こんにちは、エアコンラボのアキです。
買ったばかりのエアコンをつけた瞬間に「あれ、なんか臭うぞ」と感じると、いっぺんに不安になりますよね。まだ新しいのだから汚れているはずがない、ということは初期不良なのか、取り付け工事に問題があったのか。私のところにも、この「新しいのに臭う」という状況をどう受け止めればいいのか分からない、という声が届きます。
そこでこの記事では、メーカーが公式に「異常ではない」と書いている範囲と、「販売店や修理窓口に連絡してください」と書いている範囲を、各社のFAQ・サポートページ・据付説明書から拾い直して整理しました。あわせて、設置直後・1シーズン目の途中・2年目のシーズン初めという3つの時期で、においの出方がどう変わるのかを時間軸に沿って追いかけます。
この記事に出てくる数字は、すべてメーカーと業界団体が自社サイトに公開している値です。私の推測や体験談は入れていません。読み終える頃には、「様子を見ていい状態」なのか「連絡すべき状態」なのか、自分で線を引けるようになっているはずです。

- メーカーが「機械の異常ではありません」と明記している範囲
- 逆に「すぐ運転を止めて連絡してください」と書かれている症状
- 新品特有のにおいについて、公式にどこまで書かれているのか
- 設置工事の不備がにおいにつながると据付説明書に書かれている箇所
- 2年目のシーズン初めに臭う理由と、シーズンオフの過ごし方
新品なのに臭う、はどこまでが「異常ではない」のか
不安の正体は、においそのものよりも「これは壊れているのか」が分からないことだと思います。まずはそこから片づけましょう。実は、この線引きはメーカー自身がはっきり書いています。
メーカーが「機械の異常ではありません」と書いている範囲
もっとも明快なのは富士通ゼネラルです。同社のエアコン 使用上のご注意には、「室内機からニオイが発生することがあります。これは、建物からのニオイ、化粧品、汗、タバコのニオイなどがフィルター等に付着し吹き出すためで、機械の異常ではありません」と書かれています。においが出ること自体は、故障のサインとして扱われていないわけです。
新品時のにおいについて正面から書いているのは日立です。エアコン(室内機)のにおいが気になります。というページに「購入したばかりのエアコンは、新品特有のプラスチックや塗料のにおいがすることがあります」「しばらく使用するうちに軽減していきます」とあります。つまり、買ったばかりでにおうこと自体は想定内として扱われています。
メーカーが「連絡してください」と書いている範囲
一方で、様子見の対象にしてはいけない症状も、同じくらいはっきり書かれています。ここが今回いちばんお伝えしたいところです。
| 状況 | 公式の扱い | 出典 |
|---|---|---|
| 部屋のにおいが付着して吹き出す | 機械の異常ではありません | 富士通ゼネラル |
| 購入直後のプラスチック・塗料のにおい | しばらく使用するうちに軽減していきます | 日立 |
| そのにおいが1週間ほど使用しても改善しない | 販売店または修理相談窓口に点検のご相談を | 日立 |
| 焦げくさいにおいがする | 火災のおそれがあるため、すぐに使用を中止 | 日立・ダイキン |
| 冷房運転をして室内機から水漏れした | 本格的な暑さがくる前に販売店または修理窓口へ | 三菱電機 |
| よく冷えない・異常音がする・室内ユニットから水が漏れる | 異常がある場合は販売店にご連絡ください | 日本冷凍空調工業会 |
日立が示している「1週間ほど使用しても改善しない場合」という基準は、新品のにおいに悩む人にとって実務的な判断線になります。私が調べた範囲では、新品時のにおいに期限を書いているのはこの1社だけでした。
焦げくさいにおいについては、ダイキンのこげ臭いにおいがする(ルームエアコン)が「運転を停止して電源プラグを抜くか、ブレーカーを切ってお買い上げの販売店または当社に点検・修理をご依頼ください」の一文だけで構成されています。回答に対処法が一切書かれていないこと自体が、扱いの重さを表しています。暖房時の焦げくさいにおいについてはエアコンの温風が臭いときの原因と安全の見分け方で詳しくまとめています。
においの「種類」から原因を当てにいかないほうがいい理由
ネット上には、においの種類ごとに原因を一覧にした表がよく出てきます。ただ、メーカーのページを読むと、日立にしても分けているのは対処の入口であって、においの質から原因を断定しているわけではありません。実際、においの成分は「混ざり合い凝縮して独特なニオイとなる」(三菱電機)と説明されています。混ざったものを鼻で仕分けるのは無理がある、というのが公式の書きぶりから読み取れることです。この論点はエアコンがイカ臭いときの考え方に譲ります。
設置直後〜数日:新品特有のにおいは本当にあるのか
ここからは時間軸に沿って見ていきます。まずは、設置してもらった直後から数日のあいだの話です。
「プラスチックや塗料のにおい」と書いていたのは1社だけだった
樹脂や塗料、梱包材のにおいという説明はよく見かけます。ただ、公式サイトで実際にそう書いているメーカーを探すと、見つかったのは前述の日立の1ページだけでした。三菱電機・ダイキン・パナソニック・富士通ゼネラル・シャープの公開情報や取扱説明書を確認しましたが、新品時の樹脂臭に触れた記述は見当たりませんでした。「新品だから樹脂のにおいがして当然」と一般論のように語られている割に、根拠として示せる原典はかなり限られているということです。
しかも日立の同じページには、先に「エアコンは、アルミ・銅・プラスチックなどの科学的に安定した材料が使われており、これらが異臭を発生させることはありません」と書かれています。そのうえで「しかし、購入直後や、長期間使用した場合などは、においが発生することがあります」と続きます。材料そのものが臭うのではなく、購入直後という限られた時期に限って起きうる現象、という整理です。
この記事で確認できなかったこと
「新品のにおいは何日で消えるのか」を数字で示したメーカーは、日立の「1週間ほど使用しても改善しない場合は点検相談」以外にありませんでした。よく見かける「数日から2週間」といった目安は、私が確認した公式情報の中には根拠が見つからなかったため、この記事では書いていません。
設置工事の不備がにおいにつながる、と書かれている箇所
取り付け工事とにおいの関係は憶測で語られがちですが、これは据付説明書にはっきり書かれています。日立のルームエアコン据付説明書(RAS-KD22H)から、においに関係する注意事項を拾うと次のとおりです。
- 壁穴部と配管ブッシュ・配管のすき間を完全にシールする。シールが完全でないと「壁内や室外の臭いが室内に流入する原因になります」
- 浄化槽など、腐食性ガス(硫黄・アンモニア等)が発生する場所にドレンホースを導かない。「室内の異臭の原因になることがあります」
- ドレンホースの先端は排水こうに入れない、持ち上げない、波うたせない、先端をはね上げない
- ドレンホースは床面より100mm以上高い位置で切断する
- 隠蔽部を通る場合は断熱材を取り付け、1/25〜1/100の下り勾配をつける
使用者側から見えるページにも同じ話があります。三菱電機のエアコンの風がにおうには「ドレンホースの室外側先端が排水溝などに入っていると、ドレンホース内部を排水溝のニオイが伝わり室内に侵入することがあります」とあり、日立のFAQも排水のにおいの条件として「ドレンホースの排出先に排水溝がある」「排水を受けているバケツの水が古くなっている」「排水のしくみが集合排水になっている」の3つを挙げています。
設置から間もないのに下水のようなにおいがする場合、まず確認する価値があるのは室外機側のドレンホースの先端です。位置を変えられるなら変える、集合住宅なら排水のしくみを管理会社に確認する、というのが日立の案内です。なお富士通ゼネラルは「配線等の据え付け工事に不備がありますと感電や火災の原因になることがあります」として、工事は販売店に相談するよう求めています。自分で配管や配線に手を入れるのは避けてください。
設置直後にやっておきたい、換気しながらの運転

三菱電機は使い始めのあのニオイに!イヤなニオイを軽減する対処法という専用ページで、「窓を開けて、エアコンの設定温度を最低温度に設定し、1時間冷房運転をする」という方法を案内しています。結露した水が熱交換器に付いたにおい成分を洗い流す、という考え方です。同社FAQでも「冷たい風が出るような十分に低い設定温度で1時間程度」と同じ内容が書かれています。
ただし注意書きも付いています。屋外が高湿度(80%以上)のときに窓を開けて1時間以上運転すると、室内機に露が付いて滴下し、家財や床を汚す原因になることがあるため、室内機の下にビニールシートなどを敷いて防水対策をするよう求めています。やみくもに長時間やる方法ではなく、条件と時間が決まっている対処だという点は押さえておいてください。
換気そのものも各社が挙げています。ダイキンはにおいの予防方法の3番目に「こまめに換気をして、部屋のニオイを吸い込ませない」、富士通ゼネラルは「エアコン運転中は窓を閉め切ることが多いため、ときどき換気してください」と書いています。換気の具体的な進め方はエアコンの臭いと換気の関係にまとめています。
1シーズン目の途中:新しくても部屋のにおいは吸い込む
設置から数週間から数か月、最初の夏を使っている最中に「そういえば最近においが変わった気がする」と感じることがあります。ここで何が起きているのかも、公式情報でかなりはっきり説明されています。
「部屋のにおい成分を吸い込む」と4社が同じ説明をしている
新品でも臭う理由として、複数のメーカーがまったく同じ機序を挙げています。表にまとめます。
| メーカー | 公式ページの記述 |
|---|---|
| 三菱電機 | 室内の空気と一緒に壁やじゅうたん、家具、衣類などにしみこんだニオイの成分をエアコン内部に吸込む |
| ダイキン | お部屋の空気と一緒にホコリ、生活臭などの様々なニオイの成分が吸い込まれエアコン内部に付着する |
| 日立 | 室内の空気を吸い込む際に、部屋の中の様々なにおい(人の汗、食品、家具、ペットなど)の分子が混ざり合う |
| 富士通ゼネラル | 建物からのニオイ、化粧品、汗、タバコのニオイなどがフィルター等に付着し吹き出す |
4社が口をそろえているということは、エアコンが新しいかどうかとほぼ関係なく起きる現象だということです。エアコンはにおいを作っているのではなく、部屋にあるにおいを集めて濃くして返している。三菱電機の言葉を借りれば「エアコン内で混ざり合い凝縮して独特なニオイとなる」わけです。買ったばかりでも部屋にはにおいの元がありますから、新品だから無縁ということにはなりません。
においが強く出るのは「乾く」と「濡れる」が入れ替わるとき
三菱電機のFAQには、もう一段踏み込んだ説明があります。「エアコン内部に付着したニオイの成分は、主に熱交換器が乾燥した状態から結露した状態に変化するときや、逆に結露した状態から乾燥した状態に変化するときに、空気中に多く放出されます」という記述です。
つまり、運転をつけた直後と止めた直後という、状態が切り替わる瞬間に集中して出てくるということになります。「つけた瞬間だけ臭う」「止めたあとに臭う」という感覚には、ちゃんと裏付けがあるわけです。止めたあとのにおいについてはエアコンを停止した後に臭うのはなぜかで時系列を追っています。
あわせて、三菱電機は今すぐできるカビ対策というページで、冷房運転停止後のエアコン内部は湿度が85%以上にもなると公表しています。ダイキンも「冷房時の結露水の影響でカビが発生します」と書いています。新品であっても、湿った状態を放置する使い方をしていれば条件は同じだということです。
1シーズン目のうちに習慣にしておきたいこと
ここでの対処は、掃除の技術ではなく習慣の問題です。各社が公表している目安を並べます。
- エアフィルターの清掃:ダイキンは「2週間に1回を目安に清掃する」、日本冷凍空調工業会もシーズン中は2週間に1回程度を挙げています
- 冷房後の乾燥:ダイキンは「冷房を止めたあと、1〜2時間 送風でエアコン内部を乾燥させる」。同社の試運転ページでは「1時間ほど送風運転して」とも案内しています
- 内部クリーン機能がない機種:三菱電機は「冷房運転後に送風(空清)運転を5〜6時間ほど行うことで内部を乾かすことができます」と説明しています
- 送風モードがない機種:三菱電機は設定温度を31℃にして冷房運転すると送風運転になるとしています。ただし部屋の温度が31℃以上あるときは送風になりません
- フィルター自動お掃除機能付きでも:三菱電機は「フィルター自動お掃除機能がついている場合でも、シーズン前にお手入れをしてください」と書いています
各社の内部クリーン・洗浄機能そのものの違いは水内部クリーンなど各社の洗浄機能の比較で扱っていますので、機種の機能が気になる方はそちらをご覧ください。
2年目のシーズン初め:前のシーズンの終わり方が効いてくる
そして、この記事でいちばんお伝えしたいのが2年目です。「去年は平気だったのに、今年つけたら臭った」という状況には、メーカーの公式ページに直接の説明があります。
冷房を使わない期間にたまったにおいが、初日にまとめて出る
三菱電機の「使い始めのあのニオイに!」のページには、次の一文があります。
「しかも、冷房を使わない期間(暖房運転時)にエアコン内部にたまったこれらのニオイ成分が、冷房運転をし始めた時に結露水で部屋中に放出されてしまうのです」
2年目のシーズン初めに臭う理由は、2年目だからではなく「使わない期間をはさんだから」だということになります。1年目は設置してすぐ冷房を使い始めたので、この「ためこむ期間」がありませんでした。2年目に初めて、秋・冬・春という長い蓄積期間を越えた状態で冷房を入れることになる。だから2年目の初日に、それまで感じなかったにおいが出てくるわけです。
同じページによると、三菱電機の調査では63.5%の人が使い始めのエアコンにイヤなニオイを感じ、対策の方法が分からない・対策していない人が44.9%と4割以上を占めています。この調査は東京・大阪在住の30〜69歳の男女600名を対象に、2021年4月23日から4月25日にインターネットで実施されたものです。使い始めに臭うのは、あなたの家だけに起きている異常ではないということが、この数字からも分かります。
パナソニックも秋のエアコンはカビの温床にというページで、「冷房のシーズンが終わって暖房を使い始めるまでの間は、エアコンを稼働しない人も多い」「夏に酷使したエアコンには、ホコリやダニなどの汚れがたまり、カビ菌の繁殖やニオイの原因になる可能性も」と説明しています。
シーズンオフに案内されていること
裏を返すと、2年目のシーズン初めのにおいは、その前のシーズンの終わり方でかなり変わるということです。公表されている案内を時期順に整理しました。
| 時期 | 案内されている内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 冷房を止めるたび | 1〜2時間の送風で内部を乾燥させる | ダイキン |
| 冷房シーズンの終わり(秋) | 送風運転を3〜4時間行い内部を乾燥させる。送風機能がない場合は室温30℃以下のときに設定温度31℃で3〜4時間冷房運転 | 三菱電機 |
| シーズンオフ中 | 晴れた日には半日ほど送風運転をし、内部を乾燥させる。エアフィルターや各部のお手入れ、アース線の確認も | 日本冷凍空調工業会 |
| 11月ごろ | 肌寒くなってきた頃に暖房の試運転 | ダイキン |
| 翌シーズン前(4〜5月) | 冷房の試運転。電源プラグ・フィルター・室外機のドレンホースの確認 | ダイキン/日本冷凍空調工業会 |
日本冷凍空調工業会のシーズンオフには(お手入れも忘れないように!)は「晴れた日には半日ほど送風運転をし、内部を乾燥させてください」としており、同会のシーズン前にエアコン点検を!では、室外機のドレンホースにゴミが詰まったりクモの巣がはっていないか、亀裂・たるみ・潰れがないかを確認するよう求めています。ドレンホースの状態は、においとも水漏れとも直結する箇所です。
「去年買ったばかりでも試運転は必要」とダイキンは書いている
ダイキンの夏より前のエアコン試運転のページには、「去年設置した新型エアコンは試運転しなくて良いですか?」という質問がそのまま載っています。回答は「使用年数に限らず、エアコン試運転は必要です」。まさに2年目の読者に向けた回答です。
同ページによると、冷房の使い始めとなる6月〜7月は問い合わせや点検依頼が集中し、修理対応や機器の入れ替え工事で数日待つ場合があるため、4〜5月の試運転がすすめられています。試運転に適した気温の目安も公表されています。
- 気温26℃以上:急いで実施
- 気温23〜25℃:最適な時期
- 気温21〜22℃:適した時期
- 気温20℃以下:不向き(冷房運転が作動しなかったりすぐ止まったりするため)
手順は「お手軽コース」が冷房を最低温度(16〜18℃)に設定して10分程度の運転、「念入りコース」はさらに30分程度運転して室内機からの水漏れを確認するという内容です。30分という時間は、結露水が出るまでにおおよそそれだけかかるからだと説明されています。そしてチェック項目に「異臭や異音がしないかご確認ください」が明記されています。においの確認は、メーカー自身が試運転の一項目として位置づけているわけです。
暖房側も同様で、パナソニックは秋の暖房試運転として「最高設定温度(28〜30℃)で10分ほど運転し、温風がしっかりと出ているか、異音や異臭がしないか確認しましょう」「異臭がする場合は、エアコン内部にカビやホコリなどの汚れがたまっている可能性があります」と案内しています。
2年目に臭ったときの、公式に沿った進め方
では実際に2年目の初日に臭ったら何をするか。三菱電機のページの順番がそのまま使えます。まずエアフィルターのお手入れをして、内部クリーンを設定する。においが残るなら、窓を開けて最低温度で1時間の冷房運転を試す。吹き出し口付近にカビが見えるなら拭き取ってから冷房運転して変化を見る。
それでも改善しない場合について、三菱電機は「通風路の手が届かない場所やファンにカビが生えている可能性があります。お買い上げの販売店またはメーカーの修理窓口にお問合せいただき、室内機の内部を洗浄してください」と書いています。日本冷凍空調工業会もエアコンクリーニングのご注意で「エアコンの内部洗浄は、高い専門知識を有する業者に依頼をしてください」としています。ここから先は自分の手でやる領域ではない、という線が公式に引かれています。
◆アキのワンポイントアドバイス
2年目のシーズン初めに臭ったら、まず「去年の秋に送風で乾かしたか」を思い出してみてください。思い出せない場合は、たいてい乾かしていません。今年の秋にやるべきことは決まっていますから、カレンダーに「冷房を使い終わったら送風3〜4時間」と入れておくと、来年の初日がかなり変わります。今シーズンのにおいを消す作業と、来シーズンのにおいを出さない準備は別物だと考えると整理しやすいですよ。
保証期間と、やってはいけない対処

「初期不良なら保証で直してもらえるのでは」と考える方も多いはずです。ここも公式に確認できる範囲で整理します。
保証期間はメーカーが公表している
| メーカー | 本体(上記以外) | 冷媒系統・冷媒回路 |
|---|---|---|
| ダイキン(ルームエアコン) | お買い上げより1年間 | 5年間 |
| 三菱電機(ルームエアコン) | お買上げ日より1年間 | 5年間(圧縮機、冷却器、凝縮器、本体付属配管など) |
出典はダイキンのメーカー保証期間についてと、三菱電機のエアコンの保証についてです。2社とも、本体1年・冷媒系統5年という同じ構成でした。保証全般の考え方や延長保証との関係はエアコンの保証期間はどれくらい?で詳しく解説していますので、そちらを本体としてご覧ください。
「においが保証の対象」と書いたメーカーは見つからなかった
正直にお伝えします。私が確認した範囲では、においそのものが保証や無償修理の対象になると明記したメーカーのページはありませんでした。保証はあくまで製品の故障に対する制度で、においは故障の症状として扱われていない、というのが各社の書きぶりから読み取れる状態です。
その意味で、日立が示している「1週間ほど使用しても改善しない場合は点検のご相談を」という一文が、においで窓口に連絡してよいことを示した数少ない公式の記述になります。連絡するときは、購入日・設置日・機種名に加えて、いつからどのタイミングで感じるのか、すでに試したこと(フィルター清掃、送風運転、換気しながらの冷房運転など)を整理して伝えると話が早く進みます。
なお、ダイキンは保証期間内でも有料修理になる場合として「使用上の誤りおよび不当な修理や改造による故障および損傷」「お買い上げ後の取付場所の移動、落下などによる故障および損傷」などを挙げ、無料修理の依頼時には保証書の提示が必要としています。また、家電量販店やハウスメーカーなどの延長保証はメーカーでは扱えないため、購入した販売店に相談するよう案内しています。
においを消そうとして、かえって壊す対処
最後に、絶対に避けてほしいものをまとめます。これらはすべてメーカーと業界団体が明確に禁止または非推奨としている行為です。
- エアコンに直接、消臭剤や抗菌剤を吹きかける:三菱電機が「おやめください!」と明記。故障や破損、性能の悪化につながるとしています
- 市販の洗浄スプレーを使う:ダイキンは「最悪の場合は発煙発火につながるおそれがあります」、富士通ゼネラルも樹脂部品の破損や排水経路の詰まりの原因になるとしています
- 除菌・消臭剤、殺虫剤をエアコンにかける:日本冷凍空調工業会は薬剤の銅管への影響についてで、成分によっては熱交換器の銅管に腐食を引き起こし「冷えない」「暖まらない」につながるとして、直接吹き付けないよう求めています
- 自分で内部を洗浄する:三菱電機・ダイキン・日本冷凍空調工業会がそろって専門業者への依頼を求めています
薬剤や消臭グッズの具体的な話はエアコンの臭いにハイターを使ってよいかと薬局で買えるものでエアコンの臭いは取れるのかにまとめています。においが気になるときほど手っ取り早い方法に手が伸びますが、ここは公式の線を守ってください。
新品・2年目のエアコンの臭いに関するよくある質問とまとめ
最後に、よく寄せられる質問と記事のまとめをお伝えします。
エアコンが新品なのに臭うことに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 新品のエアコンが臭うのは初期不良ですか?
A. 富士通ゼネラルは、部屋のにおいが付着して吹き出すことについて「機械の異常ではありません」と明記しています。日立も購入直後のプラスチックや塗料のにおいは「しばらく使用するうちに軽減していきます」としています。ただし日立は「1週間ほど使用しても改善しない場合」は販売店または修理相談窓口に点検を相談するよう案内しているので、その期間を目安にしてください。
Q2. 買って2年目の初日に急に臭ったのですが、故障でしょうか?
A. 三菱電機は「冷房を使わない期間(暖房運転時)にエアコン内部にたまったこれらのニオイ成分が、冷房運転をし始めた時に結露水で部屋中に放出されてしまう」と説明しています。1年目は設置してすぐ使い始めるため、この蓄積期間がありません。2年目のシーズン初めは、初めて長い休止期間を越えて運転するタイミングにあたります。まずはフィルターの清掃と、窓を開けての冷房運転を試してみてください。
Q3. 設置工事のせいで臭うことはありますか?
A. 日立の据付説明書には、壁穴のすき間のシールが完全でないと「壁内や室外の臭いが室内に流入する原因になります」、浄化槽など腐食性ガスの発生する場所にドレンホースを導くと「室内の異臭の原因になることがあります」と書かれています。三菱電機と日立のFAQも、ドレンホースの先端が排水溝に入っているとにおいが室内に伝わることを挙げています。下水のようなにおいがする場合は、室外機側のドレンホースの先端を確認するとよいでしょう。
Q4. 窓を開けて冷房運転する方法は、どれくらいやればいいですか?
A. 三菱電機は「窓を開けて、エアコンの設定温度を最低温度に設定し、1時間冷房運転をする」と案内しています。ただし屋外が高湿度(80%以上)のときに1時間以上運転すると、室内機に露が付いて滴下し家財や床を汚す原因になるため、室内機の下にビニールシートなどを敷くよう注意書きが添えられています。長くやればよいという方法ではありません。
Q5. 買って1年しか経っていなくても試運転は必要ですか?
A. ダイキンは「去年設置した新型エアコンは試運転しなくて良いですか?」という質問に対し「使用年数に限らず、エアコン試運転は必要です」と回答しています。冷房の使い始めとなる6月〜7月は問い合わせが集中するため、4〜5月の実施がすすめられています。試運転の項目には「異臭や異音がしないかご確認ください」も含まれています。
Q6. においは保証で対応してもらえますか?
A. においそのものが保証・無償修理の対象になると明記したメーカーのページは、私が確認した範囲では見つかりませんでした。保証期間はダイキン・三菱電機ともルームエアコン本体が1年間、冷媒系統(冷媒回路)が5年間です。においで窓口に相談してよい根拠になるのは、日立の「1週間ほど使用しても改善しない場合は点検のご相談を」という記述です。
まとめ:新しさではなく「使わなかった時間」を見る
新品なのに臭う、まだ2年目なのに臭う。どちらも「新しいのに」という驚きから始まる悩みですが、公式情報を並べてみると、におい自体は使用年数とほとんど関係のない現象でした。エアコンは部屋のにおいを吸い込んで濃くして返す機械で、それはメーカー4社が同じ言葉で説明しています。
そのうえで、時期ごとに見るべきポイントは違います。設置直後は、プラスチックや塗料のにおいなら1週間が目安。下水のようなにおいなら室外機側のドレンホースの先端。1シーズン目の途中は、冷房後に乾かす習慣ができているか。そして2年目のシーズン初めは、前の秋にどう終わらせたかが効いてきます。
そして、焦げくさいにおいだけは別扱いです。日立もダイキンも、対処法を書かずに「すぐ使用を中止して連絡」とだけ書いています。ここだけは様子を見ないでください。あなたのエアコンが今どの段階にいるのか、この記事の線引きが判断の材料になれば嬉しいです。

