こんにちは、エアコンラボのアキです。
天井に埋め込まれたエアコンって、壁掛けと違ってフィルターがどこにあるのかすら分かりにくいですよね。見上げてみてもパネルがあるだけで、どこを押せば開くのか見当がつかない。しかも作業するには脚立に乗る必要があって、ちょっと怖い。そんなところに、風を出した瞬間にモワッと臭いがしてきたら、「そろそろ何とかしないと」と思うのは自然なことです。
この記事では、家庭用の天井埋め込みエアコンについて、メーカーの取扱説明書に書かれている手順をもとに「自分でやってよい掃除」と「販売店や専門業者に任せる掃除」を分けて説明します。クリーニングを頼んだ場合の料金も、条件付きの掲載例として紹介しますね。
- 天井埋め込みエアコンのフィルターの外し方・洗い方・付け方
- 自分でしてよい掃除と業者に任せる掃除の境目
- 脚立作業で気をつけたい転落事故のデータと注意点
- クリーニング料金の掲載例と頼む前に確認したいこと

家庭用の天井埋め込みエアコンを掃除する前に
まずは全体像からです。天井埋め込みエアコンの掃除は「どこまで自分でやるか」を先に決めておくと、作業中に迷わずに済みます。ここでは取扱説明書がどう線を引いているかと、形によってフィルターの枚数が違う点を見ていきます。
自分でできる範囲と任せる範囲
今回、手順の根拠として読んだのは、三菱電機の家庭用ハウジングエアコン「天井カセット形」の取扱説明書です。形名はMLZ-GX285ASなどの旧形名で、別売フィルターの価格表記が2015年10月現在となっている世代のものです。現行機種と同じ手順かどうかは確認できていないので、その前提で読んでくださいね。
この取扱説明書では、利用者が行うお手入れとして吸込グリル・フィルター・室内機の表面が挙げられています。一方で、内部の汚れについては「点検整備および費用は『お買上げの販売店』にご相談ください」とあり、内部洗浄も販売店や修理窓口に申し付けるよう書かれています(三菱電機 天井カセット形 取扱説明書(PDF))。
| 場所 | 取扱説明書での扱い | この記事での区分 |
|---|---|---|
| フィルター | 2週間に一度が目安。掃除機か水洗い | 自分でできる |
| 吸込グリル(パネル) | 取り外して水洗いできる | 自分でできる |
| 室内機の表面・リモコン | やわらかい布でから拭き | 自分でできる |
| 熱交換器・ファン | 汚れると臭いの原因。内部洗浄は販売店へ | 任せる |
| 排水経路(ドレンホースなど) | つまりで水漏れ。点検整備は販売店へ | 任せる |
ちなみに、上位の業者サイトでよく見かける「ドレンパン」という言葉は、この取扱説明書のお手入れのページでは使われていませんでした。ただ、「内部洗浄」「点検整備」は販売店へ、という書き方なので、ドレンパンやファン(羽)のような内部の部品を自分で洗う手順は、この記事でも扱いません。
2方向・4方向でフィルターの枚数が違う
天井埋め込みエアコンには、風を出す方向で1方向・2方向・4方向といった形があります。三菱電機では「天井カセット形」と「二方向天井カセット形」の取扱説明書が別々に用意されていて、フィルターの枚数も違いました。
天井カセット形(MLZ-GX)では防カビフィルターが2枚、二方向天井カセット形(MLZ-W)ではプラチナエアフィルターが3枚です。外し方も少し違い、前者は「上にあげてから手前に引き出す」、後者は「少し奥に押してから、手前に引き出す」と書かれています(三菱電機 二方向天井カセット形 取扱説明書(PDF))。同じメーカーでも形が違えば手順が変わるわけです。
この記事の手順や数値は、三菱電機の上記2機種の取扱説明書に書かれた内容です。パナソニック・ダイキン・日立などの家庭用天井埋め込みエアコンについては、今回の調査では取扱説明書の本文までたどり着けませんでした。他社の機種は、お使いの機種の取扱説明書で確認してください。
フィルター掃除の手順と付け方
ここからは、フィルター掃除の具体的な流れです。作業前の準備から、グリルの開け方、洗い方、元に戻すところまで、取扱説明書の順番どおりに進めます。
作業前にブレーカーを切る
最初にやるのは、運転を止めてエアコン専用回路のブレーカーを「切」にすることです。リモコンで止めるだけでは足りない、というのがポイントですね。
取扱説明書の安全上の注意には、その理由として「内部でファンが高速回転していますので、ケガの原因になることがあります」と書かれています。天井の真下で手を入れる作業なので、途中で動き出すことがないようにしておきましょう。分電盤のどれがエアコン用か分からないときは、ブレーカーの表示を先に確認しておくと安心です。
吸込グリルの開け方とフィルターの外し方
天井カセット形の場合、吸込グリルは次の手順で開けます。取扱説明書の手順を、そのまま順番に並べるとこうなります。
- 吸込グリルの「PUSH(外側)」部分を押す
- 「カチッ」と音がしたら、吸込グリルに指を掛けて下に引く
- フィルターの取っ手をつまみ、上にあげてから手前に引き出す(2枚)
開いたグリルは「落下防止用ヒモ」でつながっています。グリルそのものを外して洗う場合は、このヒモを取り外してから取付部を手前に強く引く、という手順です。外したグリルは思ったより大きいので、片手で支えながらの作業になります。脚立の上で無理に持ち替えないで済むよう、下で受け取る人がいるとかなり楽になりますよ。
フィルターの洗い方と乾かし方

外したフィルターは、掃除機でほこりを吸い取るか、水洗いします。汚れがひどいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きしてから、水でよくすすぐ方法が書かれています。
注意したい数値がいくつかあります。お湯は約50℃以上を使わない(変形することがある)。グリルは約2時間以上お湯や水につけておかない。そして乾かすのは日陰で、直射日光や火に当てない、という3点です。
| 項目 | 取扱説明書の記載 |
|---|---|
| フィルター掃除の頻度 | 2週間に一度が目安 |
| お湯の温度 | 約50℃以上のお湯で洗わない |
| グリルのつけ置き | 約2時間以上つけておかない |
| 乾かし方 | 日陰でよく乾かす(直射日光・火は不可) |
| 別売HEPAフィルター | 1年間に一度の交換が目安。水洗いでの再利用は不可 |
| 内部の乾燥 | 3〜4時間ほど暖房または送風運転 |
グリルを洗うときは、たわしやスポンジの硬い面は使わず、やわらかい布で軽く拭くように洗います。洗ったあとは布で水分を拭き取ってから陰干し。室内機の表面やリモコンは、やわらかい布でから拭きし、ガソリン・ベンジン・シンナー・磨き粉は使わないよう書かれています。
フィルターの付け方とグリルの閉め方
フィルターが乾いたら、外したときと逆の手順で取り付けます。グリルを外していた場合は、落下防止用ヒモを必ず付け直してください。取扱説明書には「落下によるケガの原因になりますので、必ず取付けてください」とあります。
閉め方は3段階です。まずグリルを閉めると磁石で仮固定されるので、ヒモがはみ出していないか確認します。次に「PUSH(内側)」を「カチッ」と鳴るまで押して中央を押し、最後に「PUSH(外側)」を「カチッ」と鳴るまで押します。閉まらないときは、もう一度開けてやり直すよう書かれています。見た目で閉まっていても、片側が浮いていることがあるので、最後にパネルの周りをぐるっと見ておくといいですね。
脚立に乗る前に確認したい安全のこと
天井埋め込みエアコンの掃除で一番気をつけたいのは、実はフィルターよりも足元です。取扱説明書にも「吸込グリル脱着のときは不安定な台に乗らない」とはっきり書かれています。ここでは公的機関のデータと注意点を見ていきます。
脚立・はしごの転落事故の数字
国民生活センターが2019年3月28日に発表した資料によると、医療機関ネットワークには脚立やはしごが関係する20歳以上の事故が458件報告されています。そのうち転落事故が433件で、約95%を占めていました(国民生活センター 報道発表資料(PDF))。
| 項目 | 件数・割合 |
|---|---|
| 転落事故の内訳 | 脚立313件・はしご120件 |
| 入院を必要とした事故 | 206件(47.6%) |
| 死亡事故 | 3件 |
| 65歳以上 | 239件(55.2%) |
| 男性 | 361件(83.4%) |
なお、これは参画している医療機関から寄せられた件数で、全国で起きたすべての事故の件数ではありません。それでも、入院が半数近いという数字は軽く見られないですよね。高齢の方に多いとはいえ、男性の割合が8割を超えている点は、30代のあなたにも無関係ではないと思います。
脚立を使うときの注意点
NITE(製品評価技術基盤機構)の2022年9月16日のニュースリリースでは、2017年度から2021年度までの5年間で「はしご・脚立」の事故が162件あり、被害者の約4割が60歳代以上だったと報告されています(NITE ニュースリリース(PDF))。同じ資料に挙げられている注意点のうち、エアコン掃除に関係するものはこちらです。
- 脚立の天板には「乗らない・座らない・またがらない」
- 開き止め具をしっかりロックし、安定した床に置く
- はしごの上では作業しない(作業するなら脚立を使う)
- 使う前に製品の注意表示を確認する
椅子やテーブルを踏み台にするのは、取扱説明書の「不安定な台に乗らない」に当てはまるので避けましょう。グリルを片手で支える場面があるぶん、体のバランスを崩しやすい作業です。天板に乗らないと手が届かない高さなら、それ自体が業者に任せる目安のひとつになります。
臭い・ファン・ドレンパンの汚れはどうする
フィルターを洗っても臭いが消えないとき、次に気になるのが内部の汚れです。ここでは取扱説明書が臭いの原因をどう説明しているか、内部の掃除をどう扱っているかを見ていきます。
取扱説明書が書く臭いの原因2つ
三菱電機の取扱説明書は、臭いについて2段階で説明しています。1つ目は、壁やじゅうたん、家具、衣類などに付いた部屋の臭いをエアコンが吸い込んで吹き出しているケース。この場合は「エアコンの掃除をおすすめします」とあり、まずはフィルターとグリルの掃除です。
2つ目は、長く使っているエアコンで熱交換器やファンが汚れて臭いが出ているケース。こちらは「内部洗浄をおすすめします」と書かれていて、前の章で触れたとおり、内部洗浄は販売店や修理窓口に頼む扱いです。つまり、フィルターを洗っても臭いが残るなら、自分でできる範囲はそこまで、と考えるのが取扱説明書に沿った判断になります。
また、乾燥のために3〜4時間ほど暖房運転か送風運転をする方法も「知っとく情報」として載っています。冷房のあとに内部が湿ったままになるのを防ぐ使い方ですね。
洗浄スプレーを使わない方がよい理由
内部の臭いが気になると、市販のエアコン洗浄スプレーを使いたくなるかもしれません。ですが、三菱電機の取扱説明書には、市販のエアコン洗浄剤を使うと「ドレンホースなどの排水経路のつまりによる水漏れや電気品などの故障の原因」になると書かれています。ケガや感電の危険もあるそうです。
二方向天井カセット形の取扱説明書でも、室内機の内部の洗浄は自分では行わず、販売店か修理窓口に相談するよう書かれています。洗浄剤が電気品やモータにかかると「故障や発煙・発火の原因」になることも、安全上の注意として載っています。
天井埋め込みエアコンは真上に向けて作業するので、液だれが電気部品にかかりやすい位置関係でもあります。この記事では、洗浄スプレーを内部に使う方法はおすすめしません。
排水経路がつまると室内機から水漏れすることがある、という点も取扱説明書に書かれています。天井からポタポタ水が落ちてきた場合は、エアコンの水漏れの原因と対処をまとめた記事も参考にしてください。
ダイキンの自動お掃除と水内部クリーン
他社の機種にも少し触れておきます。ダイキンの家庭用「天井埋込カセット形 シングルフロータイプ」の製品ページには、フラットパネルを採用した場合のフィルター自動お掃除について「ダストボックスがリモコン操作で手元まで降ろせ」るという説明があります(ダイキン工業 天井埋込カセット形 シングルフロータイプ)。脚立に乗らずにゴミを捨てられる仕組みです。
同じページには「水内部クリーン」という機能もあり、約1ヵ月に1回行うことがすすめられています。ただし、製品ページの記載では、室内温度23℃未満または外気温度1℃未満では運転できないとされています。標準パネルのフィルター掃除の頻度や水温は、このページからは分かりませんでした。ダイキン・パナソニック・日立の機種をお使いなら、手順はお手元の取扱説明書で確認してくださいね。
天井埋め込みエアコンのクリーニング料金と頼む前の確認
最後は、業者にクリーニングを頼む場合の話です。料金は店舗ごとに違い、しかも随時変わるので、ここでは掲載例として紹介します。
掲載例で見る料金と作業時間
以下は、2026年10月31日時点のくらしのマーケットに出ている、天井埋め込みエアコンのクリーニングの掲載例です。あくまで個別の店舗の価格で、相場として一般化できるものではない点にご注意ください。
| 項目 | 出店店舗Aの掲載例 | 出店店舗Bの掲載例 |
|---|---|---|
| 1台(税込) | 22,000円 | 25,000円 |
| 2台(1台あたり) | 21,000円 | 24,000円 |
| 3台以上(1台あたり) | 20,000円 | 23,000円 |
| 作業時間の目安 | 家庭用天井で1台60〜120分 | 1台あたり約120分 |
| お掃除機能付き | 8,800円追加 | 記載なし |
| 高所の扱い | 3m以上の高所は作業不可 | 足場が必要なため予約時に連絡 |
2店舗とも、作業内容には外装カバーの清掃・フィルターの洗浄・本体内部の高圧洗浄・ドレンパンの洗浄が含まれていました。店舗Aでは、消臭抗菌コートが1台3,300円、室外機洗浄が1台4,400円のオプションになっています。
くらしのマーケットのマガジン記事には、天井埋込型の料金相場を1台あたり18,000〜35,000円ほどとする説明もあります。壁掛け型の約2倍という書き方です(くらしのマーケットマガジン)。ただ、この表の行は「天井埋込型(業務用)」と書かれているので、家庭用の相場としてそのまま当てはめない方がよさそうです。壁掛けより高くなる理由について、メーカーや公的機関の公表資料は今回は見つけられませんでした。
頼む前に確認したいこと
掲載例を見ると、同じ「天井埋め込み」でも店舗ごとに条件がかなり違います。予約の前に、次の点を確認しておくと当日のトラブルを減らせます。
- 家庭用か業務用か、何方向タイプか(自宅の形に対応しているか)
- 天井の高さ(店舗Aは3m以上の高所を不可としている)
- お掃除機能付きかどうか(追加料金の対象になることがある)
- エアコン専用のブレーカーの場所(確認できないと作業不可とする店舗がある)
- 使用年数(店舗Aは10年以上経過した機種を保証できない場合ありとしている)
なお、三菱電機の取扱説明書は、点検整備や内部洗浄の窓口として「お買上げの販売店」と「三菱電機修理窓口」を挙げています。メーカー系のクリーニングサービスが家庭用の天井埋め込みエアコンを扱っているかは、今回調べた範囲では確認できませんでした。新築時に設置した場合は、まず購入した販売店や工務店に相談してみるのもひとつの方法です。業者の選び方全般や契約時の注意は、エアコン掃除業者の選び方をまとめた記事で詳しく扱っています。
天井埋め込みエアコンの掃除に関するよくある質問(FAQ)
Q1. フィルター掃除はどのくらいの頻度ですればいいですか?
A. 三菱電機の天井カセット形の取扱説明書では「2週間に一度が目安」とされています。ただしこれは三菱電機の機種の記載です。他社の機種は、お使いの機種の取扱説明書で頻度を確認してください。
Q2. フィルターをお湯で洗ってもいいですか?
A. 三菱電機の取扱説明書では、汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯でのつけ置きが案内されています。ただし約50℃以上のお湯は変形のおそれがあるため使わないよう書かれています。乾かすのは日陰です。
Q3. ファン(羽)やドレンパンを自分で掃除してもいいですか?
A. 今回読んだ三菱電機の取扱説明書では、内部洗浄や点検整備は販売店や修理窓口に頼む扱いになっていて、ファンやドレンパンを利用者が掃除する手順は載っていませんでした。この記事でも自分での内部洗浄はおすすめしていません。
Q4. パネルの周りに結露や水滴が付くのは掃除で直りますか?
A. 取扱説明書には、ほこりなどで排水経路がつまると室内機から水漏れすることがある、と書かれています。ただ、水滴の原因はほかにも考えられるので、掃除で直るとは言い切れません。水が落ちてくる場合は販売店に点検を相談してください。
Q5. 脚立がなくても掃除できますか?
A. 天井のグリルを開ける作業なので、多くの場合は踏み台が必要です。椅子などの不安定な台は避け、開き止め具をロックした脚立を使いましょう。ダイキンのフラットパネルのように、リモコン操作でダストボックスを手元まで降ろせる機種もあります。
天井埋め込みエアコンの家庭用掃除のまとめ
- 自分でできるのはフィルター・吸込グリル・表面の掃除まで(三菱電機の取扱説明書の場合)
- 作業前は運転を止め、エアコン専用回路のブレーカーを切る
- フィルターは2週間に一度が目安、約50℃以上のお湯は使わず日陰で乾かす
- グリルの落下防止用ヒモは必ず付け直し、「カチッ」まで閉める
- 脚立の天板には乗らず、開き止め具をロックする
- 臭いが残るなら内部洗浄は販売店や業者へ。洗浄スプレーは使わない
- クリーニング料金は掲載例で1台22,000〜25,000円。条件は店舗ごとに確認する
天井埋め込みエアコンの掃除は、手順そのものより「どこで止めるか」を決めておくのが大事です。他社の機種をお使いなら、まずは取扱説明書のお手入れのページを開いてみてください。あなたの家のエアコンが、気持ちよく使える状態に戻りますように。

