和室のエアコン|畳数の目安の見方と木造の壁への固定方法

和室に設置されたエアコンのイメージ 購入・選び方

こんにちは、エアコンラボのアキです。和室にエアコンを付けたいとき、悩みは大きく2つに分かれます。「何畳用を選べばいいのか」と「土壁・砂壁の壁に固定できるのか」です。

この記事では、この2点をメーカーの公式資料と据付説明書に書かれている数字だけで整理します。費用相場のように出典を確認できない情報は載せていません。

和室に設置されたエアコンのイメージ

和室で最初に見るべきは「畳数のめやす」の小さい方の数字

カタログの「6〜9畳」は木造和室と鉄筋洋室の2つの目安

エアコンのカタログには「冷房6〜9畳」のように幅を持たせた畳数が書かれています。これは部屋の広さの幅ではなく、建物の構造が違う2つの条件の目安を並べたものです。

パナソニックのエアコンの選び方ガイドでは、畳数の目安が「6〜9畳(10〜15m2)」の場合、木造平屋南向き(和室)では6畳(10m2)、鉄筋マンション南向き中間層(洋室)では9畳(15m2)を意味すると説明されています。

つまり和室にお住まいの方が見るべきなのは、小さい方の数字です。同じ機種でも、木造の和室と鉄筋のマンションでは想定している広さが3畳分も違うことになります。

メーカー公式に書かれている畳数の例

各社が公開している具体例を並べると、木造和室と鉄筋洋室の差がはっきりします。

カタログの表記例 木造・南向き・和室 鉄筋・南向き中間階・洋室
冷房6〜9畳(10〜15m2) 6畳(10m2) 9畳(15m2)
冷房8〜12畳 8畳 12畳
暖房8〜10畳 8畳 10畳
冷房11〜17畳 11畳 17畳

上の2行目・3行目は日立「何畳用のエアコンか確認したいです」、4行目はシャープ「商品選びのポイント」に載っている例です。シャープのページには、この畳数の考え方がJIS C 9612:2013にもとづく試算であることも記載されています。

8畳の和室なら「冷房6〜9畳」の機種ではなく、小さい方の数字が8畳以上になっている機種を選びます。畳数のめやすについては日本冷凍空調工業会「お部屋に見合った能力のエアコンを選ぶ」でも、部屋の広さに見合った能力を選ぶよう案内されています。

なお和室は縁側や大きな掃き出し窓に面していることが多く、日当たりや窓の大きさでも必要な能力は変わります。数字はあくまで出発点として考えてください。

土壁・砂壁の和室に室内機を固定する方法

和室の砂壁と長押のイメージ

原則は壁の中の構造体を探して固定する

室内機は「据付板(すえつけばん)」という金属板を壁に固定し、そこに引っ掛けてぶら下げます。日立のルームエアコン据付説明書(RAS-D22Kほか)には、壁内の構造体(間柱など)をさがして据付板を固定すること、ねじ5本以上で据付板の刻印部に固定し、水平に取り付けることが明記されています。

石膏ボードに直付けする場合は、カサ式のボードアンカー(鉄製)を使い、ねじ込み式のボードアンカーは使わないこと、インパクトドライバーで締めないことも同じ説明書に書かれています。土壁・砂壁はこの「ボードアンカーが効く壁」にも当てはまらないため、別の方法が必要になります。

和室向けの正規の工法「たてさん」「スライド金具」

縦桟による下地補強のイメージ

ここが和室でいちばん知っておきたい点です。メーカーの据付説明書には、和室の構造材を使う工法が正式な手順として載っています。

  • 日立「たてさん」(別売・型式SP-BT-2):回り縁と鴨居の間の寸法Hに合わせて据付板とたてさんを仮組みし、回り縁と鴨居を利用して仮止めしてから水平を確認して固定します。対応するHは390〜660mmです
  • 三菱電機「スライド金具」(別売部品MAC-830SL):三菱電機のルームエアコン据付説明書では「回り縁と鴨居に据付ける場合」として案内され、調整寸法は390〜690mm、固定は4×25の固定用ネジで行います

つまり土壁や砂壁そのものにビスを打つのではなく、天井際の回り縁と、ふすまの上の鴨居という2つの構造材に金具を渡し、その金具に据付板を留める考え方です。日立の説明書には、据付板の刻印「タテサン0位置」をたてさんの目盛「0」に合わせると、室内機と鴨居のすき間が小さくきれいに仕上がるという記載もあります。

真壁の柱の出っ張りへの対応

和室では柱が壁面から出ている真壁(しんかべ)づくりも多く見られます。三菱電機の据付説明書には、柱が壁面より出っ張っている部分では、スライド金具または木材などを使って室内機が柱に当たらないように据え付けるという指示があります。柱と柱の間が狭い和室では、この逃がしができるかどうかが設置位置を左右します。

設置位置を決めるときに必要な寸法

室内機のまわりにあけるスペース

日立の据付説明書に記載されている、エアコンの運転を保証するために必要な寸法は次のとおりです。鴨居の上という限られた空間に収める和室では、この数字が入るかどうかが最初の関門になります。

  • 室内機の上:50mm以上(室内機の背面で配管を接続する場合は90mm以上)
  • 室内機の左右:それぞれ50mm以上(サービス性を考慮して100mm以上が推奨)
  • 室内機の下面から床まで:1.8m以上
  • 火災報知器から:1.5m以上離す
  • テレビやラジオから:1m以上離す
  • 配管を通す壁穴:φ65mm、外側に向けて2〜5mm下がり勾配であけます

能力が大きくても室内機は大きくならない

「広い和室だから大きい機種になって、鴨居の下に入らないのでは」と心配される方がいますが、同じシリーズなら室内機の大きさは能力で変わりません。大きくなるのは室外機のほうです。

機種(日立Dシリーズ) 冷房能力 室内機(高さ×幅×奥行/質量) 室外機(高さ×幅×奥行/質量)
RAS-D22KBK 2.2kW 280×780×218mm/7.5kg 530×658×275mm/19.5kg
RAS-D56K2BK 5.6kW 280×780×218mm/8.5kg 709×859×319mm/35.0kg

日立ルームエアコン取扱説明書の仕様表を見ると、2.2kWから5.6kWまで6機種すべて室内機は280×780×218mmで、質量の差も1kgでした。一方で室外機は幅が658mmから859mmへ、質量は19.5kgから35.0kgへ大きくなります。Dシリーズの製品ページでも室内機は幅780×高さ280×奥行218mmと案内されています。

室内機の高さ280mmに、上にあける50mmを単純に足すと330mmです。回り縁から鴨居までの寸法をメジャーで測っておけば、そもそも収まるのかどうかを業者に相談する前に見当をつけられます。

相談前のチェックリストとよくある質問

業者への相談前に確認しておくこと

採寸と写真があるだけで、見積もりの精度が変わります。複数社に同じ条件で相談するときにも役立ちます。

  • 回り縁から鴨居(または長押)までの高さ(たてさんの適合範囲は390〜660mm)
  • 設置したい壁の柱が出っ張っているか(真壁か大壁か)
  • 室内機の左右と上に50mm以上のあきが取れるか
  • 配管を通す壁の向こう側がどこか(隣室か屋外か)
  • 部屋の畳数と、木造か鉄筋かの区別
  • 壁の状態がわかる写真(壁全体・回り縁・鴨居まわり)

配管まわりの見た目が気になる場合はエアコンのパテ隠しの記事、穴のすき間からの浸水や虫の侵入が気になる場合はエアコンの漏電の記事もあわせてご覧ください。

和室のエアコンに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 砂壁の和室にはエアコンを付けられませんか?

A. 壁そのものにビスを打てなくても、日立の「たてさん」や三菱電機の「スライド金具」のように、回り縁と鴨居に据え付ける方法がメーカーの据付説明書に正式な手順として載っています。まずは回り縁と鴨居の間隔を測ってみてください。

Q2. 8畳の和室なら「8畳用」でよいですか?

A. カタログの畳数のめやすが範囲表示になっている場合、木造和室は小さい方の数字が該当します。8畳の和室であれば、小さい方が8畳以上の機種が目安です。

Q3. 能力の大きい機種は鴨居の下に入らなくなりますか?

A. 日立Dシリーズでは2.2kWも5.6kWも室内機は280×780×218mmで同じでした。畳数ではなく、機種ごとの外形寸法と必要なあきスペースで判断してください。

Q4. 賃貸の和室でも設置できますか?

A. 回り縁や鴨居にねじを打ち、壁にはφ65mmの配管穴をあける工事になります。管理会社や大家さんの許可を得て、原状回復の範囲も先に確認しておきましょう。

まとめ

和室のエアコン選びは、畳数のめやすの小さい方の数字を見ること、そして回り縁と鴨居を使う正規の据付方法があることを知っておくだけで、業者との話が具体的になります。

採寸するのは、回り縁から鴨居までの寸法と、設置したい壁の幅の2か所だけで十分です。その数字を持って相談すれば、ご自宅の和室に合う機種と工法を判断してもらいやすくなります。

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