こんにちは、エアコンラボのアキです。夜中に温度を下げようとリモコンを押したら「ピッ」と鳴って、寝ている家族が起きないかヒヤッとした。そんな経験はないでしょうか。
「メニューからブザー音を切にすれば消せる」といった説明をよく見かけます。ただ、メーカー各社の取扱説明書とFAQを実際に当たってみると、話はかなり違いました。この記事では、原典で確認できたことだけを使って、この音の正体と、消せるのか消せないのかを整理します。
- 「ピッ」を鳴らしているのはリモコンではなく室内機だということ
- 同じ「ピッ」でもメーカーによって意味が違うこと
- 受信音を消す設定があるメーカーと、無いメーカー
- 音が鳴らない・反応しないときに取扱説明書が挙げている原因

「ピッ」を鳴らしているのはリモコンではなく室内機

まずはっきりさせておきたいのが、音の出どころです。各社の取扱説明書はこの音を「受信音」と呼び、鳴らしているのは室内機側だと書いています。
- パナソニック(CS-281CX)…「受信は音でお知らせします。」
- 日立(RAS-SV56D2)…「室内機が受信すると、『ピッ』という受信音がして、ランプが点灯します。」
- ダイキン(Eシリーズ)…「信号を受けると、受信音と同時に運転ランプが点滅し、受信を確認できます。」
つまり、リモコンを手で覆っても布団の中で押しても、音は壁際の室内機から鳴ります。リモコン側を静かにする工夫は、この音には効きません。「リモコンの操作音」と呼ばれてはいますが、音源はリモコンではないのです。
なお日立は、リモコンの液晶表示がうすくなったり受信音がしなくなったりしたら乾電池を交換するよう案内しています。液晶まわりの不調そのものはエアコンのリモコン液晶が映らない原因と対策ガイドで詳しく扱っています。
同じ「ピッ」でもメーカーによって意味が違う
受信音は「鳴った・鳴らない」だけでなく、鳴らし方でも情報を伝えています。ただしその割り当てに共通ルールはありません。取扱説明書の記述をそのまま並べると、次のようになります。
| 鳴り方 | パナソニック CS-281CX | ダイキン Eシリーズ | 日立 RAS-SV56D2 |
|---|---|---|---|
| ピッ | 運転や設定、設定の取り消し | 設定変更 | ボタンを押すごと(温度は1℃ずつ変化) |
| ピピッ | 温度設定が上限または下限温度になったとき | 運転開始 | 設定温度20℃(基準温度) |
| ピピピッ | 記載なし | 記載なし | 設定温度30℃(基準温度) |
| ピー | 運転を停止したとき | 運転停止 | 運転の停止 |
注目したいのは「ピピッ」です。ダイキンでは運転開始の合図ですが、パナソニックでは設定温度が上限か下限に達したという合図になっています。日立ではさらに細かく、16℃以下または32℃以上に設定しようとすると「ピピッピピッ」と鳴るとされています。他の家の機種で覚えた鳴り方の意味は、自分の機種には当てはまらないと考えたほうが安全です。
受信音を消す設定はあるのか
結論から言うと、「多くの機種で消せる」という説明は事実と違いました。取扱説明書とFAQを1件ずつ当たった結果は次のとおりです。
消音モードがあるのは三菱電機(条件つき)
三菱電機はFAQ「エアコンの音(受信音)を消したい」で、「リモコンで消音モードに設定することで、エアコンの受信音を消すことができます」と案内しています。ただし対象は2026年度モデル以降のFZ・FZV・ZW・ZXV・FD・VXV・ZD・HXVシリーズに限られます。さらに、消音モードにしていても受信音が鳴る操作として、次が挙げられています。
- エアコンの号機を設定するとき
- 据付位置を設定するとき
- 無線機能を使用するとき/無効にするとき
- 生活エリアを解除するとき
- 「MyMUアプリ」で操作したとき
- 高温みまもりが動作するとき
対象機種かどうかは形名で確認できます。三菱電機は「MSZ-」に続くアルファベットがシリーズ名になると説明しています。
富士通ゼネラルは音量を下げられる(ゼロにはできない)
富士通ゼネラルはFAQ「リモコンの音量変更方法を知りたい」で、リモコン型名ごとの取扱説明書を公開しています。そのうちAR-RFL8J用の手順書には「音量を調節する」という項目があり、選べる音量は1〜7の7段階、初期値は4と書かれています。0という選択肢が無いため、小さくはできても無音にはできません。手順の最後には「受信音を確認してください。」とあり、この設定が受信音に効くことも読み取れます。同じメニューには「お知らせ」ボイスの入/切もあります。
パナソニック・日立・ダイキンには見つからなかった
パナソニックのCS-281CX取扱説明書には「お買い上げ時の設定を変更する」という章があり、リモコンから変えられる項目が13個列挙されています(電気代単価/換気標準/中央/家具/暖房足元/オートオフ/においカット/室外音/電流Hi/内部そうじ/温度表示/本体ランプ明/コントラスト3)。この中に受信音の項目はありません。「室外音」は室外ユニットの運転音を下げる設定で、受信音とは別物です。
日立のRAS-SV56D2取扱説明書、ダイキンのEシリーズ取扱説明書にも、受信音を消す設定は見当たりませんでした。正直に書きますが、確認できた範囲ではこの3社の該当機種に受信音を消す方法は用意されていません。載っていない操作を勧めるわけにはいかないので、その場合は音がある前提での付き合い方に切り替えるほうが現実的です。
取扱説明書に書かれていないボタンの長押しや同時押しを手当たり次第に試すのはおすすめしません。三菱電機が消音モードの例外として「号機を設定するとき」「据付位置を設定するとき」を挙げているとおり、リモコンには設置に関わる設定も含まれています。心当たりのない表示が出たら、いじらずにメーカーの窓口へ相談してください。
「ピー」「ピーピー」が鳴り続けるときは受信音ではない
受信音と紛らわしいのが、異常を知らせる電子音です。ここも各社で扱いが違います。
- パナソニック…「ピピピピ」は試運転時に異常が発生したことを知らせる音で、タイマーランプが点滅します。約3分間で音は止まるとされ、販売店へ連絡するよう案内されています
- ダイキン…運転せず運転ランプが点滅し「ピーピー」という音が鳴り続ける場合は、いったん電源を切って再度運転し、それでも続くならエラーコードを確認して販売店などへ連絡するよう案内されています
ややこしいのは、同じ音が正常な合図として使われる場面もあることです。パナソニックはF19・H23・H27・H28・H29・H50・H51・H53・H59の9個のコードについて、受信音「ピピピピ」で一時的に運転できると書いています。ダイキンのエラーコード確認モードでも、「ピッ」という短い音は該当しないコード、「ピー」という長い音が該当するコードを意味します。音そのものより、鳴り続けているか、ランプが点滅しているかが判断材料になります。
音とランプからエアコンの状態を読み解く話はエアコンの音は正常?異常を見分けるチェックリストにまとめています。
音が鳴らない・反応しないときに取扱説明書が挙げている原因

逆に「今まで鳴っていた音が鳴らない」場合も、取扱説明書に該当しそうな記述があります。
- 電源投入直後は受け付けない…日立は、エアコンの電源を入れた直後の約10秒間はボタンを押しても「ピッピー」と鳴って受信しないと明記しています
- 距離…日立は受信できる距離を正面で約7m、パナソニックは操作をエアコン正面から7m以内で行うよう案内しています
- 照明の影響…日立は、室内に電子点灯形の照明器具があると受信距離が短くなったり、受信できなくなったりする場合があるとしています
- ホルダーに掛けたまま…パナソニックは、リモコンホルダーに掛けたまま操作すると送受信しないことがあるとしています
- 乾電池…日立はアルカリ乾電池の寿命を普通の使いかたで約1年とし、充電式乾電池は使わない、長期間(1ヵ月以上)使わないときは取り出す、といった注意も書いています
日立の「ピッピー」は受信を断ったサインなので、鳴ったからといって故障とは限りません。電源を入れた直後なら、少し待ってもう一度押せば受け付けます。
受信音を鳴らしているのは室内機です。確認できた範囲で消せるのは、三菱電機の対象機種(消音モード)と、富士通ゼネラルの音量調節(1〜7段階)だけでした。自分の機種で消せるかどうかは、形名を控えてメーカーの取扱説明書を確認するのが確実です。
エアコン 音 リモコンに関するよくある質問(FAQ)
Q1. リモコンをいくら探しても音の設定が見つかりません。
A. 受信音を消す設定は、すべての機種にあるわけではありません。今回確認した範囲では、パナソニックCS-281CX、日立RAS-SV56D2、ダイキンEシリーズの取扱説明書に受信音を消す項目はありませんでした。見つからない場合は「そもそも無い」可能性が高いとお考えください。
Q2. リモコンを手で覆えば音は小さくなりますか?
A. 小さくなりません。日立もダイキンも、この音は室内機が信号を受け取ったことを知らせる受信音だと説明しています。音源はリモコンではなく室内機なので、リモコンを覆っても音量は変わりません。
Q3. 夜中にリモコンを操作する回数自体を減らせませんか?
A. タイマー予約を使えば、就寝前にまとめて設定を済ませられます。就寝時の運転やタイマーの使い方はエアコンの音が苦手な人向け、今日からできる静音対策まとめで扱っています。
Q4. 音は消せなくても、本体のランプは暗くできますか?
A. 機種によります。パナソニックCS-281CXでは、リモコンから変更できる13個の設定の中に「本体ランプ明」が含まれています。同じリストに受信音の項目が無いことと対照的です。
Q5. 「ピー」と鳴ったら故障ですか?
A. 鳴り方と状況によります。パナソニック・ダイキン・日立のいずれも、「ピー」は運転を停止したときの受信音として説明されています。一方でダイキンは、運転しないまま「ピーピー」が鳴り続ける状態はエラーとして扱っています。1回鳴って終わるのか、鳴り続けるのかを聞き分けてください。
まとめ:消せるかどうかは機種で決まる
エアコンの「ピッ」はリモコンの操作音ではなく、室内機が信号を受け取ったことを知らせる受信音です。そして鳴り方の意味はメーカーごとに違い、消す設定は一部の機種にしかありませんでした。確認できたのは三菱電機の2026年度モデル以降の8シリーズにある消音モードと、富士通ゼネラルの1〜7段階の音量調節だけです。
まずは室内機かリモコンに書かれている形名を控えて、メーカー公式の取扱説明書で「受信音」の項目を探してみてください。載っていなければ、その機種では消せません。取扱説明書に無い操作を試すより、タイマー予約で夜間の操作回数を減らすほうが、確実で安全な対処になります。
音の種類ごとの扱いを社をまたいで見比べたいときは、メーカー5社の音の一覧を並べて正常か確認した記事にまとめています。あわせてどうぞ。

