から水がでてたりするのは洗浄してるから?」という質問に「洗浄効果はありません。それは寒い日などに、霜取り運転を行って出た水なんです」と答えています。同社は調べた室外機404台の半数近くが汚れていたとしたうえで、「暖房時の水では洗浄に不十分と思われます」と書いています(日立「暖房時に室外機から水がでてたりするのは洗浄してるから?」)。室内機側の内部クリーンと排水の関係はエアコンの内部クリーンと水漏れで扱っています。
屋外側で、メーカーが注意するよう書いていること
ここまでは「正常」の話でした。では屋外側で注意が書かれているのはどこか。公表されている範囲だけを挙げます。
油が混じっているときは、すぐ運転を止める指示があります
三菱重工サーマルシステムズは、室外機の水を「故障ではありません」と説明したすぐ後に、【ご注意ください】として次のように書いています。
「万が一、油が漏れている場合は直ちに運転を停止し、電源プラグを抜いてからお買い上げの販売店にご相談ください。」
今回調べた範囲で、屋外側の症状に対して「直ちに運転を停止」と書かれていたのは、この油のケースだけでした。水の色や量ではなく、油かどうかが線引きになっています。なお、屋外のドレンホースから出る水に色が付いている場合の各社の説明はエアコンの水漏れが茶色いときにまとめてあります。
ドレンホースの先から水が出ないときの見かた
逆に「屋外のドレンホースから水がまったく出ない」ことを心配される方もいます。ダイキンはこれについて「お部屋が冷えていれば、故障ではありません」と答えています。理由として「結露する水の量は、ご利用状況や室内、屋外の温度・しつど、お部屋の気密性や断熱性などの環境により変わります」「空気中に含まれる水分の量が少ない場合や冷やす力が小さい場合には、水分が結露しにくくなりほとんど水がでなかったり、まったくでないこともあります」と説明しています。そのうえで確認項目を2つ挙げています(ダイキン「ドレンホースから水がでない(少ない)(ルームエアコン)」)。
- お部屋は冷えているか(冷えていれば正常、冷えないなら故障の可能性)
- ドレンホースの先端にゴミが詰まったり、たるみができていないか
2つ目は屋外で確認できます。ダイキンは「そのまま放置すると室内機からの水漏れの原因となる場合があります」と付け加えていて、ここが屋外側の点検が室内のトラブル防止につながる数少ない箇所です。ちなみに日立の据付説明書では、ドレンホースの先端は「床面より100mm以上高い位置で切断する」「排水こうに入れない」「持ち上げない」と指定されています。先端が水や土に浸かっていると、そもそも排水されません。ホース自体の規格や交換についてはエアコンのドレンホース交換で扱っています。
凍結して排水できなくなる条件は、据付側で決められています
冬に屋外側で起きうるトラブルとして、各社が共通して挙げているのが凍結です。日立の据付説明書には「寒冷地等で寒さが厳しく積雪等が多いと、熱交換器から出る水がベース表面に凍結し、排水が悪くなることがあります」と明記されています。富士通ゼネラルの据付説明書も、室外ユニットの設置場所の条件として「暖房時のドレン水が排水されても支障のない所。(人の通る場所など、ドレン水が凍結すると問題になる場所への設置は避ける。)」を挙げています。
凍った水を溶かす方法は各社とも読者向けには案内していないため、ここでは書きません。凍結が繰り返し起きるなら、それは運転の問題ではなく設置条件の問題ですので、販売店への相談が近道になります。室外機の据え置きそのものについてはエアコンの室外機をブロックに乗せるときで扱っています。
水の量から原因を決めることはできません
「1時間でこれくらいなら正常」といった量の基準は、今回確認した公式ページのどこにもありませんでした。ダイキン自身が、結露量は室内外の温度・湿度、気密性、断熱性で変わり、ゼロになることもあると書いています。条件でゼロから多量まで動く値を、量だけ見て正常・異常に振り分けることはできません。屋外の水について読者ができる判断は、油が混じっていないかを見ることと、水が出ている場所が室外機の底なのかドレンホースの先端なのかを区別することまでです。
ベランダが濡れて困るときにメーカーが案内している方法

正常だとわかっても、通路が濡れて滑る、階下に垂れるといった実害は残ります。この点についても各社が同じ答えを出しています。
各社共通の答えは「販売店に排水工事を相談」
ダイキンは「室外機から出た水がベランダなどに流れるのがお困りの場合は、ドレンソケットを室外機の排水穴に接続し、その先にドレンホースをつけて排水することができます。排水工事が必要な場合は、お買い上げの販売店にご相談ください」と案内しています。三菱電機は「漏れてお困りの場合は、お買上げの販売店へ排水工事のご相談をお願いします」、富士通ゼネラルは「『ベランダが汚れる』などの支障がある場合はドレン(排水)工事をご依頼ください」、三菱重工サーマルシステムズは「下が濡れてお困りの場合はドレン工事ができますので、お買い上げの販売店にご相談ください」としています。表現は違っても、屋外の水を止めるのではなく、行き先を作るという発想で統一されています。
据付説明書に書かれている室外機側のドレン工事の条件
実際にどんな工事になるのかは、日立のルームエアコン据付説明書(RAS-KD22H形など)の「室外凝縮水処理」に具体的に書かれています。据え付けは専門業者の仕事ですが、何が必要になるかを知っておくと相談しやすくなります。
- 室外機のベースには、地面に凝縮水を排出するための穴が開いている
- 排水口などへ導くときは、平地置台やブロックに載せて地面より100mm以上上げ、外径16mmのドレンパイプを接続する
- 残りの水抜き穴2箇所は、付属のブッシュでふさぐ
- 室外機は水平に据え付け、凝縮水の排水を確認する
この内径の指定は他社でも共通していて、富士通ゼネラルの据付説明書も延長用ドレンホースについて「接続口の内径が16mmのもの」を指定しています。
機種による差もあります。同じ据付説明書には、一部の室外機について「水抜き穴がありません」と注記があり、室外機1台あたりの水抜き穴が0箇所という機種も存在します。日立はFAQでも、ドレン穴の1箇所に付属のドレンパイプを取り付け、その他はブッシュで塞ぐ方法を案内したうえで、「『ドレン穴』の位置や数は、製品により異なり」と書いています。手持ちの機種の説明書を見るのが確実です。
寒冷地では、その工事をしないよう指示されています
ここは重要な例外です。ダイキンは排水工事の案内に「※寒冷地ではドレン水が凍結するため、取り付けできません」と注記しています。三菱電機も「一部の寒冷地では室外機氷結のおそれがあり、工事できない場合があります」としています。日立はさらに踏み込み、「寒冷地では、ドレンパイプ内や室外機の底面で排水された水が凍ってしまい、排水しづらくなることがあります。室外機内部(モーターなど)が凍結し、故障につながる恐れがありますので、ブッシュやドレンパイプを使用しないでください」と書き、据付説明書では寒冷地の場合に水抜き穴と地面との距離を250mm以上確保するよう指示しています。積雪地向けの室外機設置のポイントでは、室外機底面から800mm以上のスペースを空けて排水をよくすること、室外機2台を高置台で上下に置くと上の機の水が下の機を凍らせるため横に並べることも案内されています。
整理すると
温暖な地域…水の行き先が困るなら、販売店にドレン工事を相談できる
寒冷地…同じ工事が凍結の原因になるため、メーカーは取り付けない前提で案内している(日立は水抜き穴と地面の距離を250mm以上確保するよう指示)
エアコンの水漏れが外で起きたときのよくある質問とまとめ
よくある質問(FAQ)
Q1. 室外機の下が濡れているだけで、修理を頼んだほうがいいですか?
A. メーカー各社は室外機から水が出ることを「故障ではありません」と説明しています。富士通ゼネラルは「修理を依頼される前にご確認ください」と、修理の前に読むページとして案内しているほどです。屋外が濡れているだけで修理を手配する必要はありません。
Q2. 冬に室外機から湯気が上がっています。燃えているのでは?
A. 三菱電機は霜取り運転について「霜が融ける時に湯気が出たり、湯気が白煙に見えたり」と書き、故障ではないとしています。日立も熱交換器の温度が0℃以下になると霜が付き、その霜を溶かすときに水や蒸気が出ると説明しています。霜取り運転は約1時間に1度行われるため、冬は繰り返し見かけることになります。
Q3. どのくらいの水量から異常と考えればいいですか?
A. 量で線を引いた記載は、今回確認した公式ページにはありませんでした。ダイキンは多量に濡れている場合について、室内機のドレンホースからの水か雨水の可能性を先に挙げています。量よりも、油が混じっていないか、水が出ている場所はどこかを見てください。
Q4. 運転していないのに室外機の下が濡れています。
A. メーカーは停止中の水について個別に説明していません。ダイキンが挙げている雨水の可能性のほか、直前の運転で出た水が残っていることも考えられます。判断がつかないときは、乾いた日に運転を止めた状態で濡れるかどうかを見てから相談すると、状況を伝えやすくなります。
Q5. 賃貸住宅で室外機の水が通路に流れています。誰に連絡しますか?
A. 各社が案内しているドレン工事は、室外機の排水穴に部材を追加する据付側の作業です。賃貸では設備に手を入れる前に管理会社や大家さんへ連絡し、そのうえで販売店・設置業者に相談する流れになります。寒冷地では工事自体が推奨されていない点も伝えておくとスムーズです。
まとめ
- 室外機から水が出ることを、ダイキン・三菱電機・三菱重工サーマルシステムズ・富士通ゼネラル・日立の5社が「故障ではありません」と説明しています
- 冷房・除湿時は冷えた配管やバルブに付いた結露水、暖房時は霜取り運転で溶けた霜の水で、出どころが違います
- 屋外で水が出る場所は、室外機の底面(水抜き穴)とドレンホースの先端の2種類あります
- 屋外側で「直ちに運転を停止」と書かれていたのは、油が漏れている場合だけでした
- ベランダが濡れて困るなら、販売店に排水(ドレン)工事を相談できます。ただし寒冷地は例外です
屋外の水は、エアコンが仕事をした証拠のようなものです。室内機の下が濡れているときとは扱いが違うということだけ覚えておけば、次に室外機の下の水たまりを見ても慌てずに済むはずです。なお、階下に水が垂れて困っている場合は配管の経路側の話になるので、エアコンの水漏れと二階の設置もあわせてご覧ください。

