エアコン工事で筋交いに当たったら?施行令第45条を読む

木造住宅の壁の中にある筋交いのイメージ 故障・トラブル対応

こんにちは、エアコンラボのアキです。

「壁の中に筋交いが入っているので、この位置には穴を開けられません」。エアコンの工事当日、業者さんからそう言われて戸惑った方もいると思います。逆に「少しだけ削れば通りますよ」と言われ、受けていいのか判断がつかなかった、という話もあります。

検索すると「筋交いは切ってはいけない」「耐震性が下がる」と書かれた記事が並びますが、根拠になる条文まで示したものはほとんどありませんでした。そこでこの記事では、建築基準法施行令の条文、国土交通省の技術的助言と標準仕様書、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)だけで答えを出しています。原典に無かったことは、そのまま「確認できなかった」と書きました。

  • 「筋交いを切ってはいけない」と書いてある条文の正確な文言
  • 柱・はり・筋交いで、削ってよい範囲の決まり方がどう違うか
  • 図面がどこに残っているかを法令からたどる方法
  • 「筋交いの間隔」「間柱455mm」に原典があるのかどうか
  1. 「筋交いは切れない」は業者の判断ではなく、政令の条文です
    1. 建築基準法施行令 第45条第4項が、そのまま答えになっている
    2. 柱・はり・筋交いで、削ってよい範囲の決まり方が3段階に分かれている
    3. 国の標準仕様書は「間柱を切り欠いて筋交いを通す」と書いている
  2. 壁の中で当たったのが何かで、答えが変わります
    1. 政令は「構造耐力上主要な部分」に筋交いを名指ししている
    2. 条文に書かれている筋交いの寸法は、3つだけ
    3. 「間柱は455mm間隔」の根拠は、原典で確認できませんでした
  3. 切られたときに動くのは、家の「計算の前提」と「10年の責任」です
    1. 令第46条第1項は「釣合い良く配置しなければならない」と書いている
    2. 2025年4月に、壁量の決まり方そのものが変わりました
    3. 品確法は「斜材(筋かい…)」を10年の担保責任の対象として名指ししている
  4. 図面を手に入れる道筋も、法令に書いてあります
    1. 設計した建築士事務所には、15年間の保存義務があります
    2. 中古で買った家なら、重要事項説明書に「保存の状況」が書かれています
    3. 役所で誰でも見られるのは「建築計画概要書」。構造図は列挙されていません
    4. 壁を自分で探る方法は、この記事では扱いません
  5. 原典で確認できなかったこと、よくある質問、まとめ
    1. 据付説明書が壁の中について書いているのは、1行だけでした
    2. 今回、原典で確認できなかったこと
    3. エアコン工事と筋交いに関するよくある質問(FAQ)
    4. まとめ:条文で言えるのは「削らない」ところまでです

「筋交いは切れない」は業者の判断ではなく、政令の条文です

建築基準法施行令 第45条第4項が、そのまま答えになっている

木造の家の筋交いには、建築基準法施行令の第45条に規定があります。その第4項が、今回いちばん大事な一文です。

「筋かいには、欠込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合において、必要な補強を行つたときは、この限りでない。」
(建築基準法施行令 第45条第4項)

欠込み(かきこみ)は、部材を削って切り欠くことです。条文の例外はひとつだけで、それは筋交いを2本たすき掛けに入れるときの、材どうしの納まりの話です。配管を通すためではありません。

柱・はり・筋交いで、削ってよい範囲の決まり方が3段階に分かれている

同じ施行令の中に、部材ごとに書き方の違う条文が並んでいます。3本を並べると、筋交いの扱いだけが違うと分かります。

部材 条文 欠込みの扱い
令 第43条第4項 「柱の所要断面積の三分の一以上を欠き取る場合においては、その部分を補強しなければならない」(補強すれば欠き取れる)
はり・けたなどの横架材 令 第44条 「その中央部附近の下側に耐力上支障のある欠込みをしてはならない」(位置を名指しした禁止)
筋交い 令 第45条第4項 「欠込みをしてはならない」(原則禁止。例外はたすき掛けの納まりのみ)

柱は割合の条件付き、横架材は位置の条件付きです。筋交いだけが、割合も位置も条件にせず「してはならない」と書かれている。壁の中で筋交いだけ扱いが厳しいのは、この書き分けによります。

国の標準仕様書は「間柱を切り欠いて筋交いを通す」と書いている

国土交通省大臣官房官庁営繕部の「公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版」には、壁の中でぶつかったときにどちらを削るかが書かれていました。

5.6.4 間柱 (3)「筋かいが当たる箇所は、間柱を切り欠き、留付け方法及び接合金物・接合具の種類は、特記による。」
5.6.9 木製筋かい (3)「筋かいが間柱と取り合う部分は、間柱を筋かいの厚さだけ切り欠き、筋かいを通す。」
5.6.9 木製筋かい (4)「断面寸法が幅90mm以上、厚さ90mm以上の筋かいの交差部は、筋かいの一方を通す。」

削られるのは間柱の側で、筋交いは通す側です。これは軸組構法(在来工法)の章ですが、枠組壁工法(いわゆるツーバイフォー)の章にも同じ趣旨の規定があります。7.8.1(1)(ケ)は「筋かいには、欠き込みをしてはならない」、続く(コ)は「たて枠の欠き込み及び穴あけの許容範囲は、特記による」。たて枠は設計図書で穴あけの範囲が決まる部材、筋交いは範囲の話ですらない、という書き分けです。

「筋交いなので位置をずらします」と言われたのは、業者さんが面倒を避けているからではありません。条文と国の仕様書が、そう書いています。

壁の中で当たったのが何かで、答えが変わります

政令は「構造耐力上主要な部分」に筋交いを名指ししている

筋交いが法令上どう位置づけられているかは、施行令の第1条第三号に定義があります。

「構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。」
(建築基準法施行令 第1条第三号)

「斜材」の括弧の中に、筋交いが名指しで入っています。一方の間柱は、令第46条第2項第一号イが「構造耐力上主要な部分である柱及び横架材(間柱、小ばりその他これらに類するものを除く。)」と書き、括弧で外しています。壁の中の木という点では同じでも、条文の側から見ると役割が違う部材です。

条文に書かれている筋交いの寸法は、3つだけ

「筋交いの寸法」として原典で確認できた数字は、第45条第1項と第2項にある次の3つでした。

負担する力 条文が定める材料(第45条)
引張力 厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材、または径9mm以上の鉄筋
圧縮力 厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材
端部の緊結(第3項) 「その両端の端部を、柱又ははりその他の横架材に、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない」。うち一方は柱と横架材との仕口の部分であること

「筋交いプレート」と呼ばれる金物は、この第3項が求める「ボルト、かすがい、くぎその他の金物」にあたります。筋交いと金物はセットで条文の要求を満たしているので、金物だけ外す・ずらすという扱いにはなりません。

なお第1項・第2項には「これらと同等以上に…負担することができる材料として国土交通大臣が定めたもの若しくは国土交通大臣の認定を受けたもの」という一文もあります。国土交通省の技術的助言(国住指第425号・令和7年3月17日)の第3によれば、2025年4月1日施行の改正で加わったもので、K型・多段筋交いも大臣認定を取れば使えます。

「間柱は455mm間隔」の根拠は、原典で確認できませんでした

壁の割り付けとしてよく見かける455mmという数字を探しましたが、条文にも国の標準仕様書にも見つけられませんでした。確認できたのは次の3点です。

  • 5.6.4 間柱 (1)は「樹種名及び断面寸法は、特記による」とだけ書き、間隔の数値を置いていない(特記は工事ごとの設計図書のこと)
  • 10.5.1(3) 外部開口部まわりに限って「間柱の間隔は、500㎜以下とする」
  • 8.9.4(イ) 丸太組構法の内壁下地に限って「胴縁受及び間柱の間隔は、特記がなければ、450mm程度とする」

住宅金融支援機構(フラット35)の住宅工事仕様書のページも見ましたが、公開されていたのは仕様書の入手方法の案内で、間柱の間隔の数値は載っていませんでした。壁の中の割り付けを、記事に書かれた数字で当てにしないでください。

切られたときに動くのは、家の「計算の前提」と「10年の責任」です

令第46条第1項は「釣合い良く配置しなければならない」と書いている

「構造耐力上主要な部分である壁、柱及び横架材を木造とした建築物にあつては、全ての方向の水平力に対して安全であるように、各階の張り間方向及び桁行方向に、それぞれ壁を設け又は筋かいを入れた軸組を釣合い良く配置しなければならない。」
(建築基準法施行令 第46条第1項)

量だけでなく配置のバランスまでが要求です。国土交通省の技術的助言は、この確認を「壁や筋かいが釣り合いよく配置されていることの確認を行ういわゆる四分割法」と呼んでいます。1本抜ければ、その方向・その区画の釣合いが変わります。

2025年4月に、壁量の決まり方そのものが変わりました

この壁量の基準は、2024年4月19日公布・2025年4月1日施行の改正令(令和6年政令第172号)で大きく変わりました。技術的助言と補足資料から読み取れたのは次の内容です。

  • 令第46条第4項にあった軸組の種類と倍率の表は、昭和56年建設省告示第1100号へ移された。告示の名称も「木造の建築物の軸組の構造方法及び設置の基準を定める件」に改められている
  • 「軽い屋根」「重い屋根」の区分は廃止され、必要な壁量は建物の荷重の実態に応じた算定式で求める
  • 壁倍率の上限が5倍から7倍に引き上げられた。ただし9cm角以上の木材の筋交いをたすき掛けに入れた軸組は、これまでと同じ5倍
  • 筋交いを入れた軸組の高さが3.2mを超える場合は、倍率にαh=3.5×Ld/Ho を掛ける(Ldは柱間の距離、Hoは横架材の上端の相互間の垂直距離)
  • 垂れ壁・腰壁などの準耐力壁等も、幅90cm以上といった条件を満たせば壁量に算入できるようになった

細かい話に見えますが、押さえておきたいのは家の耐震性能が「壁と筋交いの長さ×倍率の合計」という数字で管理されている点です。壁の中の1本は、その数字の一部です。

品確法は「斜材(筋かい…)」を10年の担保責任の対象として名指ししている

新しい家では品確法も関わります。第94条第1項は、住宅を新築する請負契約について「注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分…の瑕疵…について…担保の責任を負う」と定め、第2項で「前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする」としています(売買の場合は第95条)。

その「政令で定めるもの」の中身が品確法施行令第5条第1項で、ここにも「基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)」とあります。10年の担保責任の対象部材として、筋交いは名指しされています。

当日その場で「少し削っておきますね」と言われても、了承しないでください。条文上の例外は、たすき掛けの納まりで必要な補強を行った場合に限られています。判断を保留して、位置をずらす案を出してもらうのが先です。

図面を手に入れる道筋も、法令に書いてあります

設計した建築士事務所には、15年間の保存義務があります

「構造の図面なんて持っていない」という方がほとんどだと思います。ただ、図面がどこに残っているかは法令で決まっていました。建築士法第24条の4第2項を受けた建築士法施行規則第21条が、保存すべき図書を挙げています。

第4項第一号イ「配置図、各階平面図、二面以上の立面図、二面以上の断面図、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図及び構造詳細図」
同 ハ「当該設計が建築基準法施行令第四十六条第四項…の規定の適用を受ける建築物の設計である場合にあつては当該各項の規定に…適合することを確認できる図書」
第5項「建築士事務所の開設者は、…図書を作成した日…から起算して十五年間当該図書を保存しなければならない。」

令第46条第4項の適用を受けるのは「階数が二以上又は延べ面積が五十平方メートルを超える木造の建築物」なので、たいていの木造住宅が当てはまります。つまり壁量の適合を確認できる図書が、設計した事務所の保存対象になっているということです。その事務所や工務店が今も営業していれば、問い合わせるのが近道です。ただし現行の規定なので、古い家では15年が過ぎていることもあります。

中古で買った家なら、重要事項説明書に「保存の状況」が書かれています

中古住宅を購入した方は、契約のときに受け取った重要事項説明書を見返してみてください。宅地建物取引業法第35条第1項第六号の2は、説明すべき事項として次の2つを挙げています。

  • イ「建物状況調査…を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要」
  • ロ「設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況

図面が手元になくても、誰が持っているのか(あるいは残っていないのか)の手掛かりが、この書面にある可能性があります。

役所で誰でも見られるのは「建築計画概要書」。構造図は列挙されていません

「役所に行けば図面が見られる」という説明も見かけますが、こちらは原典と食い違いました。建築基準法第93条の2を受けた建築基準法施行規則第11条の3第1項が閲覧の対象として挙げているのは、建築計画概要書や築造計画概要書など8つの書類で、構造詳細図や軸組図は入っていません。

同条第2項は、これらを「当該建築物が滅失し、又は除却されるまで」閲覧に供すると定めているので、古い家でも概要は残っています。ただ、そこから筋交いの位置が分かるとは書けませんでした。

壁を自分で探る方法は、この記事では扱いません

壁ぎわの床に伸ばした巻尺

下地センサーの使い方やコンセントカバーを外す手順を書いた記事もありますが、この記事では扱いません。理由は3つです。

  • 第45条が問題にしているのは、材の種類・寸法・端部の緊結(第1項〜第3項)まで含めた状態です。壁の外から「木がある」と分かっても、筋交いなのか間柱なのか、どの向きに走っているのかまでは決まりません
  • 第46条第1項の「釣合い良く配置」は家全体の話で、1か所の当たりはずれで結論は出ません
  • コンセントやスイッチのカバーを外す行為は、電気工事の資格の線引きに踏み込みます(エアコン工事のDIYと法令の記事)

代わりに、依頼のときにそろえておくと話が早い情報を挙げておきます。

  • 建てた年(または着工の年)と、木造かどうか
  • 設計した建築士事務所・工務店の名前(15年の保存義務の相手になります)
  • 中古で買ったなら、購入時の重要事項説明書
  • 室内機を付けたい壁の、窓・柱・コンセントからの距離(室内機まわりに必要な余白の記事)
  • その壁の反対側(屋外側)に室外機を置けるかどうか

原典で確認できなかったこと、よくある質問、まとめ

据付説明書が壁の中について書いているのは、1行だけでした

メーカーの据付説明書も4本読み直しましたが、壁の中について書かれていたのは次の1行だけでした。

「・据え付けは、壁内の構造物を利用して重量に十分耐えられるよう行ってください。」
(富士通ゼネラル、アイリスオーヤマの据付説明書に同じ記載)

これは室内機を掛ける据付板の固定の話で、穴をどこに開けるかの指定ではありません。読んだ4本の据付説明書に「筋かい」「間柱」という語は出てきませんでした。穴の位置と構造材の関係は、メーカーの説明書には書かれていないのが結論です。穴の寸法や外壁側の処理は外壁の記事、土壁・砂壁への据付板の固定は和室のエアコンの記事で扱っています。

今回、原典で確認できなかったこと

よく書かれていること 調べた結果
筋交いは90cm〜180cm間隔で入っている 間隔を定めた条文・告示・国の仕様書は見つからなかった。令第46条第1項は「釣合い良く配置」としか書いていない
位置を30cm〜50cmずらせば避けられる ずらす幅の目安を示した一次情報は無かった。旧版にあった表は削除した
間柱は455mm間隔 公共建築木造工事標準仕様書は間柱の間隔を「特記による」とし、数値があるのは建具回り(500mm以下)と丸太組構法の内壁下地(450mm程度)だけ
窓やドアの上には筋交いが入らない 開口部と筋交いの関係を定めた条文は見つからなかった
業者が壁内センサーで無料調査してくれる 調査の有無や費用を公表した資料が見つからず、金額は書いていない
筋交いを1本切ると耐震性が何%下がる 低下の程度を数値で示した一次情報は無かった
筋交いを切ると建築基準法違反になる 違反かどうかは建物ごとの適合状況で決まり、断定できる資料は無い。言えるのは令第45条第4項の欠込み禁止まで

令和6年国土交通省告示第447号の本文PDFは、あとから全文を読み直しました。本文にも別表にも「455」は1か所も出てきません。間柱が出てくるのはくぎを打つ間隔の規定などで、間柱そのものの間隔を定めた条文はありませんでした。住宅金融普及協会の「木造住宅工事共通仕様書」のPDFは全ページが画像で、文字を取り出せません。原文の保証ができないため内容は参照していません。

エアコン工事と筋交いに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 「少しだけ削れば通ります」と言われました。断ってよいですか?

A. 条文は「筋かいには、欠込みをしてはならない」と書き、例外をたすき掛けにするためやむを得ない場合の補強に限っています(令第45条第4項)。配管を通すためという例外はありません。その場で了承せず、位置をずらす案を出してもらってください。

Q2. 当たったのが間柱なら、切ってもよいのですか?

A. 施行令に間柱の欠込みを直接禁じる条文はありません。国土交通省の公共建築木造工事標準仕様書も、筋交いと当たる箇所では間柱の側を切り欠くと書いています(5.6.4(3)・5.6.9(3))。ただし間柱は壁の下地を支える部材で、どこまで切ってよいかは施工側が判断することです。読者が自分で決めたり、自分で切ったりする話ではありません。

Q3. ツーバイフォーの家でも筋交いの話は出ますか?

A. 公共建築木造工事標準仕様書の枠組壁工法の節にも「筋かいには、欠き込みをしてはならない」という規定があります(7.8.1(1)(ケ))。工法が違っても、筋交いの扱いは変わりません。

Q4. 筋交いプレートという金物が付いていると言われました

A. 令第45条第3項は、筋交いの両端の端部を「ボルト、かすがい、くぎその他の金物」で柱又ははりその他の横架材に緊結することを求め、そのうち一方は柱と横架材との仕口の部分でなければならないとしています。金物は筋交いと一体でこの要求を満たしている部分なので、金物だけ外す・ずらすという扱いにはなりません。

Q5. 位置をずらすと、追加費用はいくらかかりますか?

A. 配管が延びたときの追加料金を公表している一次情報は、今回見つけられませんでした。標準工事に何が含まれるかは販売店ごとに公表されているので、そこと突き合わせて見積もりを取ってください。相場としての金額をこの記事に書くことはしません(誰が施工するかについては施工不良と相談先の記事)。

まとめ:条文で言えるのは「削らない」ところまでです

  • 建築基準法施行令 第45条第4項「筋かいには、欠込みをしてはならない」。例外はたすき掛けの納まりだけで、配管のための例外はない
  • 柱は断面積の三分の一以上を欠き取るなら補強(令第43条第4項)、横架材は中央部附近の下側が禁止(令第44条)。筋交いだけ条件なしの禁止
  • 公共建築木造工事標準仕様書は「間柱を筋かいの厚さだけ切り欠き、筋かいを通す」。削られるのは間柱の側
  • 筋交いは施行令第1条第三号の「斜材」で、品確法施行令第5条第1項でも10年の担保責任の対象として名指しされている
  • 図面は設計した建築士事務所に15年間の保存義務がある(建築士法施行規則第21条)。役所で閲覧できるのは建築計画概要書までで、構造図は列挙されていない
  • 筋交いの間隔、ずらす幅の目安、間柱455mm、窓上には入らないという説は、いずれも原典で裏が取れなかった

壁の中は見えませんが、「何が優先される部材なのか」は条文と国の仕様書にはっきり書かれていました。当日その場で判断を迫られたら、削るのではなく位置をずらす方向で相談してみてください。

参照した一次情報:
建築基準法施行令/
建築基準法/
同 施行規則/
建築士法/
同 施行規則/
品確法/
同 施行令/
宅建業法/
公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版/
同 掲載ページ/
国住指第425号/
壁量等の基準の補足資料/
同 国交省ページ/
富士通ゼネラル 据付説明書/
アイリスオーヤマ 据付説明書/
フラット35 住宅工事仕様書

タイトルとURLをコピーしました