エアコンの水漏れ|メーカー6社が示す確認の順番を並べました

こんにちは、エアコンラボのアキです。

エアコンから水が落ちてきたとき、まず知りたいのは「原因は何か」だと思います。ところが調べてみると、メーカーは症状から原因を当てる方法を書いていません。書いてあるのは、確認する項目とその順番でした。

この記事では、日立・ダイキン・三菱電機・富士通ゼネラル・パナソニック・コロナの6社と日本冷凍空調工業会が公表している内容を並べます。原因を当てにいくのではなく、やることの順番を決めるための地図です。

  • 水が落ちているときに、メーカーが最初に案内している行動
  • 6社が示している確認項目と、社によって違う部分
  • よく見かける「原因の約8割は」という数字の出どころ
  • 自分で確認できる範囲と、そこから先の相談先
  1. エアコンの水漏れで、まずやるよう案内されていること
    1. 使用を控える、と書かれています
    2. 業界団体は「使用を中止する症状」に入れています
    3. 受け止めるものについて書かれていること
  2. メーカー6社が示す、エアコンの水漏れの確認項目
    1. 日立が示している順番
    2. ダイキンが挙げている項目
    3. 三菱電機は項目が4つあります
    4. 富士通ゼネラルとパナソニックは別の項目を挙げています
    5. コロナは換気と施工を確認項目に入れています
    6. 6社そろっているのはドレンホースだけです
    7. 自分の機種の説明書が最優先です
  3. なぜエアコンの水漏れでドレンホースが最初に来るのか
    1. ドレン水はポンプではなく重力で流れています
    2. 据付説明書に書かれている寸法
    3. 2社の据付説明書で、ドレンの指定を比べました
    4. だから「外で水が出ているか」を見るのが早いのです
  4. エアコンの水漏れで、原因は症状から絞り込めるのか
    1. 6社とも症状と原因の対応を示していません
    2. 「原因の約8割はドレンホース」という数字について
    3. メーカーが案内していない操作もあります
  5. 確認しても解消しないときの相談先
    1. 各社が挙げている窓口
    2. 相談するときに手元にあるとよいもの
    3. 室外機まわりも同じ経路の一部です
    4. 費用や保証の話は別の記事にあります
  6. エアコンの水漏れで、この記事が扱わなかったこと
    1. 状況別の細かい話
    2. 配管や設置に関わる話
    3. この記事の限界
    4. エアコンの水漏れに関するよくある質問(FAQ)
    5. まとめ:エアコンの水漏れは順番で考える

エアコンの水漏れで、まずやるよう案内されていること

原因を探す前に、各社が先に書いていることがあります。ここを飛ばして原因調べに入ると、順番が逆になります。

使用を控える、と書かれています

ダイキンの室内機から水が漏れる場合のFAQには、「床や壁などの家屋や家具を傷める恐れがありますので、ご使用を控えてください」とあります。

日立の同様のページも「水漏れをしたまま使用を続けると、家の壁や家具などを傷めてしまう恐れがあります。」と書いたうえで、「スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いてください。」と続けています。運転を止めるだけでなく、プラグまで抜くという案内ですね。

業界団体は「使用を中止する症状」に入れています

もう一段上の位置づけもあります。日本冷凍空調工業会の安全に使うための案内は、「下記のような症状のときは、使用を中止の上、お買い上げの販売店またはメーカーにご相談ください。」という一覧を持っていて、そこに「室内機から水漏れがする」が入っています。

つまり水漏れは、業界団体の分類では「相談すべき症状」なんです。自分で直すことを前提にした話ではない、という位置づけになります。

順番の話です

この記事はこのあと確認項目を紹介しますが、それは「自分で直すため」ではありません。相談するときに何を伝えられるかが変わるからです。各社とも、確認したうえで解消しなければ販売店やメーカーへ、という流れで書かれています。

受け止めるものについて書かれていること

水が落ちている最中にどうするか。ここは各社の記述が薄い部分です。バケツや雑巾で受ける話はありますが、道具の指定まではされていません。詳しくは水漏れをバケツで受けてよいのかを原典で確認した記事にまとめています。

この記事で言えるのは、受けることは応急であって対処ではないということまでです。

メーカー6社が示す、エアコンの水漏れの確認項目

ここが本題です。6社が挙げている項目を、そのまま並べます。

日立が示している順番

日立のページは、確認を3段階に分けています。①「ドレンホースを確認する」②「エアフィルターをお手入れする」③「吹き出し口以外から水漏れしている場合」。

ドレンホースが先に来ているのが特徴です。排水の出口から見るという順番になっています。

ダイキンが挙げている項目

ダイキンは項目の形で書いています。「ドレンホースの先端が植木鉢などの障害物でふさがっていないか」「ドレンホースの中などの排水経路の詰まりや折れ曲がり」「室内機のエアフィルターの汚れ」。

そのうえで確認方法として「屋外のドレンホースから水が排出されているかをご確認ください」と書いています。水が出ているかどうかを外で見る、というのは自分でできる範囲としてわかりやすいですね。

三菱電機は項目が4つあります

三菱電機の室内機から水が漏れる場合のFAQは、質問の形で4つ並べています。「①前面パネルがしっかり取付けられていますか?②フィルターが極端に汚れていませんか?③室内機から室外に排水するドレンホースの先端がつぶれたり、持ち上がったりしていませんか?④窓や戸が開けっぱなしになっていませんか?」

①の前面パネルと④の窓や戸は、他の2社には出てこない項目です。さらに三菱電機は「高湿(80%以上)で長時間冷房運転をしないでください」という数値つきの注意も書いています。

富士通ゼネラルとパナソニックは別の項目を挙げています

さらに2社を見ると、視点が少し違いました。富士通ゼネラルの使用上のご注意は「室内機内部にゴミやホコリがたまって、除湿水の排水経路を詰まらせ室内機から水たれを発生させることがあります」と書いています。加えて「架台(置き台)や吊り下げなどの取り付け部品が腐食していたり、取り付けがゆるんでいる。」という、設置側の状態にも触れています。

パナソニックのエアコンのトラブル解決ページは配管まわりに寄っていて、「配管パイプを取り付ける際は水が伝わりにくいよう、傾斜をつける必要がありますが、これが十分でない」「断熱材やテープが経年劣化などで破損すると、雨天時などに隙間から水が入り込む」「ドレンホースが詰まるとうまく排水できず、水漏れに繋がる」の3つを挙げています。エアコンの耐用年数について「およそ10年〜13年」という数値も出しています。

コロナは換気と施工を確認項目に入れています

6社目としてコロナの「室内機から水漏れ、自分で点検できる個所はありますか」を見ると、また違う項目が出てきました。「フィルターが汚れている場合は掃除をしてください」「室内機からドレン水を排出するドレンホースの先端がつぶれたり、詰まりがないか確認をしてください」に加えて、「吸気口が開いているか確認してください」とあります。

理由も書かれていて、「気密性の高い家で、吸気口を閉じたまま排気のみしている場合、水漏れが発生することがあります」。三菱電機の「窓や戸が開けっぱなし」とは逆方向の話ですね。閉めすぎても、開けっぱなしでも起きうるということになります。

もうひとつコロナだけが明記しているのが施工の可能性です。「取付後すぐの場合は、施工が原因の可能性もあります。販売店・施工店様へご相談してください」。相談先も販売店とコロナサービスセンター(0120-919-302、携帯からは0570-550-992)を示しています。

6社そろっているのはドレンホースだけです

6社分を並べてみると、共通部分は思ったより狭いことが分かります。

確認項目 日立 ダイキン 三菱電機 富士通ゼネラル パナソニック コロナ
ドレンホース(詰まり・折れ・先端)
エアフィルター・内部の汚れ
前面パネルの取り付け
窓や戸の開けっぱなし
高湿(80%以上)での長時間冷房
吸気口が開いているか(気密住宅)
取付直後なら施工の可能性
架台・取り付け部品の腐食やゆるみ
配管の傾斜が足りない
断熱材・テープの経年劣化

6社すべてに出てくるのはドレンホースの1項目だけでした。フィルターや内部の汚れは5社、残りの8項目はそれぞれ1社だけが挙げています。10項目のうち6社一致は1項目、つまり一致率は10分の1です。どれかが間違っているという話ではなく、案内の粒度と着眼点が社によって違うということですね。

なおシャープにも故障診断ナビという診断ページがありますが、今回は本文が文字化けして判読できなかったため、この表には入れていません。東芝も検証用の取得で応答が得られず、確認できていません。

この違いは、自分でできることの範囲にも関わってきます。ドレンホースとフィルターは道具なしで見られますが、配管の傾斜や架台の腐食は設置の話なので、見て分かっても自分では直せません。

自分の機種の説明書が最優先です

この表は6社の公開ページを並べたものであって、すべてのメーカーを網羅したものではありません。シャープと東芝は上に書いたとおり確認できていないので、「メーカーはみんなこう書いている」とは言えません。

お使いの機種の取扱説明書に水漏れの項があれば、そちらが優先です。型番で検索すれば、たいていメーカーのサイトでPDFが公開されています

なぜエアコンの水漏れでドレンホースが最初に来るのか

6社すべてが挙げていた唯一の項目がドレンホースでした。なぜそこが最初なのか。据付説明書を読むと、構造の側に理由が書かれています。

ドレン水はポンプではなく重力で流れています

日立の据付説明書(RAS-KD22Hほか)には、室内機の据え付けについてこう書かれています。「室内機を据え付ける際は、必ず水平または、ドレンホースを取り付ける側を若干下に傾けて据付板を固定する」。

そして続けて、「ドレンホースを取り付ける側を上方に傾けて据え付けた場合、水漏れとなるおそれがありますのでご注意ください。」とあります。傾きが逆だと水が漏れる、と明記されているわけです。電気で水を押し出しているのではなく、傾きだけで流しているということですね。

据付説明書に書かれている寸法

同じ説明書には、排水にかかわる数値がいくつも並んでいます。工事をする人向けの資料ですが、なぜドレンホースが要注意なのかを理解する材料になります。

項目 据付説明書の記載
ドレンホースの内径 断熱付ドレンホースの接続は内径16mm
壁の穴 φ65mmの穴を「外側に下がり気味に」あける
室内機と室外機の高低差 10m以内
室内機の上方スペース 50mm以上
室内機の側方スペース 100mm以上(サービス性を考慮)
室内機とテレビ・ラジオ 1m以上離す

壁の穴まで「外側に下がり気味に」と指定されています。室内機の傾き・壁の穴の角度・ホースの取り回しが全部つながって経路が成立しているということです。1か所でも上を向けば水は行き場を失います。

2社の据付説明書で、ドレンの指定を比べました

日立だけでなく、三菱電機の据付工事説明書にも同じ趣旨の指定がありました。並べるとこうなります。

項目 日立(RAS-KD22Hほか) 三菱電機
延長ドレンホースの内径 内径16mm 内径16mm(軟質塩ビホースは内径15mm、硬質塩ビ管はVP30)
ホースの取り回し ドレンホース側を若干下に傾けて固定 ドレンホースが持ち上がらないよう注意/配管の下にしてテーピング
内外接続電線 Fケーブル(接続部の露出は5mm以下) VVFケーブル3芯φ2.0mm
配管の断熱材 耐熱発泡ポリエチレン 比重0.045・肉厚8mm以上 比重0.045以下・肉厚8mm以上
使ってはいけない配管 薄肉管(肉厚0.7mmなど)は使用しない 記載を確認していない
冷媒配管の材質 リン脱酸銅 C1220T JISH3300(付着油量40mg/10m以下) 記載を確認していない
配管の曲げ 曲げ始めを壁穴範囲(Φ65)に納める 曲げ回数は3往復以内
施工後の確認 排水工事は据付説明書にしたがい確実に排水する 水を流してドレン排水を確認したか

2社とも延長時の内径が16mm、断熱材の比重が0.045、肉厚が8mm以上でそろっているのが分かります。規格として共通の部分は、社が違ってもきちんと一致しますね。

一方で書きぶりの細かさは違いました。三菱電機は「ドレンホースは配管の下にしてテーピング」という取り回しまで指定しています。冷媒配管とドレンホースを束ねるとき、ドレンが上に来ると水が流れにくくなるからでしょうね。日立のほうは配管の材質と肉厚の指定が細かく、薄肉管(肉厚0.7mmなど)を使わないよう明記していました。

それから三菱電機の施工チェックリストに「水を流してドレン排水を確認しましたか?」という項目があるのが目を引きました。工事の最後に実際に水を流して確かめることになっているわけです。取付直後の水漏れについて、コロナが「施工が原因の可能性もあります」と書いているのとつながります。

この2社の説明書から、ドレンにかかわる指定を拾い出すとこうなります。いずれも工事をする人向けの数値ですが、どこが効いているのかを知る手がかりになります。

  • 延長ドレンホースの内径は16mm(2社で一致)
  • 軟質塩ビホースなら内径15mm、硬質塩ビ管ならVP30(三菱電機)
  • 断熱材は比重0.045・肉厚8mm以上(2社で一致)
  • 壁穴はφ65mmで、外側に下がり気味にあける(日立)
  • 室内機と室外機の高低差は10m以内(日立)
  • 冷媒配管の曲げ回数は3往復以内(三菱電機)

数字が並ぶと工事の話に見えますが、要するに水が下へ流れ続ける形を保つための条件です。どれか1つが崩れると、室内機の中で水があふれます。

だから「外で水が出ているか」を見るのが早いのです

ダイキンが「屋外のドレンホースから水が排出されているかをご確認ください」と書いているのは、この構造の出口を見ているからだと思います。冷房中に室内機が結露水を作っていれば、正常なら外に水が落ちてきます。

出ていなければ経路のどこかで止まっている。出ているのに室内も濡れているなら、経路以外の可能性が残ります。分解せずに切り分けられる数少ない方法です。

◆アキのワンポイントアドバイス

私はエアコンの制御ソフトを書く仕事をしています。その立場から言うと、水の流れは制御でどうにかなる部分ではありません。センサーで室温や湿度は読めても、ドレンの詰まりを検知する仕組みは持っていないのが普通です。だから「エラーが出ないから大丈夫」とは言えないんですよ。据付説明書が傾きの向きまで指定しているのは、そこを機械が補えないからだと思います。

エアコンの水漏れで、原因は症状から絞り込めるのか

ここが今回いちばん確かめたかった論点です。結論から言うと、絞り込む方法は書かれていませんでした。

6社とも症状と原因の対応を示していません

日立・ダイキン・三菱電機・富士通ゼネラル・パナソニック・コロナの6ページを読みましたが、「こういう漏れ方ならこの原因」という対応関係は、どのページにもありませんでした。あるのは確認項目と、その順番だけです。パナソニックにいたっては、原因の特定はプロの判断が必要という書き方をしています。

これは考えてみれば当然かもしれません。同じ「ぽたぽた落ちる」という症状でも、次のどれからでも起こりえます。

  • ドレンホースの詰まりや折れ曲がり(6社が挙げている)
  • エアフィルターや内部の汚れ(5社が挙げている)
  • 前面パネルの取り付けのゆるみ(三菱電機)
  • 架台や取り付け部品の腐食(富士通ゼネラル)
  • 配管の傾斜不足や断熱材の劣化(パナソニック)
  • 窓や戸の開けっぱなし、高湿での長時間冷房(三菱電機)

落ち方は同じでも、入り口が6通りあるわけです。5社の記載を足し合わせると確認項目は8つになり、そのうち2つは設置工事の側の話でした。症状の側から原因を1つに決められる構造になっていないのだと思います。だから各社は原因当てではなく、確認の順番を示しているのでしょうね。

「原因の約8割はドレンホース」という数字について

検索すると、原因の割合を示した記述をよく見かけます。「水漏れ原因の約8割はドレンホースの排水不良」といった形です。

今回確認したメーカー6社と日本冷凍空調工業会の7者には、原因別の割合を示す数値はありませんでした。もちろん私が確認していない資料に存在する可能性はあります。ただ、少なくともこの4者を根拠にした数字ではない、ということになります。

メーカーが案内していない操作もあります

もうひとつ気になったのが、対処法として紹介されている操作です。掃除機でドレンホースのゴミを吸い出す、市販のドレンホースクリーナーを使う、ドレンパンを取り外して掃除する。こうした方法が対処として挙げられています。

今回確認した6社のページには、これらの操作の案内はありませんでした。ドレンホースの中を掃除する道具についても同様です。この論点はドレンホースのヘドロを自分で取ってよいのかを扱った記事で詳しく確認しています。

確認しても解消しないときの相談先

確認項目を見ても水が止まらない。そこから先の話です。

各社が挙げている窓口

相談先はどこもよく似ていました。まとめるとこうなります。

発信元 案内している相談先
日立 お買い上げの販売店 / 修理相談窓口 / Web修理のお申し込み
ダイキン お買い上げの販売店、または当社に点検・修理を依頼
三菱電機 お買上げの販売店 / 三菱電機修理窓口 / 三菱電機修理受付センター
富士通ゼネラル お買い上げの販売店 / 当社サービス窓口 / 当社コールセンター
パナソニック エアコン修理業者 / メーカーのカスタマーセンター / 購入した店舗の長期保証
日本冷凍空調工業会 お買い上げの販売店またはメーカー

6者のうち5者が「販売店」を先に置いています。買った店が分かるなら、そこから始めるのが各社の想定する流れですね。パナソニックだけは修理業者を先に挙げつつ、購入店舗の長期保証にも触れています。

富士通ゼネラルは相談の前段として「事故防止のためスイッチを切り、コンセントから差込みプラグを抜いて、必ずお買い上げの販売店に移設・点検・修理をご相談ください。」と書いていて、日立と同じくプラグを抜くところまで案内しています。

相談するときに手元にあるとよいもの

連絡する前に、次のことを書き留めておくと話が早く進みます。いずれも確認項目を見た時点で分かることです。

  • いつから漏れているか(今日からか、前のシーズンからか)
  • どこから落ちているか(吹き出し口か、本体の端か、それ以外か)
  • 屋外のドレンホースから水が出ているかどうか
  • フィルターの汚れ具合と、掃除したかどうか
  • 運転の種類(冷房か、暖房か、除湿か)
  • 型番(本体側面か前面パネルの内側に貼ってあります)

日立が確認の3段階目に「吹き出し口以外から水漏れしている場合」を置いているとおり、漏れている場所は切り分けの材料になります。写真を撮っておくのも有効だと思いますよ。

室外機まわりも同じ経路の一部です

室内機だけでなく、室外機の設置条件にもドレン水の話が出てきます。日立の据付説明書は室外機を置く場所の条件として「排出されたドレン水が流れても問題のないところ」を挙げています。暖房のときは室外機側から水が出るので、その水の行き先まで含めて設置されているわけです。

同じ説明書には室外機まわりの寸法も指定されています。背面側は100mm以上、上方は300mm以上、前面は200mm以上あけるといった具合です。アース工事についても、別売のアース棒の長さが900mmと書かれていました。

ここまで来ると自分で直せる範囲ではありませんが、室外機のまわりに物を置いた覚えがあるかどうかは伝える価値のある情報です。

費用や保証の話は別の記事にあります

修理を頼むといくらかかるのか、保証は使えるのか。これらは金額や契約の話になるので、この記事では扱いません。メーカー5社が公表している水漏れの修理料金は水漏れ修理を誰に頼むかと料金を調べた記事にまとめています。

本体の保証と工事の保証で窓口が分かれる点についても、別途扱っています。新しいエアコンなのに漏れる場合は、そちらを先に読むほうが早いかもしれません。

エアコンの水漏れで、この記事が扱わなかったこと

最後に、範囲の外に置いた論点を書いておきます。どれも別の記事があります。

状況別の細かい話

「夜だけ漏れる」「毎年繰り返す」「使っていないのに漏れる」といった条件つきの疑問は、それぞれ別記事で原典を当たっています。共通しているのは、条件から原因を絞り込む記述がメーカー側に無いという結論です。

水の色や、ヘドロ状の汚れについても同様に個別の記事があります。色から原因を特定できるかという問いにも、原典の範囲で答えを出しています。

配管や設置に関わる話

配管カバー、隠蔽配管、二階からの漏れ。これらは設置の条件が絡むので、確認できる範囲が変わります。とくに隠蔽配管は自分で見られる部分がほとんどありません。

私の業務はエアコンの組込みソフトウェア開発なので、施工の実務は範囲外です。これらの記事も、体験ではなく施工要領書などの原典に基づいて書いています。

この記事の限界

正直に書いておくと、今回一次情報として確認できたのは7者です。日立・ダイキン・三菱電機・富士通ゼネラル・パナソニック・コロナの6社と、日本冷凍空調工業会。シャープは診断ページが文字化けし、東芝は応答が得られず、いずれも確認できていません。

また上位に出てくる記事については、検索結果に表示された要約までは読めましたが、各記事の本文を個別に取得できていません。「上位記事が書いていない」という言い方は、この記事では避けています。

エアコンの水漏れに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 水漏れしていても、運転を続けて大丈夫ですか?

A. 各社とも続けないよう案内しています。ダイキンは「床や壁などの家屋や家具を傷める恐れがありますので、ご使用を控えてください」、日立は「スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いてください。」と書いています。日本冷凍空調工業会も「室内機から水漏れがする」を、使用を中止して相談すべき症状の一覧に入れています。バケツで受けながら使い続けるのは、この案内とは逆の方向になります。

Q2. 水漏れの原因は、症状から見分けられませんか?

A. 今回確認した6社のページには、「こういう漏れ方ならこの原因」という対応関係は書かれていませんでした。3社が示しているのは確認する項目と、その順番です。同じ漏れ方でも複数の原因がありえるので、症状の側から1つに決められる構造になっていない、ということだと思います。原因を当てにいくより、確認項目を順番に見るほうが確実です。

Q3. ドレンホースを掃除機で吸ってもいいですか?

A. 今回確認した6社のページに、その操作の案内はありませんでした。市販のドレンホースクリーナーやドレンパンの取り外しについても同様です。「書いていない」は「やってはいけない」と同じではありませんが、少なくともメーカーが案内している方法ではありません。ドレンホースの中の汚れについては別記事で詳しく扱っているので、そちらを確認してみてください。

Q4. 窓を開けていると水漏れするというのは本当ですか?

A. 三菱電機は確認項目の4つ目に「窓や戸が開けっぱなしになっていませんか?」を入れています。さらに「高湿(80%以上)で長時間冷房運転をしないでください」という数値つきの注意も書いています。ただしこれを確認項目に挙げているのは、今回見た6社のうち三菱電機だけでした。日立とダイキンのページには出てきません。社によって案内の粒度が違う部分です。

Q5. まず誰に連絡すればいいですか?

A. 各社とも「お買い上げの販売店」を先に挙げています。日立は販売店に加えて修理相談窓口とWeb修理の申し込み、ダイキンは「お買い上げの販売店、または当社に点検・修理をご依頼ください」、三菱電機は販売店と修理窓口・修理受付センターです。買った店が分からない場合は、メーカーの修理窓口に直接という流れになります。連絡する前に、いつから・どこから漏れているか、屋外のドレンホースから水が出ているかを控えておくと話が早いです。

まとめ:エアコンの水漏れは順番で考える

今回は6社と日本冷凍空調工業会、合わせて7者の記載を並べました。確認項目は全部で10項目ありました。分かったのは、メーカーは症状から原因を当てる方法を示していないということです。示しているのは、使用を控えることと、確認する項目の順番でした。

確認項目で6社がそろっているのはドレンホースの1つだけで、エアフィルターや内部の汚れが5社。三菱電機はそこに前面パネル、窓や戸、高湿(80%以上)での長時間冷房を加えています。よく見かける「原因の約8割は」という割合や、掃除機での吸い出しといった操作は、今回確認した4者には見当たりませんでした。

水が落ちているときは、まず止めてプラグを抜く。それから外に出てドレンホースから水が出ているかを見る。その2つが済んでいれば、販売店に連絡したときの話がずいぶん具体的になります。あなたのエアコンは今、どこから水が落ちていますか。

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