こんにちは、エアコンラボのアキです。
冷房を使っている最中にエアコンが急に止まって、リモコンや本体に「C9」という見慣れない英数字が出ている。取扱説明書はどこかにいってしまって手元にない。分解する自信はないけれど、できれば今日中に使える状態に戻したい。そんな状況でこのページにたどり着いた方が多いのかなと思います。
実はこのキーワードで検索すると、上位に並ぶページの多くが業務用エアコンを扱う販売店や工事業者のサイトです。天井に埋め込まれた店舗・オフィス用のエアコンを前提に書かれているため、ご家庭の壁掛けエアコンの話なのかどうかが、読んでいて判断しづらい状態になっています。しかもメーカー公式のページは、私が確認した範囲では上位に1件も出てきませんでした。
そこでこの記事では、メーカーが公式に出している情報だけを根拠にします。エアコンのエラーコードC9が何を指しているのか、あなたが自分でやってよい範囲はどこまでなのかを整理していきます。他社のコード表を自分のエアコンに当てはめてしまう危険についても、具体的なコード名を挙げて説明しますね。
- C9がどのメーカーの、どの種類のエアコンのコードなのか
- 公式に案内されている対処と、その手順に含まれていないこと
- コードをまだ表示できていない場合の出し方がメーカーごとに違うこと
- ネットのエラーコード一覧を他社のエアコンに当てはめてはいけない理由

エアコンのエラーコードC9はダイキンの家庭用機の表示です
まずは「C9」という表示そのものの出どころをはっきりさせておきましょう。ここを飛ばして対処法から読み始めると、そもそも自分のエアコンと関係のない情報を読み続けることになりかねません。C9の意味、検索結果の落とし穴、そして似た形のコードとの違いを順番に見ていきます。
C9は吸込空気の温度を測るセンサーの不具合
ダイキン工業の公式サイトには、ルームエアコン(家庭用の壁掛けエアコン)向けのよくあるご質問として、エラーコードの一覧が公開されています。そこにC9はきちんと載っていて、内容はこう書かれています。
「吸込空気の温度を検知しているサーミスタの不具合により停止しています。」(ダイキン工業 よくあるご質問より)
サーミスタというのは、温度によって電気の通りやすさが変わる部品のことです。エアコンはこの部品を使って、室内機が吸い込んだ空気が今何度なのかを測っています。測った温度と設定温度を見比べて、どれくらいの力で運転するかを決めているわけですね。
つまりC9は、温度を測る目そのものに異常があるとエアコンが判断して、安全のために運転を止めた状態ということになります。汚れが詰まったとか、風の通り道がふさがれたといった話とは種類が違います。ここが後で効いてくるので、頭の片隅に置いておいてください。出典はダイキン工業 よくあるご質問「エラーコードの内容と対処方法(ルームエアコン)」です。
検索で出てくるC9の解説は業務用向けが多い
ここが一番の落とし穴かもしれません。「エアコン エラーコード c9」で検索して出てくるページを見ていくと、タイトルに「業務用エアコン」と書かれた販売店・工事業者のサイトが上位の多くを占めています。天井カセット型や床置き型など、店舗やオフィスに付いている機種を前提にした解説です。
業務用と家庭用では、同じダイキンでもコードの体系や点検の前提が同じとは限りません。にもかかわらず、読んでいる側はどちらの話なのか分からないまま「基板の交換が必要」「センサーの交換で1〜2時間」といった記述を読むことになります。あなたの部屋の壁掛けエアコンの話として読んでしまうと、必要以上に不安になりますよね。
もう一つ気になったのが、上位ページにメーカー公式へのリンクや出典表示がほとんど見当たらなかったことです。私が本文を確認できたページでは、コードの意味と対処が書かれてはいるものの、どの資料に基づいているのかが示されていませんでした。だからこの記事では、リンクをたどれば原文にたどり着ける形で書いていきます。
C9と形の似たコードとの違いを並べて確認
ダイキンのルームエアコン用の一覧には、C9のほかにもよく似た並びのコードが載っています。混同しやすいものを表にまとめました。意味を比べると、C9が「センサー系の不具合」の一つだと分かりやすいはずです。
| コード | ダイキン公式に書かれている内容 |
|---|---|
| C9 | 吸込空気の温度を検知しているサーミスタの不具合により停止 |
| C4 | 熱交換器の温度を検知しているサーミスタの不具合により停止 |
| CC | 湿度を検知している湿度センサーに不具合が発生 |
| U4 | 室内機と室外機間の通信不具合により停止 |
| A5 | 冷房運転時は室内熱交換器の温度が低下しすぎ、暖房運転時は上昇しすぎたため停止 |
C9とC4はどちらも温度を測る部品の話ですが、測っている場所が違います。C9が部屋から吸い込んだ空気の温度、C4がエアコン内部の熱交換器の温度です。CCは温度ではなく湿度のセンサー、U4は室内機と室外機のやり取りが成立していない状態を指しています。
ちなみに、今回確認したダイキンのルームエアコン用の一覧には、全部で51個のコードが並んでいました。この数だけ見ても、コードを一つずつ暗記するような話ではないと分かりますね。なお、エアコンが止まってしまうのではなく「風は出るのに冷えない」という症状で困っている場合もありますよね。そのときはエアコンからぬるい風しか出ないときの原因と確認手順もあわせて読んでみてください。
エアコンのC9で自分にできることと修理を頼む線引き
意味が分かったところで、次はあなたが今日できることです。ここは安全に直結するので、私の考えではなくメーカーが利用者向けに公開している手順をそのまま基準にします。やってよいことと、やってはいけないことの境目まで具体的に見ていきましょう。
公式の対処は電源プラグを抜いて約1分後に再運転

ダイキンの同じページには、C9に対応する「対処方法」の欄があります。原文はこうです。
「運転を停止した状態で電源プラグを抜き 約 1分後、電源を入れて再運転してください。改善しない場合は、お買い上げの販売店または当社に点検・修理をご依頼ください。」
短い文ですが、読み落としやすい条件が2つ入っています。1つ目は「運転を停止した状態で」電源プラグを抜くこと。運転したままいきなり電源を切る手順にはなっていません。2つ目は「約1分後」という待ち時間です。
ネット上には「3分待つ」「5分待つ」「10分は待つ」など、いろいろな分数を書いた記事があります。ただ、ダイキンがルームエアコンのこの欄に書いているのは約1分です。私は原文にない数字を足すべきではないと考えているので、この記事ではダイキンの機種については約1分とだけお伝えします。コンセントの位置が高くて手が届かない場合は、無理にのぼらず、その回路のブレーカーを落とす方法でも構いません。
C9の公式の対処にフィルター掃除は入っていません
エアコンの調子が悪いと聞くと、まずフィルター掃除、と考える方は多いと思います。私もふだんはそう案内することが多いです。ただ、C9についてはちょっと事情が違います。
同じダイキンの一覧の中で、フィルター掃除が対処方法に書かれているのはA5だけでした。A5の欄には「室内機のエアフィルターを掃除してください。(フィルター自動お掃除機能付きの場合は、フィルター掃除運転をしてください。)」という一文があり、その後に電源の入れ直しが続きます。一方でC9の欄には、フィルターの話は一言も出てきません。
これは考えてみれば自然な話です。A5は熱交換器の温度が下がりすぎた、または上がりすぎたという症状で、風の通りが悪いことが関係し得ます。対してC9は温度を測る部品自体の不具合です。フィルターをきれいにしても、センサーの状態は変わりません。
「不調ならまずフィルター」という一般論を、そのままC9に当てはめないでくださいね。もちろん日常の手入れとしての掃除は有益なので、その効果についてはエアコンのフィルター掃除で実際に何が変わるのかにまとめてあります。
ダイキンはコードごとに対処を書き分けていません
ここは上位のどのページにも書かれていなかった点です。先ほどの表に出したC4・CC・U4の対処方法の欄を読み比べてみると、C9とまったく同じ文章が並んでいました。「運転を停止した状態で電源プラグを抜き 約 1分後、電源を入れて再運転してください。改善しない場合は…」という、あの一文です。
意味はそれぞれ違います。温度センサー、湿度センサー、室内機と室外機の通信と、原因の場所はバラバラです。それでも利用者に案内される行動は一本にまとめられているわけですね。裏を返すと、コードの細かい違いを調べ尽くしても、あなたが自分の手でできることは増えないということでもあります。
◆アキのワンポイントアドバイス
「C9の意味をもっと詳しく知れば、自分で直せる方法が見つかるかも」と検索を続けたくなる気持ちは分かります。ただ、メーカーの案内を素直に読む限り、センサー系・通信系のコードは入れ直して直らなければ点検を依頼するという一本道です。調べる時間を、修理の依頼先を決める時間に振り替えたほうが早く涼しくなれるかなと思います。
分解や部品交換は利用者がやる作業ではありません
センサーの不具合と聞くと、「その部品だけ替えれば安いのでは」と考えたくなるかもしれません。ですが、これはメーカーが利用者に案内していない作業です。
たとえばハイセンスの家庭用ルームエアコンの取扱説明書を見てみます。そこには「お客様⾃⾝でエアコンの据え付けや移動、修理、再設置はしない」「お客様⾃⾝で室内外ユニット接続電線の交換はしない」と明記されています。理由も「感電や火災、けがなどの原因になります」と書かれていました。メーカーが違っても、この線引きの考え方は共通と見てよいと思います。
そのうえで、修理を依頼すると決めたら先に保証の状態を確かめておくと話が早いです。購入した年月と、量販店の延長保証に入っていたかどうかで負担が変わります。エアコンの保証期間と延長保証の考え方を先に見ておくと、問い合わせのときに聞かれる内容が分かりますよ。
エラーコードの出し方はメーカーと機種で違います

「ランプは点滅しているけれど、コードらしきものが出てこない」という状態でここを読んでいる方もいるはずです。実はコードを表示させる操作そのものがメーカーごと、機種の世代ごとに違います。ここは上位のページがほとんど触れていない部分なので、公式の手順を丁寧に見ていきましょう。
ダイキンは運転ランプの点滅が前提条件
ダイキンには、エラーコードの確認方法だけを説明した専用のページがあります。そこで最初に書かれているのが、「運転ランプが点滅していることを確認」という前提です。そして「点灯中はエラーが未確定のため診断できません」とも書かれています。
つまり、ランプが普通に点いているだけの状態で診断の操作をしても、正しいコードは出てきません。ここを知らずに操作して「何も表示されない」と困っている方は、けっこう多いのではないでしょうか。手順の詳細はダイキン工業 よくあるご質問「エラーコードの確認方法(ルームエアコン)」で確認できます。
ダイキンのリモコンはタイプごとに操作が違う
同じページには、リモコンの形に応じて3つのタイプに分けた手順が載っています。おおまかにはこんな流れです。
- タイプ1: リモコンを本体に向けて「取消」または「終了/取消」ボタンを5秒長押しし、「ピー」という連続音が鳴ったコードが表示内容
- タイプ2: 「取消」を5秒長押しして「00」を表示させ、そこから「取消」を短く押していき、「ピー」と鳴った番号で確定
- タイプ3: リモコン背面のカバーを外し、背面の「送信」ボタンを5秒長押しして「00」を表示させ、以降は短く押して進める
- 特例: リモコン品番BRC937A6は「メニュー」を5秒長押しし、「故障診断」を選んで「決定」を押す
操作中の音の違いにも意味があります。「ピー」という連続音なら確定、「ピッ」または「ピピッ」なら未確定という区別です。短い音のところで止めてしまうと、関係のない番号をコードだと思い込んでしまいます。5秒の長押しは体感より長いので、ゆっくり数えてみてください。
パナソニックは世代で表示のさせ方が変わる
パナソニックの家庭用エアコンは、機種の世代によって表示方法が3通りに分かれています。公式のよくあるご質問では、次のように案内されていました。
| 条件 | コードの出し方 |
|---|---|
| リモコンに「お知らせ」ボタンがある | 本体に向けて押すと「ピピピピ…」と鳴り、リモコンの液晶に表示される |
| 2023年以前の機種 | 前面パネルを開けると本体内部の右側に表示部があり、英数字3桁が順に表示される |
| 2024年以降の機種 | 先の細いもので「診断」ボタンを押し、温度ボタンを繰り返し押す |
ダイキンとはボタンも音もまったく違いますよね。他社の手順を試しても、コードは出てきません。詳しくはパナソニック よくあるご質問「エアコン本体のタイマーランプが点滅して、エラー表示が出たら」をご覧ください。なお、リモコンの液晶自体が映らずボタン操作ができない場合は、エアコンのリモコンの液晶が映らないときの確認手順を先に試すのが近道です。
ハイセンスは点検モードでサービスコードを確認
ハイセンスの家庭用ルームエアコンには、取扱説明書に「サービスコードのご確認(点検モード)」という項目があります。リモコンの所定のボタンを5秒以上長押しすると点検モードに入り、そこから1回押すごとに「ピッ」と鳴って番号が切り替わっていく仕組みです。
そして該当する番号になると「ピピピピッ」と鳴り、本体表示部のすべてのランプが点灯すると書かれています。注意書きとして「ボタンを1回押すと、1つのサービスコードが本体の制御基板に送信されます。押し続けてもサービスコードは変わりませんので、必ず1回ずつ押してください」とも案内されていました。
ひとつお断りしておくと、押すべきボタンの名称は説明書の中でアイコンの絵として書かれており、私が確認したPDFからは文字として読み取れませんでした。ですので具体的なボタン名はここには書きません。お手元の説明書か、ハイセンスジャパンのルームエアコン取扱説明書(PDF)の該当ページで、実物のアイコンを見て確認してください。
エラーコード一覧が他社のエアコンに当てはまらない理由
ここからが、この記事で一番お伝えしたい部分です。ネットには「エアコン エラーコード 一覧」といった横断表がたくさんありますが、あの表を自分のメーカー以外に当てはめると、まったく違う故障を疑うことになります。具体的なコード名で確かめていきましょう。
同じF+数字でもメーカーが違えば別のコード
分かりやすい例がF95とF98です。この2つは、パナソニックが公開している自己診断コードの早見表に載っていました。内容はそれぞれF95が「冷房異常時高圧保護」、F98が「総合電流保護」です。
解説には、F95は「冷房・除湿運転で室外機が放熱妨害をおこしている時にお知らせします。」、F98は「必要以上に電気を使いすぎている場合や室外機の汚れ、さらに周辺に障害物がある時などにお知らせします。」と書かれています。
一方で、今回確認したダイキンのルームエアコン用の一覧51個の中に、F95・F98は含まれていませんでした。ダイキン側でF から始まるのはF3・F6・F8・FAの4つだけです。同じ「F+数字」という見た目でも、片方のメーカーの表を持ってきて当てはめれば、自分のエアコンのコード一覧には載っていない番号の解説を読むことになりかねません。
逆方向も同じです。C9はダイキンの一覧にありますが、コロナやハイセンスの公式資料には見当たりませんでした。コードは製品ごとの内部の決めごとであって、業界共通の規格ではないと考えてください。
H11・H19・H97はパナソニックの自己診断コード
あわせて検索されやすいH系のコードも見ておきます。こちらもパナソニックの自己診断コード早見表に掲載されていたものです。
| コード | 早見表に書かれている名称 |
|---|---|
| H11 | 室内外通信異常 |
| H19 | 室内ファンモーターロック異常 |
| H97 | 室外ファンモータロック異常 |
| F95 | 冷房異常時高圧保護 |
| F98 | 総合電流保護 |
H19については「室内ファンモーターが回らなくなったときにお知らせします。」という解説が付いています。H11の解説には「内外通信が(15)秒以上成立しない時、(2)分間パワーリレーをOFFにし再判定する。(2)回検出で異常表示する。」とあり、末尾に「※( )内数値は機種により変動」という但し書きが添えられていました。
数字だけを抜き出して「15秒で異常になる」と覚えると誤解のもとなので、この注記までセットで読んでください。
H97については、私が取得したテキストで解説文の一部が欠けていたため、名称だけをお伝えしています。読めなかった部分を推測で埋めるのは、この記事の趣旨に反しますからね。
なお、この早見表はページの末尾に2007年8月10日の日付があり、冒頭にも「最新機種の情報については掲載されていない場合がございます」との注記があります。出典はパナソニック「自己診断コード早見表(携帯版)」のエアコン索引です。掲載されているコードはH系が33個、F系が16個の合計49個でした。
コロナはランプの点滅で異常を伝える方式
「コロナ エアコン エラーコード」で調べている方には、先に知っておいてほしいことがあります。コロナの公式ページを見る限り、英数字のエラーコードという仕組み自体が使われていません。代わりに、どのランプが点滅しているか、何回点滅しているかの組み合わせで異常を示す方式です。
公式には「インバータータイプ」と「インバータータイプ以外」の2区分で表が用意されています。運転ランプの点滅なら停電表示や送風モーターの異常、タイマーランプの点滅ならコンプレッサ制御の異常や送受信の異常。複数のランプが同時に点滅するなら室外機の電気的な異常やセンサの異常、といった具合に整理されています。詳細はコロナ 営業支援サイトのエアコンの異常表示一覧で確認できます。
ですので、コロナのエアコンでC9のようなコードを探しても見つからないのは当たり前ということになります。探すべきは番号ではなく、どのランプが何回光っているかです。スマホで点滅の様子を動画に撮っておくと、問い合わせのときに伝えやすいですよ。
ハイセンスはエラー19のような数字だけの表記
ハイセンスも表記の形が違います。公式のよくあるご質問には「エラー19は駆動異常です。」という記述があり、アルファベットを使わない数字だけの表記だと分かります。C9のような形は、私が確認した範囲では出てきませんでした。
取扱説明書の「サービスコード確認表」に載っていた番号は18個ありました。内訳は1・2・6・10・11・14・15・19・20・23・33・34・36・38・39・46・85・86です。
ここでひとつ気になった点があります。この表には番号ごとの故障内容の説明が見当たらず、「いずれかの番号が該当した場合は、お買い上げの販売店または弊社サポートセンターへご連絡ください。」という一文だけが添えられていたことです。
PDFの表組みの都合で説明の列が読み取れなかった可能性もあるので、「意味を公開していない」と決めつけるつもりはありません。ただ、少なくとも利用者が説明書だけを見て意味を突き止める作りにはなっていないようです。19の意味は、説明書ではなくハイセンス よくあるご質問「エラー19が出て運転しない」のほうに書かれていました。
公式の処置方法が利用者向けとは限りません
メーカーの公式資料に載っている情報なら、そのままやってよさそうな気がしますよね。ところが、資料には利用者向けのものと、修理に来る技術者向けのものが混ざっています。ここを取り違えると危険なので、実例を挙げて説明します。
パナソニックの処置方法は技術者向けの点検手順
先ほど紹介したパナソニックの自己診断コードの早見表には、コードごとに「処置方法」のページも用意されています。ではH11の処置方法に何が書いてあるかというと、室外機の端子台にアナログテスターを当てて、内外の通信電圧を測定して不良箇所を判定するという内容でした。
これは明らかに、修理に来るサービス技術者が読む文書です。端子台は電気が流れている部分なので、資格も知識もない状態で触れば感電の危険があります。ですからこの記事には、測定の手順も、電圧の数値も、基板の良否の判定方法も書きません。「公式に載っていた対処法」として紹介しているサイトを見かけたら、その情報は自分向けではないと考えてください。
比べてみると分かりやすいと思います。ダイキンが利用者向けのよくあるご質問で案内しているのは「プラグを抜いて約1分後に入れ直す。だめなら販売店へ」というものでした。同じ「公式情報」でも、想定している読み手がまるで違うわけですね。あなたが従うべきなのは、利用者向けに書かれたほうです。
リセットの待ち時間はメーカーで違います
もうひとつ、横断表を鵜呑みにできない理由があります。電源を入れ直すときの待ち時間が、メーカーによって違うのです。
| メーカー | 公式資料に書かれている待ち時間 |
|---|---|
| ダイキン(ルームエアコン) | 運転を停止した状態で電源プラグを抜き、約1分後に電源を入れて再運転 |
| ハイセンス(ルームエアコン) | 電源プラグを抜くかブレーカーを切ってから、10分後にもう一度電源を入れて運転 |
約1分と10分ですから、10倍の開きがあります。ハイセンスの説明書では、運転ランプ(緑)とタイマーランプ(橙)が同時に、またはタイマーランプだけが点滅するときの対応として10分後と案内されています。そのうえで「その後もランプが点滅する場合は、正常でない可能性があります」と続きます。「エアコンのリセットは○分」と一律に書いている記事は、この差を踏まえていないということになりますね。
待ち時間は自分のエアコンのメーカーの案内に合わせてください。他社の分数を当てはめても意味がありませんし、短すぎれば内部の状態がリセットされないまま再開することになります。
ついでにもうひとつ、ハイセンスの説明書には「運転ランプ(緑)のみが遅い点滅をしているときは、⾃動霜取り運転をしています。故障ではありません。」という記載もありました。点滅イコール故障とは限らないのです。暖房シーズンに慌てないよう、覚えておくと安心かなと思います。
販売店ブランドのエアコンは製造元から確かめる
「ニトリ エアコン エラーコード」のように、販売店のブランド名で検索している方もいると思います。この場合に大事なのは、そのエアコンを実際に作っているメーカーがどこかを先に確かめることです。コード体系は製造元のものだからです。
ニトリのエアコンについては、私が調べた範囲では公式のよくあるご質問のページにアクセスできず、配布されている説明書PDFも表紙以外が文字化けして読めませんでした。表紙には室内ユニットの品番としてHA-H22F-W・HA-H28F-W・HA-H40F2-W・HA-H56F2-Wの4機種が並んでいました。ただし、製造元の社名までは確認できていません。ですので、どこ製かをこの記事で断定することはしません。
やることはシンプルです。室内機の側面や下面、または室外機に貼られている銘板を見て、製造者の名称と品番を控えてください。説明書が残っていれば裏表紙にも書かれています。そのうえで、その製造元の公式サイトでコード表や表示方法を探すのが確実です。分からなければ、購入した店舗に品番を伝えて聞くのが一番早いと思います。
エアコンのエラーコードC9で迷ったときの進め方
最後に、実際に動くときの順番を整理しておきます。ここまで読んで「結局どうすれば」と感じている方に向けて、依頼のコツとよくある質問、そして全体のまとめを置いておきますね。
修理を依頼するときに伝えるとスムーズな情報
電源を入れ直しても同じ表示が出るなら、次は点検の依頼です。連絡の前に手元にそろえておくと、話が短く済むものを挙げておきます。
- 室内機の銘板に書かれているメーカー名と品番(型式)
- 購入した時期と、購入した店舗名
- 表示されているコードと、それが出るタイミング(運転開始から何分後など)
- 本体のランプが点滅か点灯か、色はどれか
- すでに試したこと(電源を入れ直した、○分待った、など)
特に品番は、ほとんどの場合聞かれます。同じC9でも、機種が違えば点検する場所が変わるからです。症状を再現できる条件まで伝えられると、部品を持って来てもらえる確率が上がります。「冷房で15分ほど運転すると止まる」といった具合に、時間まで添えられると理想的ですね。
エアコンのエラーコードに関するよくある質問(FAQ)
Q1. C9が出ても、しばらくすると使えることがあります。放っておいても大丈夫ですか?
A. 使えるときがあるからといって、直ったわけではありません。C9は温度を測る部品の不具合をエアコン自身が検知した状態です。測った温度をもとに運転の強さを決めている以上、正しく測れていなければ冷えすぎたり冷えなかったりする可能性があります。ダイキンの案内どおり電源を入れ直しても再び表示されるなら、販売店またはメーカーに点検を依頼してください。
Q2. うちのエアコンはダイキンではありません。C9の解説はそのまま使えますか?
A. 使えないと考えてください。エラーコードは業界共通の規格ではなく、メーカーごとの決めごとです。実際、パナソニックのF95・F98は、ダイキンのルームエアコン用の一覧には載っていませんでした。コロナのように英数字のコードを使わず、ランプの点滅で示すメーカーもあります。まずは自分のエアコンの製造元を確認して、その公式サイトの資料を見るのが確実です。
Q3. 電源を入れ直すとき、ブレーカーを落とす方法でもいいですか?
A. ダイキンの案内は電源プラグを抜く手順ですが、ハイセンスの説明書には「電源プラグを抜くか、ブレーカーを切ってから」と両方の書き方が出てきます。コンセントが高い位置にあって手が届かないときに、無理な姿勢でのぼるほうがよほど危険です。落とすのはエアコンの回路のブレーカーだけにして、待ち時間はご自分のメーカーの案内に合わせてください。
Q4. コードを表示させようとしても、何も出てきません。
A. ダイキンの場合は、運転ランプが点滅していることが前提です。公式にも「点灯中はエラーが未確定のため診断できません」と書かれています。また操作中に「ピッ」や「ピピッ」と短く鳴った番号は未確定で、「ピー」という連続音になったものが表示内容です。リモコンの形によって押すボタンも違うので、自分のリモコンがどのタイプかを先に見極めてください。
Q5. ネットで見つけた「処置方法」を自分で試してもいいですか?
A. その資料が誰に向けて書かれたものかを確かめてください。パナソニックの自己診断コードの処置方法は、端子台に測定器を当てて判定するといった、修理に来る技術者向けの内容です。電気が流れている部分に触れる作業は感電の危険があります。利用者向けに案内されているのは、電源の入れ直しと、改善しない場合の点検依頼までと考えてよいと思います。
エアコンのエラーコードC9で覚えておきたいこと
長くなったので、要点をまとめておきますね。
- C9はダイキンの家庭用ルームエアコンのコードで、吸込空気の温度を測るサーミスタの不具合を示す
- 公式の対処は、運転を停止した状態で電源プラグを抜き、約1分後に電源を入れて再運転すること
- C9の公式の対処にフィルター掃除は含まれず、C4・CC・U4とは対処方法の文面が同一
- コードの出し方はメーカーと世代で違い、ダイキンは運転ランプの点滅が前提
- F95・F98はパナソニックの自己診断コードで、ダイキンのルームエアコン用一覧には見当たらない
- 公式資料でも、技術者向けの処置方法は利用者が試すものではない
検索して出てきた一覧表を自分のエアコンに当てはめる前に、まずそのページがどのメーカーの、家庭用と業務用のどちらの話なのかを確かめる。遠回りのようでいて、これが一番の近道です。あなたの部屋のエアコンが早く元どおりになりますように。

