エアコンの空気清浄機能の電気代|メーカー公表値で1時間・1年を計算

エアコンの空気清浄機能をイメージした室内機の写真 節電・電気代

こんにちは、エアコンラボのアキです。

花粉やハウスダストが気になる季節、エアコンの空気清浄機能をずっとオンにしておきたくなりますよね。ただ、いざつけっぱなしにしようとすると「電気代がどれくらい増えるんだろう」と気になって、ためらってしまう方も多いのではないでしょうか。

この疑問、ネット上には「およそ20W」「月◯円」といった数字が並んでいます。ところが、その出どころをたどっていくと、メーカーの公表値にたどり着かないものがほとんどでした。そこで今回は、各社の製品ページと公式FAQを実際に読みに行って、空気清浄機能の消費電力を数値で公表しているのはどのメーカーかというところから調べ直しました。

結論から言うと、機種名つきの消費電力量を出しているメーカーと、まったく出していないメーカーがはっきり分かれます。公表しているメーカーの値を使えば、1時間・1日・1か月・1年の電気代はきちんと計算できます。

  • 空気清浄機能の消費電力を公表しているのはどのメーカーか
  • 公表値から計算した1時間・1日・1か月・1年の電気代
  • 冷暖房を止めているのに電気を使う「パトロール運転」と内部クリーン運転
  • 各社が示す除菌・脱臭効果を、試験条件とセットでどう読むか

エアコンの空気清浄機能をイメージした室内機の写真

  1. 空気清浄機能の電気代は、エアコン全体のどこに乗るのか
    1. 電気代の8〜9割を握っているのは圧縮機
    2. 実際の運転で圧縮機がどれだけ動くか
    3. 「内部クリーン運転」とは別の機能です
  2. 空気清浄機能の消費電力を公表しているメーカー、していないメーカー
    1. シャープは機種名つきで消費電力量を公表している
    2. パナソニックは「ナノイーX送風」の消費電力量を公表している
    3. ダイキン・三菱電機・日立では見つけられなかった
  3. 公表値で計算する1時間・1日・1か月・1年の電気代
    1. 単価31円/kWhの出どころ
    2. 1日8時間・24時間で計算するといくらか
    3. 花粉シーズンだけ24時間運転するなら
    4. 冷暖房の電気代と並べるとどう見えるか
  4. 冷暖房を止めているのに電気を使う場面がある
    1. シャープのパトロール運転は停止中に自動で動く
    2. 内部クリーン運転は1回あたり約54.9Wh
    3. ダイキンは停止中にボタンで単独運転
  5. 効果の数値は、試験条件とセットでないと読めない
    1. 各社が公表している試験条件
    2. 「抑制」「低減」「除去」は同じ意味ではない
    3. 試験規格の使われ方も見ておくと分かりやすい
    4. 集塵にはイオンより「風」が効いている
  6. 電気代を抑えて空気清浄機能を使うコツ
    1. フィルター掃除の効果は数値で公表されている
    2. やってはいけないのは風の通り道をふさぐこと
    3. 気になるならパトロール運転は設定で切れる
    4. エアコンの空気清浄と電気代に関するよくある質問(FAQ)
    5. まとめ:公表値で見れば、月300円前後の追加

空気清浄機能の電気代は、エアコン全体のどこに乗るのか

金額の話に入る前に、エアコンの電気代がどの部品で決まっているのかを押さえておきます。ここが分かると、空気清浄機能の追加分が「どのくらいのスケールの話なのか」が一気につかめます。

電気代の8〜9割を握っているのは圧縮機

エアコンの消費電力の大部分は、冷媒を圧縮して熱を運ぶ圧縮機(コンプレッサー)が使っています。ダイキン工業は圧縮機の技術を紹介するページで、「空調システムの心臓部ともいえる圧縮機の消費電力は、空調機全消費電力の80〜90%を占めています」とはっきり書いています。

つまり、エアコンの電気代を左右しているのは圧縮機であって、空気清浄のための放電装置ではありません。空気清浄機能は残りの1〜2割の側、しかもそのごく一部にあたる存在です。

実際の運転で圧縮機がどれだけ動くか

ダイキンのFAQ「1時間あたりの電気代の目安(ルームエアコン)」には、具体的な計算例が載っています。ある機種の冷房で、定格の消費電力0.5kWのとき「0.5kW×31円/kWh×1時間=15.5円」。そして同じ機種でも運転状況によって消費電力は変わるため、最小0.105kW(1時間あたり3.3円)から最大0.92kW(1時間あたり28.5円)の間で運転すると説明されています。

1時間で3.3円〜28.5円。これが冷房の電気代のレンジです。この数字を頭の片隅に置いたうえで、次章から空気清浄機能の数値を見ていくと、規模感がつかみやすくなります。

「内部クリーン運転」とは別の機能です

ここで混同しやすいのが内部クリーン運転です。内部クリーンは、冷暖房を止めたあとに室内機の内部を乾かしてカビの発生を抑える機能で、部屋の空気をきれいにする空気清浄機能とは目的が違います

ただし後述するとおり、両者は電気代の面ではどちらも「使っていないつもりなのに動いている」原因になります。内部クリーン運転そのものの仕組みや、暑い風が出る理由についてはエアコンの内部クリーンで暑い風が出る理由でメーカー6社ぶんまとめているので、そちらを参照してください。

エアコンの電気代を決めているのは圧縮機(全消費電力の80〜90%)。空気清浄機能は、その外側にある小さな追加分です。

空気清浄機能の消費電力を公表しているメーカー、していないメーカー

ここが今回いちばん時間をかけて調べたところです。主要メーカーの製品ページ・仕様表・FAQを当たって、空気清浄機能の消費電力または電気代が数値で書かれているかを確認しました。

シャープは機種名つきで消費電力量を公表している

もっとも情報が具体的だったのがシャープです。L-Xシリーズのプラズマクラスター紹介ページの注記に、機種名まで添えた数値が並んでいます。

  • プラズマクラスター送風運転:消費電力量16.9Wh(AY-L80X2)、1時間あたり約0.6円
  • プラズマクラスターパトロール運転(お部屋プラス):消費電力量17.2Wh(AY-L80X2)、1時間あたり約0.6円

いずれも「電力料金目安単価31円/kWh(税込)[2022年7月改定](家電公取協調べ)」で計算したものだと明記されています。普及帯のEシリーズのページでも同様に、カビパトロール運転(お部屋)が消費電力量16.0Wh、プラズマクラスター運転(風量自動時)が消費電力量16.5Wh(いずれもAY-T56E2)と公表されています。

パナソニックは「ナノイーX送風」の消費電力量を公表している

パナソニックも数値を出しています。エオリアの「清潔・空気清浄」ページには、ナノイーXを放出する送風のみの運転について「1時間の電気代は約0.4円」とあり、注記に「消費電力量約12Wh。電力料金めやす単価31円/kWh(税込)[2022年7月改定]で計算」と書かれています。

同じページには内部クリーン運転の注記もあり、こちらは消費電力量約54.9Wh。空気清浄の送風運転(約12Wh/時)と内部クリーン(1回約54.9Wh)は、桁こそ近いものの別物として公表されている点は押さえておきたいところです。

ダイキン・三菱電機・日立では見つけられなかった

一方、次の3社については空気清浄機能単体の消費電力・電気代の公表値を見つけられませんでした。「無い」と断定はできませんが、少なくとも一般に公開されている製品ページとFAQを読んだ範囲では見当たらなかった、というのが正直なところです。

ダイキンのFAQには「ストリーマ」のカテゴリが用意されていて、掲載されているのは5件。「ストリーマ機能について(ルームエアコン)」では「ストリーマ放電の分解力でカビやアレル物質を抑え、お部屋の空気をキレイにする機能です」「ストリーマとは、酸化分解力をもったプラズマ放電の一種です」と説明され、操作方法として「停止中に[ストリーマ 空清・送風]ボタンを押します」と単独運転のやり方まで書かれています。ただし、ワット数や電気代への言及はありません。

三菱電機の霧ヶ峰「空気をキレイに」のページも、日立の白くまくんXシリーズ「プラズマイオン空清」のページも、効果の試験条件は驚くほど細かく書かれているのに、消費電力の記載はありませんでした。

メーカー 技術名 消費電力の公表 公表値
シャープ プラズマクラスター あり 16.0〜17.2Wh/時(機種により)
パナソニック ナノイーX あり 約12Wh/時(ナノイーX送風)
ダイキン ストリーマ 見つからず
三菱電機 ピュアミスト/ヘルスエアー 見つからず
日立 プラズマイオン空清 見つからず

よく見かける「空気清浄機能はおよそ20W」という説明は、シャープの16.0〜17.2Whやパナソニックの約12Whと比べれば大きく外れてはいません。ただ、それが公表値なのか誰かの推測なのかで、信頼していい範囲はまるで変わります。この記事では、以降すべて公表値だけを使って計算します。

公表値で計算する1時間・1日・1か月・1年の電気代

ここからは実際の金額です。計算は、ダイキンのFAQに書かれている「消費電力(kW)×電力料金(円/kWh)×時間」という式をそのまま使います。単価は31円/kWhです。

単価31円/kWhの出どころ

この31円/kWhという数字は、シャープもパナソニックも注記で使っていますが、大本は業界の公表単価です。資源エネルギー庁の「省エネ効果の算出根拠」にも、電気は「31円/kWh[令和4年7月 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価(税込)]」と明記されています。

つまり、メーカー各社の「約0.6円」「約0.4円」という表示は、共通のものさしで計算されているということです。実際の請求額は契約プランや地域で変わりますが、機種どうしを比べる目的なら、この単価で統一して計算するのが筋が通ります

1日8時間・24時間で計算するといくらか

公表されている1時間あたりの消費電力量に、時間と単価をかけただけの素直な計算です。シャープはAY-L80X2のプラズマクラスター送風運転(16.9Wh)、パナソニックはナノイーX送風(約12Wh)を使いました。

使い方 シャープ 16.9Wh/時 パナソニック 12Wh/時
1時間 約0.5円(公表表示は約0.6円) 約0.4円
1日8時間 約4.2円 約3.0円
1日24時間 約12.6円 約8.9円
1か月(24時間×30日) 約377円 約268円
1年(24時間×365日) 約4,589円 約3,259円

1時間あたりの欄でシャープだけ2つ数字が入っているのは、16.9Wh×31円/kWhを素直に計算すると約0.52円になるためです。シャープ自身の表示は「約0.6円」。切り上げ側で丸めているのだと思われますが、こういう小さな差を勝手にならしてしまうと元の値が分からなくなるので、両方併記しました。

花粉シーズンだけ24時間運転するなら

1年中つけっぱなしにする方は少数派でしょうから、現実的な使い方でも出しておきます。スギ・ヒノキ花粉のシーズンにあたる3か月(90日)を24時間運転した場合です。

  • シャープ(16.9Wh/時):12.6円×90日=約1,131円
  • パナソニック(12Wh/時):8.9円×90日=約804円

3か月で1,000円前後。1日あたりに直せば缶コーヒー1本にも届きません。ここは「思ったより小さい」と言ってよい範囲だと思います。

冷暖房の電気代と並べるとどう見えるか

ただし、割合で見ると印象が少し変わります。ダイキンのFAQ「年間の電気代の目安(ルームエアコン)」には、期間消費電力量790kWhの機種の年間電気代として「790(kWh)×31(円/kWh)=24,490(円)」という計算例が載っています。

この24,490円に対して、空気清浄機能を1年間24時間つけっぱなしにした場合の約4,589円(シャープ)は、およそ19%にあたります。パナソニックの約3,259円でも約13%です。金額としては小さくても、「冷暖房の年間電気代の1割強〜2割弱」と言い換えると、無視できるほど小さいとは言い切れません

1時間単位で比べるとまた別の見え方になります。先ほどのダイキンの計算例では、冷房が最小出力で回っているときでも1時間3.3円。空気清浄の約0.5円は、その約6分の1です。定格運転の15.5円と比べれば約30分の1になります。

リビングでエアコンをつけっぱなしにしている室内の様子

冷暖房を止めているのに電気を使う場面がある

「使っていないのに電気代がかかっている気がする」という疑問は、ここに答えがあることが多いです。空気清浄まわりには、ユーザーが運転させたつもりがないのに動く機能が実在します。

シャープのパトロール運転は停止中に自動で動く

シャープのL-Xシリーズのページには、こう書かれています。「エアコン停止中、カビが生えやすい環境を検知すると自動的にイオンをお部屋に放出し、お部屋のカビを抑制すると同時に、エアコン内部のカビも抑えます」。人感センサー搭載モデルでは、人の不在を検知しても自動でイオンを放出するとあります。

これがプラズマクラスターパトロール運転で、消費電力量は17.2Wh(AY-L80X2、お部屋プラス)。Eシリーズのカビパトロール運転(お部屋)は16.0Wh(AY-T56E2)です。16.0Whのモデルが24時間動き続ければ、1日約11.9円、30日で約357円という計算になります。冷暖房を切っていても、この分は積み上がります。

内部クリーン運転は1回あたり約54.9Wh

もう一つが内部クリーン運転です。パナソニックの公表値では1回あたり消費電力量約54.9Wh。31円/kWhで計算すると1回あたり約1.7円です。

冷房を朝と夜に切るような使い方なら1日2回で約3.4円、30日で約102円。1回ぶんは小さくても、回数が増えれば効いてきます。なおパナソニックの注記には「30分以上運転を行い、停止した時」に動作し、「長時間連続運転中は内部クリーン運転を行いません」とも書かれています。つけっぱなし派の方は、そもそも作動回数が少ないということです。

運転 公表消費電力量 31円/kWh換算 作動のきっかけ
プラズマクラスター送風(シャープ) 16.9Wh/時 約0.5円/時 ユーザーが操作
カビパトロール(シャープ) 16.0Wh/時 約0.5円/時 停止中に自動
ナノイーX送風(パナソニック) 約12Wh/時 約0.4円/時 ユーザーが操作
内部クリーン(パナソニック) 約54.9Wh/回 約1.7円/回 30分以上運転して停止した時

ダイキンは停止中にボタンで単独運転

ダイキンの場合、FAQの操作説明では「停止中に[ストリーマ 空清・送風]ボタンを押します」とあり、送風状態で使う方法と、冷暖房などの運転と組み合わせて使う方法の2通りが案内されています。自動で勝手に始まるのではなく、こちらから指定して動かす形です。

ちなみに同じFAQカテゴリには「ストリーマ放電により微量のオゾンが発生するため、吹出口からニオイがすることがありますが、ごくわずかであり、健康に支障はありません」という項目もあります。においが気になったときに、故障を疑う前に確認しておきたい情報だと思います。

効果の数値は、試験条件とセットでないと読めない

電気代を判断するには「その電気代で何が得られるのか」も分からないと比べようがありません。ただ、各社が出している「99%」といった数字は、条件を外して眺めると必ず読み違えます。ここは条件ごと並べます。

各社が公表している試験条件

メーカー 対象 試験機関 空間の大きさ 時間と結果
シャープ 浮遊カビ菌 (一財)石川県予防医学協会 約33m³(約8畳相当) 約230分で除去率99%
パナソニック 花粉(スギ) パナソニックホールディングス プロダクト解析センター 試験室 約6畳 約3時間で99%の抑制効果
パナソニック 浮遊菌 (一財)北里環境科学センター 試験室 約6畳 約4時間で99%以上抑制
三菱電機 浮遊菌(ピュアミスト) (一財)日本食品分析センター 25m³ 密閉空間 8.5時間後に99%以上低減
三菱電機 浮遊花粉(ピュアミスト) (一財)日本食品分析センター 25m³ 密閉空間 5時間後に95%以上低減
日立 浮遊カビ菌 (一財)北里環境科学センター 25m³ 試験室 120分後に減少率99%以上

同じ「99%」でも、8畳で230分のものと、6畳で3時間のものと、25m³密閉で8.5時間のものが混在しているのが分かります。条件を書かずに「99%除去」とだけ書いてある説明は、この違いを全部つぶしてしまっているということです。

「抑制」「低減」「除去」は同じ意味ではない

言葉の使い分けも各社かなり慎重です。パナソニックは花粉について「約3時間で99%の抑制効果」、三菱電機は花粉について「95%以上低減」、日立は浮遊カビについて「減少率99%以上」。シャープの浮遊カビ菌だけが「除去率99%」という表現でした。

また、どのメーカーも試験結果の下に「実使用空間での実証結果ではありません」という趣旨の但し書きを添えています。三菱電機のページには「1種類の菌にて試験を実施」という注記まで並んでいて、ここまで書かれている以上、読む側も「密閉した試験室で1種類を対象に測った結果」として受け取るのが正しいと思います。

ダイキンのFAQにいたっては、「ストリーマ空気清浄機は、医療機器ではないので『新型コロナウイルス』や『インフルエンザウイルス』など特定の菌・ウイルスに係る効果については検証しておりません」とはっきり書いています。

試験規格の使われ方も見ておくと分かりやすい

細かい話ですが、規格名まで書いてあるものもあります。シャープはカビの試験について「JIS Z 2911を参考にしてカビ発育面積を比較」と記載しています。JIS Z 2911はかび抵抗性試験方法の規格です。三菱電機は抗菌フィルターの評価に「JIS Z 2801(抗菌加工製品・抗菌性試験方法・抗菌効果)」、抗ウイルスフィルターの評価に「JIS L 1902菌液吸収法」を用いたと明記しています。JIS L 1902は繊維製品の抗菌性試験方法の規格なので、フィルターという繊維製品に対する使い方として筋が通っています。

集塵にはイオンより「風」が効いている

おもしろかったのが日立の注記です。日本電機工業会規格に準拠したタバコによる集塵性能試験で、プラズマイオン空清の集塵効果は「30分後の粉塵除去率約70%」。そしてかっこ書きで「プラズマイオン空清なしの送風運転時約28%」とあります。

つまり、イオンを出さない単なる送風でも28%は取れていて、イオンを加えると70%まで上がるという関係です。空気清浄機能はゼロから何かを生み出しているのではなく、フィルターに風を通す働きの上に効果を積んでいる、と考えると腑に落ちます。

電気代を抑えて空気清浄機能を使うコツ

最後に、実際の使い方の話です。空気清浄機能そのものの電気代は小さいので、狙うべきは空気清浄機能が原因で冷暖房側の電気代が増えるのを防ぐことになります。やることは3つだけです。

  1. フィルターを月に1〜2回掃除する(資源エネルギー庁の公表値で年間約990円の差)
  2. 風の通り道をふさぐ後付けフィルターを使わない
  3. 停止中に自動で動く運転が不要なら、リモコン設定でオフにする

エアコンのフィルターを取り外して掃除している様子

フィルター掃除の効果は数値で公表されている

資源エネルギー庁の省エネポータル「エアコン」のページでは、フィルターを月に1〜2回清掃した場合として、フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)との比較で年間31.95kWhの省エネ、約990円の節約という数値が示されています。

パナソニックも同じ趣旨の数値を出しています。CS-X406D2で当社環境試験室(約14畳)、外気温2℃・設定温度23℃・風量風向自動・暖房運転安定時に、フィルターお掃除ありが455Wh、ホコリ約2gが付着した状態のなしが607Whという比較です。約1年後の状態での比較とされています。

空気清浄機能を24時間動かすということは、それだけフィルターがホコリを集める頻度も上がるということです。年間で見ると、空気清浄機能の電気代(約3,259〜4,589円)よりも、フィルターの目詰まりによる損(約990円/年)のほうが取り返しやすいという見方もできます。

やってはいけないのは風の通り道をふさぐこと

市販の貼るタイプの簡易フィルターは、網目が細かいぶん風の通りを妨げることがあります。集塵の主役が風である以上、風量が落ちれば空気清浄の効果も落ちます。詳しくはエアコンフィルターを貼るデメリットでまとめています。フィルター掃除そのものの効き目についてはエアコンフィルター掃除で空調の効きは変わるのかもあわせてどうぞ。

気になるならパトロール運転は設定で切れる

停止中に自動で動くタイプの機能は、リモコン設定でオフにできる機種があります。1日中つけっぱなしにしても30日で約357円ですから、無理に切るほどではないと私は思いますが、「使っていないのに動いているのが気になる」という方は取扱説明書で設定項目を確認してみてください。

エアコンの電気代そのものの相場感については、エアコンの電気代が怖い人へでメーカーと国の公表データをもとに整理しています。風向きと電気代の関係はエアコンのルーバー・スイングと電気代が担当です。

エアコンの空気清浄と電気代に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 空気清浄機能を使うと電気代はどれくらい上がりますか?

A. メーカーが公表している値で計算すると、シャープのプラズマクラスター送風運転(16.9Wh/時)で1日24時間なら約12.6円、30日で約377円。パナソニックのナノイーX送風(約12Wh/時)なら1日約8.9円、30日で約268円です(いずれも31円/kWh換算)。ダイキン・三菱電機・日立については、消費電力の公表値を見つけられませんでした。

Q2. エアコンを止めているのに動いているように見えるのはなぜですか?

A. シャープには、エアコン停止中にカビが生えやすい環境を検知すると自動でイオンを放出するパトロール運転があります(消費電力量16.0〜17.2Wh/時)。また各社とも、冷暖房を止めたあとに内部クリーン運転が動きます。パナソニックの公表値では1回あたり約54.9Whです。どちらも故障ではありません。

Q3. 空気清浄機能をオンにすると冷房や暖房の電気代も上がりますか?

A. 電気代の80〜90%を占めるのは圧縮機で、空気清浄の放電装置とは別系統です。ただしフィルターが目詰まりすると効率は落ちます。資源エネルギー庁は、フィルターを月に1〜2回清掃することで年間31.95kWh・約990円の節約になるという数値を示しています。

Q4. ダイキンのストリーマは電気代が高いのですか?

A. ダイキンはストリーマ単体の消費電力を公表しておらず、公式情報からは金額を出せません。ストリーマは「酸化分解力をもったプラズマ放電の一種」とFAQで説明されており、停止中に[ストリーマ 空清・送風]ボタンで単独運転できます。ネット上には具体的な金額を挙げた記事もありますが、出どころがメーカーでない数字は当サイトでは扱いません。

Q5. 「99%除去」と書いてあれば効果は確実ですか?

A. 各社の数値には必ず条件が付いています。たとえばシャープの浮遊カビ菌は約33m³(約8畳相当)で約230分後、三菱電機のピュアミストの浮遊菌は25m³密閉空間で8.5時間後です。どのメーカーも「実使用空間での実証結果ではありません」と注記しており、条件を外した数字だけを見るのは避けたほうがよいと思います。

まとめ:公表値で見れば、月300円前後の追加

今回は、エアコンの空気清浄機能の電気代を、メーカーの公表値だけで組み立て直してみました。

消費電力を数値で公表していたのはシャープ(16.0〜17.2Wh/時)とパナソニック(約12Wh/時)の2社。31円/kWhで計算すると、24時間つけっぱなしで1か月あたり約268〜377円、花粉シーズンの3か月なら約804〜1,131円です。冷房が最小出力で回っているときの1時間3.3円と比べれば、空気清浄の約0.5円は約6分の1にとどまります。

いっぽうで、1年間つけっぱなしにすれば約3,259〜4,589円。冷暖房の年間電気代の例(24,490円)に対して13〜19%にあたるので、「まったく気にしなくていい」と言い切るのも違うと思います。使う時期を花粉やハウスダストが気になる季節に絞れば、負担は数百円から千円程度に収まる——これが公表値から言える範囲の答えです。

ダイキン・三菱電機・日立の値については、今回は見つけられませんでした。今後公表されたら、この記事も更新していきます。

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