エアコンの水漏れは再起動で直る?メーカーの案内を確認しました

エアコンの室内機から水が垂れている様子 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

エアコンから水が垂れてきたとき、「とりあえず電源を入れ直せば直るかも」と考える方は多いと思います。パソコンやWi-Fiルーターが再起動で直った経験があると、同じ感覚で試したくなりますよね。

ただ、その発想は「制御がおかしくなっている」ことを前提にしたものです。水漏れがそれに当てはまるのかどうかを、エアコンメーカー各社が水漏れのページに何と書いているかで確かめてみました。

  • 水漏れに対して再起動を案内しているメーカーがあるかどうか
  • 「電源プラグを抜く」という指示の目的(安全のためか、リセットのためか)
  • メーカーが電源の入れ直しを案内しているのは、どんな症状のときか
  • 再起動後に水漏れが止まったように見えたときの考え方
  • リモコンのリセットと本体の再起動の違い

エアコンの室内機から水が垂れている様子

水漏れに「再起動」を案内しているメーカーは見つかりませんでした

まず結論からお伝えします。ダイキン・三菱電機・日立・富士通ゼネラルの、室内機の水漏れについて書かれたページを読みましたが、「電源を入れ直してください」という手順は、この4社のどのページにも見当たりませんでした。

4社が水漏れのページに書いていること

メーカー 水漏れのページに書かれている指示 再起動の案内
ダイキン 家屋や家具を傷める恐れがあるので使用を控える。屋外のドレンホースから水が排出されているか確認する 記載なし
三菱電機 前面パネルの取り付け、フィルターの汚れ、ドレンホースのつぶれ・持ち上がり、窓や戸の開けっぱなしを確認する 記載なし
日立 いったん使用を控える。故障や事故を防ぐため、スイッチを切りコンセントから電源プラグを抜く 記載なし
富士通ゼネラル 点検項目として挙げ、事故防止のためスイッチを切って差込みプラグを抜き、販売店に相談する 記載なし

4社とも、次に案内しているのは「排水経路とフィルターの確認」か「販売店・修理窓口への相談」です。電源を入れ直して様子を見る、という段階が存在しません。

なぜ再起動の出番がないのか

ダイキンのFAQ「室内機から水が漏れる」は、ドレン水が排水されていない場合について「ドレンホースの先端が植木鉢などの障害物でふさがっていないか確認し、取り除いてください」と書いています。三菱電機のFAQも、確認するのは前面パネルの取り付けやドレンホースのつぶれで、あわせて「高湿(80%以上)で長時間冷房運転をしないでください」と注意しています。

どれも、物がふさいでいる・傾いている・湿度が高すぎる、といったその場の物理的な状態の話です。電源を切って入れ直しても、ホースに詰まったものが動くわけではありませんし、たまった水が減るわけでもありません。メーカーの案内に再起動が出てこないのは、そういう理由だと読み取れます。

「電源プラグを抜く」の目的は、リセットではなく安全の確保

ややこしいのは、水漏れのページにも「電源プラグを抜いてください」という言葉が出てくることです。ただ、その目的は原文にはっきり書かれています。

原文には「事故を防ぐため」と書かれている

日立のFAQ「エアコン(室内機)から水が漏れています。」は、「故障や事故を防ぐため、スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いてください」と書いています。目的が「故障や事故を防ぐため」と明記されていて、リセットのためだとは書かれていません。

富士通ゼネラルの「使用上のご注意」も同じです。「長年ご使用のエアコンの安全上のご注意」の点検項目に「室内ユニットから水漏れする。」を挙げたうえで、「上記のような場合、事故防止のためスイッチを切り、コンセントから差込みプラグを抜いて、必ずお買い上げの販売店に移設・点検・修理をご相談ください」と続きます。

「抜いて挿し直す」と「抜いたままにする」は別の行為

コンセントから電源プラグを抜いている様子

  • 再起動…抜いて、また挿す。目的は制御をやり直させること
  • 安全の確保…抜いて、そのままにする。目的は通電を止めること

日立も富士通ゼネラルも、抜いたあとに「挿し直してください」とは書いていません。富士通ゼネラルはさらに「ご自分での修理・移設は危険な場合がありますので、絶対になさらないでください」と続けています。プラグを抜くところまでは同じでも、そこから先の行き先は再起動ではなく相談窓口だ、ということですね。

水漏れに気づいたあとの応急処置と点検依頼の線引きについては、エアコンの水漏れが夜だけ起きる場合の記事で詳しくまとめています。

メーカーが電源の入れ直しを案内するのはどんなときか

では、再起動という手順がまったく存在しないのかというと、そんなことはありません。案内されている場面はちゃんとあります。

エラーコードが出ているとき

ダイキンの「エラーコードの内容と対処方法」には51種類のコードが並んでいて、そのほとんどに「運転を停止した状態で電源プラグを抜き約1分後、電源を入れて再運転してください」「改善しない場合は、お買い上げの販売店または当社に点検・修理をご依頼ください」と書かれています。

日立の「表示ランプがチカチカと点滅しています。」も、遠隔ランプが5回点滅を繰り返す場合(無線LAN機能が正常に動作していない場合)に限って、「エアコン本体の電源コードの挿し直し、あるいはエアコン単独ブレーカーの入れ直しをお試しいただき」と案内しています。同じページでも、シーズン前自動点検の動作中(約1分間)のように、待てば消える表示は入れ直しの対象になっていません。

共通しているのは「制御や通信の話」であること

  1. 対象がマイコン・基板・通信など、電気的な処理の異常であること
  2. 抜いておく時間の目安が約1分と短いこと
  3. それで改善しなければ点検・修理に進む、と締めくくられていること

制御基板は、電源が切れて内部の電圧が下がりきると、それまで保持していた状態を捨てて初期状態から動き直します。約1分という待ち時間は、この「下がりきる」までを見込んだものです。逆に言えば、リセットで初期化されるのは制御が覚えていた状態だけで、ドレンパンにたまった水やホースの詰まりには何の作用もありません。

ランプ表示やエラーコードそのものの読み方は、エアコンの故障とランプ表示についての記事にまとめています。

再起動したら水漏れが止まったように見えたときは

エアコン室外機のドレンホースと詰まりの様子

ダイキンのFAQには「症状が改善されれば正常です」という一文があります。ただし、これが書かれているのは次の2つの場面だけです。

  • ドレンホースをふさぐ障害物を取り除いて、ホースから水が出るようになった場合
  • エアフィルターのお手入れをしたあとに運転して、症状が消えた場合

そのうえで「障害物がない場合や、取り除いても再び水が漏れる場合」「エアフィルターがきれいな場合や、お手入れ後に再び水が漏れる場合」は点検・修理を依頼するように、と書き分けられています。正常と判断してよいのは、原因に手を入れたうえで症状が消えたときだけです。電源を入れ直しただけで止まったように見えても、確認できた原因は一つもありません。

それに、水漏れの最中は使用を控えるようダイキンも日立も書いています。「止まったかどうか確かめるために運転を続ける」という進め方は、メーカーの案内と逆方向です。なお富士通ゼネラルは、運転を停止してから再び運転を始める場合は3分以上待つように、とも書いています。水が出ている状態でこれを繰り返す意味はありません。

水漏れをそのままにしたときのリスクについては、エアコンの水漏れを無視するとどうなるかの記事を参考にしてください。

リモコンのリセットは本体の再起動とは別物です

もう一つ混同しやすいのが、リモコン側のリセットです。ダイキンの「リモコンが壊れていないか確認したい」では、電池を抜いた状態で[運転/停止]または[停止]ボタンを15秒程長押しすると、リモコンがリセットされると案内されています。

これはリモコンという小さな機器の中身を初期化する操作で、室内機の電源を入れ直すこととは対象がまったく違います。室内機の排水経路には当然関係しません。15秒の長押しも、本体側で案内されている約1分の待ち時間とは別物です。

水漏れと再起動に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 水漏れしたエアコンを再起動してはいけないのですか

A. 今回確認した4社の水漏れのページに、再起動という手順は出てきませんでした。ダイキンと日立は使用を控えるよう書いており、日立と富士通ゼネラルは事故を防ぐためにプラグを抜くよう書いています。案内されていない操作を自己判断で足すより、書かれている確認と相談の順番に沿って進めるのが確実です。

Q2. 電源プラグを抜いてから何分待てばよいですか

A. 約1分という目安は、ダイキンがエラーコードへの対処方法として示している数字です。水漏れに対して示された待ち時間ではありません。水漏れで抜いたプラグは、挿し直す前提のものではないと考えてください。

Q3. 運転を止めたあと、すぐに動かし直しても平気ですか

A. 富士通ゼネラルは「運転を停止し、再び運転を開始する場合は3分以上待ってから行ってください」と案内しています。ただしこれは通常の使い方についての注意で、水漏れの対処法として書かれたものではありません。

Q4. ブレーカーを落として入れ直すのはどうですか

A. 日立がブレーカーの入れ直しを案内しているのは、遠隔ランプが5回点滅する無線LAN機能の不具合に対してです。水漏れのページにその案内はありません。プラグを抜いてもブレーカーを落としても、通電が止まるという結果は同じで、排水経路には作用しません。

まとめ

エアコンの水漏れについて、ダイキン・三菱電機・日立・富士通ゼネラルの案内を確認しましたが、「再起動してください」と書いているメーカーはありませんでした。各社が案内しているのは、使用を控えること、ドレンホースやフィルターを確認すること、そして改善しなければ販売店や修理窓口に相談することです。

「電源プラグを抜く」という指示は出てきますが、日立は「故障や事故を防ぐため」、富士通ゼネラルは「事故防止のため」と目的を明記しており、抜いたあとに挿し直す案内はありません。抜いて挿すのは再起動、抜いたままにするのは安全の確保で、目的が違うわけですね。

約1分の入れ直しが案内されるのはエラーコードが出ているとき、15秒の長押しはリモコンのリセット。どちらも水漏れの手順ではありません。水が出ているときは運転を止めて、原典に沿った確認と相談に進んでください。

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